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泣いて、迷って、強くなった|ドイツ帯同1年目の記録


はじめに

夫の駐在に帯同して、幼児2人を連れてドイツでの生活を始めてから、1年が経とうとしている。
来たばかりの頃は、毎日が初めてのことばかりで、生活を回すだけで精一杯だった。

この「今年の自分日記」は、そんな帯同1年目の私自身を、月ごとに振り返るための記録です。
役に立つ情報を書くつもりはなく、そのとき何に戸惑い、何に疲れて、何を考えていたのかを、そのまま残したいと思いました。

うまくできなかったことや、前向きになれなかった日も含めて、
「こんな一年だった」と後から分かるように書いていきます。

同じように環境が大きく変わった誰かが、
少しだけ気持ちを重ねられる文章になれば嬉しいです。

帯同1ヶ月目|初めてすぎて何も分からない

その頃の私
私は日本語しか話せずドイツにきた。
唯一覚えてきたのはDanke(ありがとう)Gutentag(こんにちは)くらい。
生活のこと
ドアの開け方、洗濯機の回し方、窓の開け方、トイレの流し方さえ違う。
毎日〝覚えることだらけ〟であっという間に1日1日が過ぎていった。
子供のこと
異国で幼い子供を2人育てる。とにかく私が守らなくてはならない。環境が変わった子供達が不安にならないよう必死だった
今振り返って思うこと
何もかも初めてで少し心が浮かれていた。
窓から外を見るだけで違う景色に新鮮さがあり、ドイツ語も積極的に学びたいと思った

帯同2ヶ月目|部屋も心も落ち着かない日々

その頃の私
子供の幼児教室に行き始めてママ友ができた
日常会話を最低限学べるドイツ語学校に通った
生活のこと
航空便や船便が届くが全然片付かない。
部屋が散らかり放題で心も落ち着かない。
家事はある程度覚えたが、スーパーやパン屋に行く時は言葉が通じなくてかなり緊張していた。
子供のこと
日中は子どもと遊び疲れて、自分の時間はなかった。
夜になると、どっと疲れが出ていた。
ママ友という存在が日本では居なかったから、ママ友との関わり方も難しくて苦戦した
今振り返って思うこと
部屋が片付いていないとやっぱり心も落ち着かない。
夫に子供を見てもらい部屋を片付ける時間ができたのが心のリセットにもなった。
まだ海外に住んでいる実感がなく気持ちもふわふわしてたかな。

帯同3ヶ月目|少し慣れて、残った寂しさ

その頃の私
生活の流れにはだいぶ慣れてきて、
「分からないことだらけ」という状態からは抜け出せた気がする。
けどね、余裕が出てきた分、ふとした瞬間に家族や日本の友達に簡単に会えないこと。
忙しくて感じなかった寂しさがふと出てきた。
生活のこと
家の中のこと、買い物、日常の動線はほぼ問題なくこなせるようになった。
「初めて」だらけの日々は終わり、
ドイツでの暮らしが“日常”に変わっていく感覚。
子供のこと
この頃、幼稚園が無事に決まり、
入園に向けた準備を少しずつ始めた。
決まっていくこと、先が見えることが増えて、
子供のことに関しては大きな安心感があった。
今振り返って思うこと
慣れてきたからこそ見えてきた感情があった。
不安が減った分、寂しさが浮き彫りになる。
「生活に慣れる」と「心が追いつく」は別なんだと感じた時期だった。

帯同4ヶ月目|自分の時間が少し戻ってきた

その頃の私
やっと自宅保育が終わり、子供が保育園に入園した。
毎日ずっと一緒だった時間が一段落し、
少しだけ「自分」に戻れる時間ができたように感じた。
心にも時間にも、ほんの少し余裕が生まれた。
生活のこと
これまで後回しにしていた部屋の片付けに手をつけたり、
旅行の予定を考えたり、ドイツの食品や日用品を調べてみたり。
「やってみたい」と思えることに目を向けられるようになった。
近場だけど、家族で小さな旅行にも出かけた。環境が変わるだけで、気持ちがすっとリセットされるのを感じた。
子供のこと
保育園生活が始まり、
園を通して、ママ友もできた。
心強くて、優しくて、分からないことがあると自然と頼れる存在。この出会いが、私にとって大きな支えになった。
今振り返って思うこと
自分の時間が少しできるだけで、心の余白もできた。
穏やかに暮らせる。がどれだけありがたいことなのか実感した。

帯同5ヶ月目|人とのつながりが増えた日々

その頃の私
日本人コミュニティーで出会った、同世代の友達と仲良くなった。
みんなお酒が大好きで、昼間から「女子会」という名の宅飲み。
まるで学生時代に戻ったような気分だった。
異国にいることを一瞬忘れるくらい、心から幸せだと思えるひとときだった
生活のこと
友達と過ごす時間が増えて、
ドイツでの生活が〝楽しい〟に少しずつ変わっていった。
言葉を選ばなくていい空間、同じ立場だからこそ分かり合える空気。それが、想像以上に心を軽くしてくれた。
子供のこと
子供たちは保育園にもすっかり慣れ、毎日楽しそう。
特に下の子は行動範囲がかなり広がり、目が離せない毎日。
大変だけど、その分成長を近くで感じられて幸せ。
今振り返って思うこと
それまでは、子供を通して出会ったママ友や、夫の職場の方との関係が中心で、「自分自身の友達」はいないままだった。
自分で選び、自分の意思でつながった人たちとの時間は、
想像以上に心を満たしてくれて、私が私に戻れる場所になった。

帯同6ヶ月目|やりたいことと、現実の間で

その頃の私
とにかく、いろいろなことをやりたいと思っていた。
YouTubeを始めて旅行動画をアップしたい。
ブログを書いてみたい。
料理教室にも行きたいし、
ドイツ語の学校にもきちんと通いたい。
頭の中には、やってみたいことが次々と浮かんでいた。
生活のこと
でも現実は、子供たちがまだ幼く、
一瞬も目が離せない毎日。
「時間を作ればできる」と思っていたことが、
実は簡単じゃないと気づかされた。
やる気や情熱だけではどうにもならない日々だった。
子供のこと
子供たちは元気いっぱいで、成長とともに行動範囲も広がり、嬉しさと同時に大変さも増えていった。
可愛いし、愛おしい。
でも、その分自分の時間はどうしても後回しになる。
今振り返って思うこと
やりたいことはどんどん頭に浮かぶのに、時間が足りない。
挑戦したい気持ちと、今は待つ時期だと知った自分がいた。

帯同7ヶ月目|どうでもいいことが増えた

その頃の私
6ヶ月目は、やりたいことがたくさんあるのに時間が足りない、と感じていたが考え方が変わった。
今は、今しかできない子育てをしている。
今の時期にしか見られない、子供たちの姿を毎日見ている。
それは十分すぎるほど、贅沢な時間なんだと思えるようになった。
生活のこと
ドイツの生活にもすっかり慣れたのか、
いろいろなことが「どうでもよく」なっていった。
電車が遅れても、言葉が分からないから店員さんの態度が少し冷たくても、家の修理の時間に業者が来なくても。
どうでもいい。というより、もう全然気にしない。
以前なら小さなストレスだったことが、
気づけば心に引っかからなくなっていた
子供のこと
子供たちは変わらず元気で、毎日を全力で生きている。
現地校入園に向けて準備で忙しかった。言葉や環境に少し不安もあったが、本人はそんな心配をよそに、
新しい場所に行くことを楽しみにしていた
その姿を見て、「きっと大丈夫」と思えた。
今振り返って思うこと
ちゃんとしようとして、いろんなことを気にしていた。
でもここでは、思い通りにならないことの方が多い。
それに慣れたというより、受け流す力がついたのだと思う。

帯同8ヶ月目|プツンと切れた気持ち

その頃の私
ある日、突然プツンと気持ちが切れてしまった。
理由は分からないけれど、「今すぐ日本に帰りたい」と強く思ってしまった。
夫の仕事の関係とはいえ、自分の意思で駐在に帯同することを選んだはずなのに、気づけば夫にきつく当たっていた。
生活には慣れてきたし、
気持ちも落ち着いてきたと思っていた。
それなのに、どうしてこんな気持ちになるのか、
自分でも分からなかった。
生活のこと
異国での生活は、大きなトラブルがあるわけではなかった。
でも、言葉の壁もあって、
無意識のうちに気を張り続けていたのだと思う。
一人になる時間もほとんどなく、気づけば心が限界に近づいていた。
子供のこと
子供たちは元気で、毎日一緒に過ごす時間はとても幸せ
ただ、四六時中子供と一緒にいる生活は、
知らないうちに自分を後回しにしていた。
幸せなはずの時間が、時々苦しく感じてしまう自分もいた。
今振り返って思うこと
その気持ちを、思い切って友達に打ち明けた。
「分からないけど、涙が出る」そう話したら、
「私も同じだったよ」と言ってくれた。
「異国で子供を育てて、一人時間なんてないよね。
夫らは仕事を頑張っているかもしれないけど、
今、一番頑張っているのは私たちだよ」と。
同じ環境で子育てをしてきた先輩ママの言葉は、
私の気持ちを静かに落ち着かせてくれた。

帯同9ヶ月目|家族と離れてみて分かったこと

その頃の私
初めて、子供と離れて友達と小旅行に出かけた。
8ヶ月目に気持ちを打ち明けた友達が、
「気分転換しよう」と女子旅に誘ってくれた。
幼い2人の子供を置いて旅行に行くことに、
正直、強い罪悪感があった。
それでも夫は、「楽しんでおいで」と快く送り出してくれた。
生活のこと
ドイツでの生活が少しずつ「回る」ようになっていたことに気づいた。
私がいなくても、家のことも、子供たちのことも、
ちゃんと日常は続いている。
旅行中、夫が送ってくれた子供たちの写真を見て、
「大丈夫なんだ」と初めて実感した。
生活を一人で抱え込まなくてもいい、そう思えた。
子供のこと
帰ると、子供たちは何事もなかったかのように
「おかえり〜」と迎えてくれた。
ママがいなくても、普通に過ごして、夜もちゃんと眠れていた。
その姿に、少し寂しさを感じながらも、大きな成長を感じた。
今振り返って思うこと
一泊離れただけでも、不安は大きかった。
でもそれ以上に、心と体がしっかりリフレッシュできた。
子供たちの成長、夫のたくましさ、そして、寄り添ってくれる友達。
私は一人で頑張っていたつもりだったけれど、
実はたくさんの人に支えられていたんだと、
改めて気づかされた。

帯同10ヶ月目|家族で越えた旅

その頃の私
ドイツに住んだら、いつか必ず行きたいと思っていた国へ、家族で旅行に出かけた。
ただ、その旅程はかなりのハードプラン。
フェリーに乗って、飛行機に乗って、
移動も多く、正直行く前から不安しかなかった。
「本当に大丈夫かな」そんな気持ちを抱えたままの出発だった。
生活のこと
今回の旅行は、夫がすべてのプランを確認し、細かく計画を立ててくれた。
そのおかげで、不安だったはずの旅は、想像以上に充実したものになった。
以前なら不安でいっぱいになっていたはずのことも、
「なんとかなる」と思えるようになっていた。
子供のこと
長い移動にもかかわらず、子供たちは事前の説明をきちんと聞いてくれて、移動中も落ち着いて過ごしてくれた。
この旅行を通して、家族の絆がぐっと深まったように感じた。
子供は現地の幼稚園へ転園し、再び一からの環境でのスタートだった。
それでも驚くほど早く新しい環境に慣れ、楽しそうに過ごしている姿に、子供の強さと柔軟さを改めて感じた。
今振り返って思うこと
不安はあったけれど、家族で一緒に動き、乗り越えた経験は、確かな自信として残った。
「帯同生活」をしているのではなく、「家族で一つの生活を作っている」と実感した

帯同11ヶ月目|気持ちを書き留める

その頃の私
11ヶ月目は、本当にあっという間だった。
気づけば、ドイツでの生活が始まってから、もうすぐ1年が経とうとしていた。
この頃、noteを書き始めた。自分の気持ちを文章にすることで、頭の中が少しずつ整理されていく感覚があった。
生活のこと
日記を書く習慣のなかった私に、
「続けられるかな?」という不安はあった。
でも、書いてみると不思議と楽しくて、気づけば生活の一部になっていた。
文章にすることで、新しい目標や、これからやりたいことが自然と見えてきた。
それだけで、心に余裕が生まれたように感じた。
子供のこと
子供は、現地校でドイツ人の友達ができ、
自分から積極的にドイツ語を覚えようとしていた。
その姿に、「私ももう少し前に進んでみよう」と
背中を押されるような気持ちになった。
今振り返って思うこと
書くことは、自分の気持ちを整える時間だった。
忙しい毎日の中でも、立ち止まって考える場所があるだけで、生活はこんなにも穏やかになる。

帯同12ヶ月目|世界が広がった1年

その頃の私
一年を振り返ってみて、自分の人間性が少し強くなったように感じた。
それは、気が強くなったとか、我慢強くなったということではなくて、違う価値観を受け止められるようになった、
という意味での強さ。
生活のこと
これまでずっと、日本という同じ環境で生活してきた。
でもここでは、言葉が通じない。ルールも違う。
当たり前だと思っていたことが、
当たり前じゃなくなる毎日だった。
納得いかないことも、正直たくさんあった。
でもそれは、この国のルール。
そう受け止められるようになったのは、
この一年の大きな変化だったと思う。
もちろん、日本より過ごしやすいと感じることもちゃんとある。
良いところも、そうでないところも含めて、
少しずつドイツでの生活を理解できるようになった。
子供のこと
子供たちは新しい環境の中で、
驚くほど柔軟に、たくましく育っていった。
家族みんなで同じ場所に立ち、
同じように悩み、笑い、前に進んできたことで、
絆は以前よりも確実に深まっている。
今振り返って思うこと
ずっと、日本から出たくないと思っていた私が、
日本を出てみて初めて、
「世界ってこんなにも広いんだ」と感じた。
一年目は、生活に慣れるだけで精一杯だった。
でも二年目からは、ドイツの文化や日常を、
子供と一緒に楽しみながら体験していきたい。
ごく普通だった私を、こんなにも広い世界に連れてきてくれた夫には、心から感謝している。

来年は、もっとドイツの生活に慣れて、
少しずつ、この生活が好きになっていけたらいいな^^

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