星砂の蟹|シロクマ文芸部作品
こちらに参加させていただきました。
波の音が砂浜に響く。
砂浜には今夜も沢山の「星砂」が落ちていた。
「いっぱい落ちてくるね……」
輝きを放つ星の欠片、星の形をした「星砂」は、ポツリ、ポツリと増えていった。
蟹さんはハサミでそれを拾う、「星砂」はすでに「好き」に包まれてほんのりと温かい。
波にそっと預けると、「星砂」は海へと運ばれる、波音はにぎやかな声になっていった。
夜の海が光っているのは空の星が映ってるだけじゃない。
沢山の「星砂」が溶けて混ざりあっているからだ。
「今夜の海もキレイだね……」
天の川のように明滅する夜の海を眺め、蟹さんは満足気に「星砂」を拾い続ける。
夜空には蟹さんの星が明るく輝いていた。
(了)
