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第一話:14歳、いつもの日常

「……分かんない」

 陽菜は、もう一度問題文を読み直しながら、小さく呟く。

「どこ?」

 隣から夏帆が覗き込んできた。

「…ここ」

 陽菜が問題を指差すと、夏帆は少しだけ身を乗り出した。長い髪が肩から滑って、机の上に落ちそうになる。

「ここまでは合ってるよ」

「ほんと?」

「うん。でも、その次」

 夏帆の指が、陽菜のノートの上をすっと動く。

「ここでこれ使うの」

「……あ」

「分かった?」

「たぶん」

「たぶん?」

 夏帆が笑った。

「じゃあ、もう一回やってみて」

「夏帆、先生みたい」

「だって陽菜、すぐ諦めるじゃん」

「諦めてない」

「今、分かんないって言った」

「……言ったけど」

 陽菜は少しだけむっとして、ノートに向き直った。

 隣で夏帆が笑っている。

 その声を聞きながら、陽菜もつられて口元を緩めた。

「ねえ、もう大丈夫でしょ?遊びに行こ!」

 まだノートを開いている陽菜の手を取り、夏帆が言った。

「え、今から?」

「うん!」

 また…とため息混じりで、慣れたように荷物を片付ける陽菜。

「公園いこ」

「なんで?」

「桜、まだ咲いてるから」

「昨日も見たじゃん」

「昨日と今日じゃ違うかもしれないよ」

「そんな変わらないでしょ」

「いいから」

 夏帆はそう言って、先に歩き出した。

 陽菜は時計を見る。

 帰る時間はまだ早い。

 別に急ぐ理由もない。

「……分かった」

「やった!」

 夏帆が振り返って笑う。

 陽菜はその隣に並んだ。

 夏帆の言うとおり、昨日より桜が多く散っていた。

 風が吹くと、薄い花びらが何枚か落ちてくる。

「陽菜、こっち」

「なに?」

「写真撮ろ」

 夏帆はスマートフォンを取り出して、陽菜の隣に並んだ。

「もうちょっと近寄って」

「なんで?」

「入らないから」

「ちゃんと入ってるよ」

「いいから」

 肩が触れる。

 陽菜が少しだけ顔を寄せると、夏帆も同じように近づいた。

「もっと笑って」

「笑ってる」

「じゃあほら、ピースして」

「無理」

「いいじゃんほら、かわいく撮ろうよ」

 陽菜が夏帆の言うとおりポーズを取ると、シャッター音がした。

「…ふふっ」

 写真を確認した夏帆が笑う。

「…なに、見せて」

「イヤだ」

「なんで」

「あとでね」

 夏帆はスマートフォンを胸元に隠して、楽しそうに走り出した。

 陽菜が少しだけ追いかける。

「ねぇ、見せてよ」

「やだー」

「…ねぇ夏帆ってば!」

「陽菜、こわーい」

 二人の笑い声が、公園の中に響いた。

 ベンチに座る。

「陽菜、これ飲む?」

 夏帆が差し出す。

「いい」

「おいしいよ?」

「自分のあるから」

 陽菜が自分の持っていた飲み物をグッと飲む。

「そっか…」

 夏帆は素直に自分のボトルを飲んだ。

 陽菜はベンチの背もたれに寄りかかり、空を見上げる。

 木の枝の向こうから、午後の光が差している。

「眠そう」

 夏帆が言った。

「眠くない」

「眠そう」

「眠くないって」

「じゃあ目開けて」

「開いてる」

「ちょっとしか開いてない」

「開いてる」

 夏帆がまた笑った。

 陽菜は何も言わずに再びジュースを飲む。

 特別な話をするわけでもない。

 陽菜にとって、夏帆と一緒にいる時間は、何もしていない時まで妙に心地よかった。

 帰りに、二人で街のほうへ歩いた。

 小さな店が並ぶ通り、何故か人がいつもより多い。

「陽菜見て、綿あめある」

 夏帆が指差した。

「食べたいの?」

「食べたい!」

「じゃあ買う?」

 二人で一本の綿あめを買った。

「大きいね!」

「二人分だから」

「これ、一人じゃ食べきれないね」

「だから二人で食べるんでしょ」

 陽菜が一口食べる。

「甘い」

「そりゃあ、綿あめだからね」

 夏帆も笑いながら一口食べた。

 綿あめが少しずつ小さくなっていく。

「陽菜、そっち」

「…ん?」

「こっちのほうが大きい」

「ほんと?」

「ほんと」

 陽菜が言われた所を食べる。

「……変わんないよ」

「えー」

「夏帆、適当」

「ばれた?」

 二人で笑った。

 帰る頃には、空が少しずつオレンジ色になっていた。

 家までの帰り道を歩く。

 人通りが少なくなって、さっきまでの賑やかさが遠くなる。

 陽菜は歩きながら、今日撮った写真のことを考えていた。

 夏帆が撮った写真。

 たぶん、桜を背景に二人で笑っている。

「ねえ、陽菜」

「ん?」

「手、つなご」

 夏帆が何でもないことみたいに言った。

 陽菜は一瞬戸惑い、夏帆を見る。

「……うん」

 それでも、差し出された手に自分の手を重ねる。

 夏帆の手は温かかった。

 二人はそのまま歩いた。

 しばらく何も話さなかった。

 夕方の道には、二人の足音だけが続いている。

 陽菜は前を向いたまま、つないだ手を少しだけ握り直した。

 夏帆も前を向いていた。

「今日、楽しかったね」

 夏帆が言った。

「うん」

「また行こうね」

「どこに?」

「公園とか」

「また?」

「公園じゃなくてもいいよ」

「じゃあ、また考えよう」

「うん!」

 夏帆が握った手を、ほんの少しだけ揺らした。

 陽菜も同じように揺らす。

 それだけで、なんとなく楽しかった。

 夕暮れの道を、二人並んで歩いていく。

 家に着くまでずっと、手を繋いだまま歩く。

 ただ、それだけの帰り道だった。


※あとがき※
ここまで読んでいただいた方がいましたら、ありがとうございます。
こちらは生成AIにて作られた写真を元にキャラクターイメージを膨らませ、物語にしてみたものです。
そのため、使われている画像は純度100%の生成AI画像です。
文章も90%以上生成AIが書いています。
楽なことやってんなと思われるかもしれませんが、意外と根気強く生成AIと向き合う時間が必要です。
良し悪し、違和感を訂正し、学習させるのにかなり時間がかかります。

最初に作られた陽菜、夏帆はもっと大人でした。
その人物像を掘り下げるために生成AIとおしゃべりしていたら、どんどん2人の人生が出来上がってきました。
せっかくなので、2人のこれからの青春の一幕を描けたらと思い、ここに掲載していく形にしました。
何かしらの形で反響があれば、早めに続きを作ります。
反響が無くても、楽しいので続きはゆっくり作ります。

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