本屋で家族を迷わせない。オンラインから始める「絶対に潰れない本屋」の設計図
3時半に起きる。早起きで、サッカーW杯の日本VSオランダ戦を視聴するために整える。ただ、こういう時に限って、4時頃に下の子が起きる。近くにいないと寝れないようで、抱っこしながら、サッカー観戦。結果は、引き分け以上の成果で、朝早く起きてよかった。
今日は、ずっと頭の中で温めながらも、なかなか具体的な形に落とし込めていなかった「本屋事業」について、思考を整理してみたいと思います。
「本屋をやりたい」
そう思う人は少なくありません。しかし、現実として「本屋で食っていく」のは極めて難しいのが今の時代のリアルです。
私は脱サラして起業し、現在は本業の会社経営を行いながら、幼い子どもを育てるアラフォーのひとり社長です。自分のやりたいことや夢を優先するあまり、時間やお金を破綻させ、家族を路頭に迷わせるわけにはいきません。
それでも私は、いつか世界を代表する本屋をやりたいと考えています。 夢物語で終わらせず、ビジネスとして成立させるためにどうするか。現時点での判断と設計を分解してお伝えします。
なぜ今、あえて本屋なのか
そもそも、なぜこれほど厳しい市場で本屋をやりたいのか。原点は私の幼少期にあります。
子どもの頃、おもちゃは年に2回(誕生日とクリスマス)しか買ってもらえませんでしたが、本だけは「読みたい」と言えばいつでも親が買ってくれました。小学生のときは、図書館カードに自分の名前が増えていくのがただ嬉しかったことを覚えています。大学時代に古本屋でアルバイトをしたのも、「本屋で働いてみたい」というシンプルな動機からでした。
社会人になってからも月2万円ほどを本に使い続け、人生の壁にぶつかるたび、本棚に解決策を求めてきました。子どもの夜泣きが続いて仕事の時間が確保できず苦しかったときも、いつも本が開く手助けをしてくれました。
本で得た知識をすべて実践できているわけではありません。しかし、もし本がなかったら、私はどうやって物事を考え、問題を解決してきたでしょうか。私にとって本とは、生きるための「思考の種」そのものです。
その種を、さまざまな人に手渡せる場所をつくりたい。そして本を媒介として、人と人がゆるやかにつながるコミュニティの源泉をつくりたい。それが、私が本屋をやりたい根本的な理由です。
選択肢と現実の数字
本屋をやると決めたとき、選択肢は大きく分けて3つありました。
選択肢1:すぐに脱サラして店舗を構え、本屋専業になる
選択肢2:趣味やボランティアと割り切り、赤字覚悟で小さく開く
選択肢3:複数の収益源を組みあわせ、時間をかけて「潰れない構造」をつくる
ここで向き合うべきは、本屋というビジネスのシビアな数字です。
一般的な書籍の粗利益率は、およそ20〜25%です。仮に本屋単体で月100万円の利益を出そうとすれば、毎月少なくとも400万〜500万円分の本を売り続けなければなりません。昨今の原材料費の高騰もあり、本の原価率は厳しさを増しています。
単に「本を仕入れて売る」だけのモデルでは、家族の生活を支える経営として成り立たないのは明白でした。
だからこそ私は、選択肢3の「時間をかけて複数の収益源を組みあわせる」道を選びました。
判断基準:家族を守りながら、軸をブレさせない
この決定を下すにあたって、基準にした考え方は2つあります。
家族の生活と事業の継続性を最優先にする(現実主義)
すべての事業が「本と人をつなぐ」という一本の軸で循環すること
どれか一つの収益源が折れても倒れない構造をつくること。そのための準備期間をしっかり確保し、まずはリスクの低いオンラインから小さく始めることにしました。
現時点で描いているビジネスモデルの骨格は以下の通りです。
本業(受託・自社プロダクト/サービス): 現在の経営の基盤として、着実にキャッシュを生み出す。
個人事業(note・メンバーシップ): 発信を通じて読者との継続的な関係を育て、未来の本屋のお客様・コミュニティの土台をつくる。
オンライン選書・オンライン本屋事業: まずはオンラインで本の販売や関連サービスを開始し、ノウハウとファンを蓄積する。
実店舗のオープン(2030年目標): 蓄積したコミュニティと収益基盤をもとに、満を持してリアルな場所をつくる。
本を売る利益だけに頼るのではなく、受託やデジタルコンテンツ、コミュニティといった複数の柱で支える。しかしそれらはバラバラではなく、すべて「思考の種を渡し、人と人をつなぐ」という目的で一本に繋がっています。
10年後どうなっているか
リアル店舗のオープン目標は、2030年に設定しました。
それまでの期間は、実験と準備のフェーズです。うまくいったことも、うまくいかなかった試行錯誤も、すべてオープンに記録していきます。たとえ売上がゼロの月があったとしても、経営の現実から目を背けずに記録を残すつもりです。
本屋をやりたいと思いながらも、経済的な現実と泥臭く向き合い続けている一人の起業家のプロセスとして、読んでいただければ幸いです。
10年後、この記事を振り返りながら「あのとき描いた設計図通りになったな」と続きが書けているかどうか。私自身、その未来を楽しみにしながら、今日も一つずつ手を動かしていきます。
あなたは、どうしても実現したい夢と現実のバランスを、どのように取っていますか?
本日もお読みいただきありがとうございました。
この問いへの答え合わせを、いまも毎月の決算レポートで続けています。「食えない」を設計でどう乗り越えるか。現在進行形の実験です。
