「小脳梗塞のリハビリ 乗り物に乗る(電車・バス・車)」回復期⑯PTコラボvol.3
入院して最初に乗ったバスの場合(乗車10分)
リハビリ病院に入院してわずか一週間後、バスに乗りました。病院の中ではなんとか歩けているように見えても、外に出たらどうなるのか…。いきなりの実践編です。
久しぶりの自宅に向かうバス。ウキウキと血圧上昇が止まりません。わずか10分の乗車なのに、降りた頃には息があがり、歩くのがやっとです。厄介なのは、頭の“ふわふわ”。地面の状態を把握するのに邪魔で仕方ありません。
ようやく自宅に着いて座ったとたん、回転性のめまいが始まり、「このまま地面に沈みたい…」と思うほどでした。家屋調査をしてもらい、帰る頃にはさらに消耗。階段のわずかな段差で足を踏み外したところを、PT(理学療法士)に支えてもらいました。
※前回のコラボ記事 参照
課題がはっきりしたところで、さまざまなトレーニングが始まりました。
これに対する記事をPTに書いて頂きましたので、見ていただけるとわかりやすいと思います→ケースレポート2移動という名のトレーニング:公共交通機関を攻略するロジック/生き方模索中のロジカルPT
入院1か月後のバス(+地下鉄)の場合(乗車10分)
次は、降りた場所が工事現場のすぐそばで、騒音の中で居合わせたおじさんと軽く会話をして立ち上がったとたん、また倒れそうになり、PTに助けてもらいました。帰りの地下鉄はバスほどのダメージはなかったものの、「乗り物に乗る」というだけで体はフル稼働です。
入院1か月半後のバスの場合(乗車30分)
最初のバスから5週間あけて、少し距離を伸ばして再チャレンジ。左側の優先席に座り10分。いつもの気持ち悪さと脳をかけめぐる“もやもや”で目を開けていられなくなり、手足が冷たく痺れてきて、「これはまずい、降りられない…」と思いました。終点で支えてもらってなんとか下車。どこでどう休んだのか・・・?
気づいたら右手が倒れた時のように硬直していて、焦っていたらPTが「大丈夫。脳が忘れているだけです。動かしてみて」と言われて冷静になると、動きました。あれは本当に驚いた😱
後で、若いPTに話すと、誰にでもできる対応じゃないそうです。
帰りのバスは、視線のコツや凝視する方法を教えてもらって乗車。道中のめまいは軽減されたものの、降りた瞬間に一気に症状が襲ってきて、頭をどこかに固定しないと“まっすぐ”が分からない状態に。覚えている限りでは、めまいが最悪だった日でした。
入院1か月半後のタクシー(乗車10分)
次に乗ったのは病院へ向かうタクシー。運転手さんの性格で乗り心地がまったく違うことを知りました。車線変更が多い運転は、めまい症の天敵です。
入院3か月後のバス+電車(全行程5時間半)
そして発症から4か月後。ついに、バス → 地下鉄 → JR → バスという、ほとんど遠足のようなプランを神PTが立ててくれました。しかもOT(作業療法士)も一緒。おやつ持って行っていいですか・・・。
この日の課題は「自分で休むこと」。
乗り物には慣れてきて、「大丈夫!」と暗示をかけて挑んだので倒れることはありませんでしたが、人混みと騒音の電気屋は予想以上にハードルが高く、頭上で繰り返すのんきな店内BGMに思わず毒づきました。
リベンジ
退院前には、前回 “最悪だった”経路のバスに再挑戦。以前より体がもつようになり、少し足を延ばして神社にお参りする余裕も。確実に良くなっていることを実感できました。
↓ この記事は、PTの目線から見た記事です。立場を変えて見ると、面白いですよ。必読です。
目次
1. 公共交通機関は「視覚情報」の暴力である
2. 「乗り物」を攻略するための3つの身体的アライメント
3. 戦略的リカバリー:「休む」というスキルの習得
結び:移動手段を取り戻すことは、自由を取り戻すこと
併せて読んでほしい「当事者の記録」
乗車訓練は負荷の大きいリハビリでしたが、社会で生きるために“移動手段を取り戻す”ことは不可欠。しんどくても、PTさんと一緒にここまで挑戦できたことは、私にとって本当に大きな意味がありました。
感謝でいっぱいです。ありがとうございます。
↓ 次は「トリセツ」です
