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ZINEと雑貨「伍頁」のこと

 「伍頁」さんのことを知ったのはInstagramからだった。「ZINE WALL 2025春」という店内イベントの応募者募集の投稿で、神戸ふたばZINEフェス(7月開催)までは、まだ文学フリマに出るあてもない時にお店の規模やコンセプトを見てみると、ちょうどよいと思えるZINEを自分で昨年作っていたと思い、締め切り前に大急ぎでエントリーしたのだ。

 春は桜を目当てに大勢の人が訪れる阪急夙川駅。そこから北東に徒歩10分弱の住宅街、信号向かいの路面店としてすっとその場にあるというのが印象だろうか。店頭においてある「伍」と「頁」の文字が書かれた積み木のような看板の横には石が置かれていて、自然物と共にありたいというお店の姿勢が伺えるかのよう。

la terre…地にまつわるもののコーナー、イギリスの学校で使われていた木の入れ物も存在感がある

 お店に入るとすぐに、昔懐かしい数学の二次関数グラフを使った地図のようなアートが。「伍頁」の店名の由来になっているのが、万物を構成する五大要素といわれる「地水火風空」。ZINEと雑貨(オリジナルも多数)の書店だが、地にまつわるものをはじめ、それぞれの要素にまつわる5つのコーナーにZINEを分類している。もちろんひとつのZINEで様々な要素が混じっていることは往々にしてあるわけで、店主の廣瀬さん曰く、同じZINEでも違う分類に移動させることもあるそう。読む時期や、自分がどんな気持ちでZINEを読んだかにもよるのだろう。作り手は、どの棚に置いてもらうのかを見るだけでも、廣瀬さんと会話をしているような気分になれそうだ。

 先ほどの黒板に描かれた原画は、お店のオリジナルポストカードや手ぬぐいとして販売されている。

  さきほどのデザインをはじめ、店内にはテキスタイルデザインブランドHyaku さんがデザインしたトートバッグやブックカバーがずらりと揃っている。もともとは、おのみちクリエーターズマーケットがスタート地点だったという廣瀬さん。今でも現地とのつながりを持ち続けながら、コロナ禍で出身地である関西に転居後、見つけたのが現店舗の場所だったそうだ。海と山が近いところは、尾道と神戸は似ていると感じたそうで、尾道といえば大林宣彦監督の「尾道三部作」「新尾道三部作」の話にも花が咲いた(笑)。

店内を見てつくづくと感じるのは、置かれているアンティーク家具とZINEとの相性の良さ。前日に京都マラソン2025の事前受付ついでに、京都国立近代美術館で開催中の「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―で、これぞ民藝の極みという家具をじっくり見てきたこともあり、ZINEもさることながら、ディスプレイ用の机たちが味わい深いのに驚かされた。ZINEのような手作りで個性的で大きさもまちまちな小冊子は、こういうディスプレイをすると俄然イキイキとしてくる。さりげなく貝殻が置かれているこちらは、le vide…空、天、宇宙にまつわるもの の棚だ。


 店内中央にはl'eau…水にまつわるもの の平台。流木が置かれ、個性的なZINEが並ぶ。店主セレクトの文房具たちもラインナップ。たっぷりとお話を聞かせていただきながら、夙川にZINE専門の書店ができたことを心から嬉しく思った。2024年9月にオープンしてから半年弱、きっと3月に開催する「ZINE WALL 2025春」でより多くの人が足を運ぶ書店になることだろう。精錬とした空気が流れ、明るい陽が差し込む店内で宝物を探すように、お気に入りのZINEに出会ってほしい。

<店舗情報>
伍頁
兵庫県西宮市南郷町1-2-101
Instagram : @gopage.zine
営業時間 : 11:00〜17:00
定休日 : 水、日曜、祝日 ※臨時休業あり
アクセス:阪急夙川駅から東に徒歩9分


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