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Report 2: The Seventh Petition

STORY

「却下だな」

エドワードの答えに、組合長の瞳が陰った。

巨大な机の上に設けられた小さな演台。

そこで彼は熱弁を振るっていた。

失われた文明を取り戻したい。

もっと発展した社会を築きたい。

そのためには、人々の資金を集める仕組みが必要だ。

その言葉には、この地域への強い願いが込められていた。

だが、その願いもむなしく、巨人区長の声が素っ気なく響く。

組合長は帽子を胸に抱えたままうつむいた。

勢いを失った彼を見て、エドワードはゆっくりと話し出す。

「提案は理解したがね」

彼女にしては丁寧な前置きだった。

「今始めれば、一部地域に過度な富の集中を招く可能性の方が高かろうよ」

組合長は反論しなかった。

反論できるだけの根拠が足りないことは、彼自身がよく分かっている。

彼は窓の外へ目を向けた。

そこには、森に飲み込まれた旧時代の建造物が並んでいる。

かつて栄え、そして失われた文明の残骸だ。

やがて長い沈黙の後、彼は深く一礼した。

帽子を胸に抱えたまま退室していく。

その背中は落胆しているようにも見えた。

それでも私は知っている。

来年もまた彼はここへ来るだろう。

そして同じ熱量で、この地域の未来を語るのだ。

Lore

・現在の人類社会では、利息制度は再導入されていない。

金融制度そのものは将来的な導入候補として検討されているが、管理局は導入に慎重な姿勢を取っている。

主な理由は以下の通りである。

  • 借り手と貸し手の力関係が安定していない。

  • 各地域の生産量および流通量の把握が不十分である。

  • 裁判制度が未成熟であり、契約違反への対応能力にばらつきがある。

  • 金融取引を監督する組織が十分に整備されていない。

管理局は金融制度そのものを否定しているわけではない。

しかし、現段階で利息制度を認めた場合、一部地域への過度な富の集中を招く可能性が高いと判断しており、導入は時期尚早とされている。

・エドワードは女性巨人である。

エドワードという名称は、地球言語で最も近い発音を便宜上表記したものであり、本来の発音を人類が再現することは難しい。

・第三区商業組合長は、巨人顕現時には一介の港湾事業者であった。

顔が広く、人から頼られやすい性格であったことに加え、誠実な人柄が評価され、後に第三区商業組合長へ推薦された人物である。

現在も地域発展のための提案を積極的に行っており、金融制度の試験導入を求める活動の中心人物として知られている。

Note from a Reporter

Note from a Reporter

第三区商業組合長は、今年も管理局へ新たな提案を持ち込んだ。

今回のテーマは金融制度の試験導入である。

帽子を胸に抱えたまま語る姿を見るのは、これで七回目になる。

現制度への不満というよりも、この地域を発展させたいという強い意志が感じられる。その力強い言葉を聞いていると、こちらまで胸の奥が熱くなる。

もっとも、その熱意が管理局を動かすには至らなかった。

大きな肩を落とし、少し背中を丸めて帰っていく姿を見るたびに、私も残念な気持ちになる。

だが、おそらく数日もすれば、また力強い眼差しで次の計画を語っていることだろう。

ひと言だけ付け加えるなら、面談時間は昨年より十二分ほど長かった。

— Liu Koharuzawa Kaoru
Special Correspondent, The Titan Journal

English Summary

The head of the Third District Commercial Association once again requested a trial introduction of a financial system.

He argued that investment was necessary to accelerate regional development and rebuild civilization.

District Administrator Edward, however, rejected the proposal.

While acknowledging its potential benefits, she warned that introducing interest-based finance too early could concentrate wealth in a few regions and create instability.

The proposal was denied, but the association leader left with the same determination he has shown every year.

He will likely return again next year, carrying new plans for the future of his district.


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