わたしには何もないと思っていた頃の話

ずっと、
わたしには「これ」といったスキルがないと思ってた。

特別な資格もないし、
自信を持ってできることは何もない。
本気でそう思ってた。

3人目の育休後に起業して、
最初にやってみたのは
パン教室の先生のアシスタントだった。

資料を作ったり、
新しいメニューを一緒に考えたり。

同時に、
自分の教室を開くために
パン講師の資格を取るための勉強も始めた。

コロナ禍だったことがきっかけで、
オンラインパン教室を開いてみたら、
お客さんが来てくれた。
リピーターさんもできた。

「わたしにも、スキルで仕事ができた!」

そう思えて、
素直にうれしかった。

でも、
続けていくうちに
だんだんと頭打ちを感じるようになった。

もっとすごい人はたくさんいるし、
このまま、趣味の延長状態でいいのかな…
「仕事です」と胸を張って言うには、
この程度じゃ足りない気がする…

もっと大きくしなきゃ。
もっと稼げる形にしなきゃ。

そう思うようになった頃、
長女が不登校になった。

パン教室だけでは難しいかもしれない。
そう感じたのも、この時期だった。


不登校をきっかけにコーチングを受けた。

「これが身につけば、
不登校も収入の壁も
乗り越えられるかもしれない」

学び始めて、そう思った。

自分のスキルを収入にするために、
SNSの高額講座も受けた。

でも、
発信しようとすると手が止まる。
自分の言葉に自信が持てない。
講座構築も、途中で進まなくなった。

「何でわたしはこの先に進めないんだろう…」

何度も立ち止まっては
できない自分が悔しかった。

当時のわたしは、
「何かを身につけなきゃ」
「スキルがないとダメだ」
そう思い込んでいた。

でも、
足りなかったのは
スキルじゃなかった。

自分を信じるっていう
心の土台が整っていなかっただけだった。

コーチングを受けるようになってから、
少しずつ
自分と向き合う癖がついていった。

その中で、あることに気づいた。

「役に立つスキルは、
もうすでに持っている」

パン教室のアシスタント経験も、
資料作成も、
不登校の子どもたちと向き合うことも。

全部、
わたしが勝手に
「特別なことじゃない」と思い込んで
見逃してきただけだった。

集客や人脈づくりのために、
パン講師の私なんかが場違いかなと思いながら
経営者コミュニティにも飛び込んだ。

そこで、
「経理をやったことがあるらしい」と
聞きつけてくれた人がいて、
仕事を依頼してくれた。

そのとき初めて、
今持っているスキルが
誰かの役に立つんだと実感した。

自分の能力を買ってもらえる喜び。
継続的に仕事を任せてもらえる安心感。

「この働き方を続けたい」

そう思えたのは、
スキルが増えたからじゃない。

自分の心の土台が、
少しずつ整ってきたからだと思う。

振り返ってみると、
わたしは進む道を
一度も
自信をもって選んできたわけじゃない。

パン教室も、
コーチングも、
SNS講座も。

遠回りしたと思う。
もっと要領よくやれていたら、
もっと早くたどり着けたのかもしれない。

でも、
わたしにはどれも無駄じゃなかった。

これまでの経験は、
すべて必要だった。

役に立つスキルがなかったんじゃない。
どんなことができて、
何が役に立つのかを
分かっていなかっただけ。

そして、
それを使える状態じゃなかっただけ。

自分の心が整っていること。
それが、
いちばん大事な土台だったって
今は思う。

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