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【海外ドラマレビュー】MANIFEST/マニフェスト ―打ち切りから復活した、謎解きヒューマンドラマ

今回は『MANIFEST/マニフェスト』を紹介したい。一度は打ち切りになりながら、ファンの声で復活を果たしたという経緯も含めて、思い入れの強い一本だ。

作品について

『MANIFEST/マニフェスト』(原題:Manifest)は、アメリカでNBC(シーズン1〜3)とNetflix(シーズン4)にて2018年から2023年にかけて放送・配信されたSFミステリー・ヒューマンドラマだ。日本ではスーパー!ドラマTVでの放送を経て、Netflixで全話配信されている。

物語は、ジャマイカからニューヨークへ向かっていたモンテゴ航空828便が、フライト中に消息を絶つところから始まる。行方不明になったはずの便は、5年半後に何の前触れもなく空港に着陸する。機内にいた乗客乗員にとっては数時間のフライトだったはずが、地上では5年半という時間が経過していた。取り残された家族、変わってしまった世界、そして乗客たちが徐々に得るようになる不思議な力。ここから、謎に満ちた物語が展開していく。


良かった点

① 「5年半のタイムスリップ」という設定が単純に面白い

数時間のフライトのつもりが、地上では5年半が経過していた。この導入だけで一気に引き込まれる。残された家族はすでに人生を歩み出しており、乗客たちは自分の知らない5年半を抱えたまま、変わってしまった世界に戻ってくる。この設定の強度が、序盤から視聴者を離さない。

② 謎が謎を呼ぶ展開が楽しい

物語が進むごとに新しい謎が積み重なっていき、それが少しずつ紐解かれていく過程が楽しい。この謎の多さ、積み重なり方は『LOST』を思わせるところがある。「呼びかけ」と呼ばれる不思議な予兆、828便に何が起きたのか、なぜ乗客たちは特別な力を得たのか。次々と提示される謎に、先が気になって止まらなくなる。

③ SFとしての雰囲気の良さ

派手な特殊効果に頼りすぎず、日常の中に少しずつ超常的な要素が入り込んでくる空気感が心地よい。この雰囲気は『4400』を思わせるところがあり、SFミステリーとヒューマンドラマのバランスが取れた作品として楽しめる。

④ 終わり方が良い

海外ドラマにありがちな「打ち切りで謎が放置されたまま終わる」という展開ではなく、しっかりと物語を畳んで終わっている点が大きな魅力だ。『LOST』のように謎を発散させたまま終わらせず、伏線をきちんと回収した上で、気持ちの良い着地を迎える。見終えたあとの満足感がしっかり残る作品だった。

⑤ キャストの"あの人"に気づく楽しみ

海外ドラマを見てきた人ほどニヤッとできる要素として、キャストの顔ぶれも見どころだ。アンジェリーナ役の女優は『ジ・アメリカンズ』でペイジを演じていた人で、見ていた人なら「あ!」となるはずだ。また、主人公の一人であるベンを演じているのは『ワンス・アポン・ア・タイム』でチャーミング王子を演じていた俳優で、こちらも気づいた瞬間に嬉しくなる。


気になった点

後半のアンジェリーナの行動にイライラするかも

物語後半になるにつれて、アンジェリーナというキャラクターの行動原理がやや理解しづらくなっていく場面がある。感情移入しにくい行動が続くこともあり、見ていて多少もどかしさを感じる人もいるかもしれない。

中盤以降、やや盛り上がりが失速する部分もある

謎が多く積み重なっていく序盤〜中盤の勢いに比べると、後半は物語のテンポや盛り上がりがやや落ち着く印象がある。最終的な着地は良いだけに、この中だるみが少し惜しいところだ。


余談:打ち切りからの復活劇

このドラマには、放送の裏側にも面白いエピソードがある。もともと6シーズンの構想で作られていたが、視聴率の低下を理由にシーズン3でNBCから打ち切りが発表された。しかも、シーズン3の最終話は数々の謎を残したクリフハンガーで終わっており、ファンにとっては大きな衝撃だった。

しかし、ファンによる「#SaveManifest」という存続運動が盛り上がり、Netflixでの視聴数が長期間トップクラスを記録したこともあって、Netflixが完結編となるシーズン4の製作を決定。無事に物語を畳む形で完結を迎えることができた。作品そのものの面白さはもちろん、この復活劇自体もファンの熱量が作品を救った象徴的な出来事として印象に残っている。


まとめ:こんな人におすすめ

  • 先が気になって一気見してしまうタイプのミステリーが好きな人

  • 『LOST』のような謎解き系ドラマが好きだが、放り出されたような終わり方に不満だった人

  • SFとヒューマンドラマのバランスが取れた作品を探している人

  • 海外ドラマを見慣れていて、キャストの"あの人"探しも楽しみたい人

謎の多さに惹き込まれつつ、しっかりと畳まれる結末まで見届けられる、安心しておすすめできる一本だ。


総合評価

総合評価点:80/100点(Aランク)

タイムスリップという強力な導入、謎解きの積み重ね、そして何より「投げっぱなしにしない終わり方」は高く評価したい。一方で、後半のキャラクター描写や中だるみがあった点を踏まえて、殿堂入りには一歩届かないAランクという評価にした。「見始めたら止まらないが、最後まで気持ちよく見届けられる」という言葉がこの点数にはしっくりくる。

評価基準について S(100〜90)/A(89〜80)/B(79〜70)/C(69〜60)/D(59〜) の5段階で採点しています。


(この記事は[海外ドラマ60本超ランキング]の派生レビューです。他の作品のレビューもあわせてどうぞ)

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