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Investigation 1: Lakebed Survey

Story

「これで本当に海を渡っているのか……?」

巨人は身をかがめ、船の内部を覗き込んでいた。

「はい、キャニエラ様。現地人によれば、魚を獲るための移動手段だったそうです」

傍らに控える伴相が資料を読み上げる。

「興味深いなぁ。母星でも、この形式の船は数千年前の資料でしか見たことがないよ」

そう言って、巨人は伴相へ微笑みかける。

そして何気なく船首へ手を伸ばした。

周囲にいた人類の調査隊が、一斉に動きを止める。

「あぁ」

誰かが小さく声を漏らした。

ギギギ……

乾いた音を立てながら、船首がゆっくりと持ち上がっていく。

舳先から崩れた土砂や船体の一部がぱらぱらと地面へ落ちた。

「オイオイ! キャニーさんよ! いきなり持ち上げるなよ!」

土砂に巻き込まれた誰かが下から叫んだのが聞こえた。

Lore

The Great Dry Basin

現在は広大な荒野となっているが、かつては内海が存在していた地域。

巨人族の記録によれば、文明の発展に伴う水利用の増加は、多くの世界で共通して観測される現象である。

利用量が自然回復量を上回る状態が長期間続いた場合、水域は徐々に縮小し、やがて回復困難な段階へ移行する。

本地域がどの段階で均衡を失ったのかは判明していない。

管理委員会は、この地域を「水資源と文明成長の関係」を研究する重要区域として指定している。

なお、現在も地下には大規模な水系が残存している可能性があり、調査は継続中である。

Notes from a Reporter

母がまだ生きていた頃、地球の気候変動について話してくれたことがある。

今よりも気温は高く、その影響で氷河が後退し、海面が上昇し、湖や河川が縮小していったのだという。

そんな変化が世界各地で起きていたらしい。

もっとも、この湖が同じ理由で干上がったのかどうかは分からない。

私がこの地域について初めて学んだ頃には、すでに湖は存在しなかった。

見渡す限りの荒野を前にして、ここがかつて水の底だったと言われても、信じる人は少ないだろう。

そこに水があった時代を知る者も、今ではほとんど残っていないのだから。

なお、今回の調査は本来、この湖底地域の地質調査が目的であった。

しかし調査主任キャニエラが、発見した漁船に強い興味を示し、その結果として調査隊を大いに慌てさせた件については、本報告書では割愛する。

少なくとも、あの場にいた全員が同じことを考えたのは間違いない。
「頼むから、それ以上触らないでくれ」と。

— Elena Hartmann(エレナ・ハルトマン)
Field Correspondent, The Titan Journal


English Summary

A survey team investigated the remains of a fishing boat discovered on the floor of a long-dried lake.

According to local records, vessels of this type were once used for fishing and transportation across the lake. However, similar designs disappeared from the giant homeworld thousands of years ago and now exist only in historical archives.

During the investigation, Chief Researcher Caniera examined the vessel and expressed particular interest in its structure.

The lake itself vanished long before the current era. Today, only scattered wrecks and fragments remain across the dry basin, serving as reminders of a forgotten age.

This is a report from that world.

From the archives of The Titan Journal.

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