「結局どのAIを使えばいいの?」——6つのツールを使い倒して見えた"適材適所"の答え
「AIツール、多すぎてどれを使えばいいかわからない」
ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、Copilot、Grok……。毎月のように新しいAIが登場し、それぞれが「最強」を名乗っている。比較記事を読んでも、結局どれも良さそうに見えて決められない。
私も1年前は同じ状態でした。
大手企業のデータ部門でAI活用を推進する中で、片っ端からツールを試しました。課金したものもあれば、数日で使わなくなったものもある。
その結果たどり着いたのは、「最強のAIツール」を探すのをやめることでした。
代わりに見つけたのは、業務フェーズごとに"最適なAI"を配置するという考え方。これは組織マネジメントと同じです。万能な社員がいないように、万能なAIもいない。大事なのは、それぞれの強みを把握して適材適所で使い分けること。
今回は、私が毎日の業務で実際に回しているツールの使い分けを、フェーズ別に共有します。
「比較表」ではツールは選べない理由
ネットには「AIツール比較○選」という記事が山ほどあります。料金、機能、日本語対応……項目はきれいに並んでいる。
でも、それを読んで「よし、これにしよう」と決められた人はどれくらいいるでしょうか?
比較表で選べない理由はシンプルです。「何に使うか」が決まっていないのに、ツールだけ比較しても意味がないから。
ハサミとカッターを比較して「どっちが優秀か」と聞かれても、「何を切るかによる」としか答えられません。AIツールも同じです。
だから私は、まず「業務のどのフェーズで使うか」を整理し、それぞれに最適なツールを当てはめるというアプローチを取っています。
業務フェーズ別・AIツールの使い分け
私が日々の業務で回している5つのフェーズと、それぞれで使っているツールを紹介します。
🧠 フェーズ①:考える(企画・構造化・壁打ち)
使っているツール:ChatGPT × Claude × Gemini(3つ同時)
上流の企画、課題の概念整理、情報の構造化——いわゆる「考える仕事」には、1つのAIではなく3つのAIを同時に使います。
やり方はシンプル。同じ問いを3つのAIに投げて、それぞれの回答を壁打ち相手にする。
なぜ3つなのか? AIにも「癖」があるからです。ChatGPTは網羅的にリストアップするのが得意。Claudeは論理構造を整理するのがうまい。Geminiは意外な角度からの視点を出してくる。
3つの異なる視点を掛け合わせると、自分一人では絶対にたどり着けない思考の深さになります。
ただし、ここで重要なのは**「仮説を持ってから投げる」**こと。「何か考えて」ではなく、「こういう仮説を持っているが、穴はないか?」と聞く。仮説は間違っていてもいい。仮説がある状態とない状態では、AIとの対話の質がまるで別物になります。
💻 フェーズ②:作る(コーディング・実装)
使っているツール:Claude
SQLクエリ、Pythonスクリプト、Snowflake環境でのデータ処理——こうした実装作業はClaude一択です。
理由は明確で、コード生成の精度が頭一つ抜けている。特にSQLの複雑なクエリやPythonのデータ処理ロジックで、他のツールと比べて「そのまま動く」コードが返ってくる確率が圧倒的に高い。
ただし、ここで絶対に忘れてはいけないのが**「AIが書いたコードを鵜呑みにしない」**こと。SQLの基礎知識がなければ、AIが書いたクエリが正しいのか判断できません。AIを使いこなすには、むしろ既存の知識がより一層重要になる。これは身をもって学んだ教訓です。
🔍 フェーズ③:調べる(リサーチ・情報収集)
使っているツール:Perplexity
情報収集に関しては、Perplexityが別格です。
最大の強みは**「出典付き」で情報を返してくれる**こと。ChatGPTやClaudeに「〇〇について教えて」と聞くと、もっともらしい回答は返ってくるけれど、その情報がどこから来たのかが不明確。Perplexityは回答の根拠となるURLをセットで提示してくれるので、ファクトチェックが格段に楽になります。
私が日常的に使っているパターンは3つ:
競合調査:特定業界のAI活用事例を網羅的に拾う
技術トレンド把握:新しいAIモデルや機能のリリース情報を整理する
資料作成の下調べ:提案書やレポートに使うデータや事例を集める
さらに、毎朝AIニュースを自動収集するタスクも設定しています。朝の時点で「今日のAI関連ニュース」がまとまっているので、トレンドの把握がルーティン化できました。
🎤 フェーズ④:思いつく(アイデア出し・言語化)
使っているツール:Aqua Voice → Claude
「頭の中にモヤモヤとあるけど、言葉にならない」
そんな状態の時、キーボードを打つのではなく、声に出す。Aqua Voice(音声入力ツール)で頭の中をそのまま吐き出し、テキスト化する。
そしてそのラフなテキストをClaudeに渡して、「この意図を汲んで整理してほしい」とお願いする。すると、自分では気づいていなかった思考の構造が見えてくる。
実はこの記事の元ネタも、音声で話しながら作っています。
「話す → テキスト化 → Notionに蓄積 → Claudeで構造化」
この流れが日常になると、アイデアの取りこぼしが劇的に減ります。会議メモや議事録の作成にも使えるので、一石二鳥です。
📊 フェーズ⑤:仕上げる(資料作成)
使っているツール:Claude → Manus
PowerPointの生成にはManusを使っています。ただし、ここでの学びは**「Manusに丸投げしても良いものは出てこない」**ということ。
うまくいくやり方はこう:
まずClaudeでMarkdown形式のスケッチ(構成案)を作る
自社のトンマナやスタイルガイドを明確に指定する
その上でManusに「この構成で、このスタイルで作って」と渡す
この手順を踏むと、短時間で実用レベルの品質に仕上がります。
逆に「提案書を作って」と丸投げすると、一般論の羅列が返ってくる。これはプロンプト設計の問題というより、「上流の思考は人間、詳細化はAI」という役割分担の問題です。
「最強ツール」を探すのをやめたら、生産性が上がった
振り返ると、ツール選びで迷っていた時期が一番非生産的でした。
「ChatGPTとClaudeどっちがいい?」「Perplexityって本当に使える?」——こういう比較に時間を使うより、片っ端から試して自分の業務で回してみる方が100倍早い。
使い込んでいくと、自然と「この場面ではこのAI」という判断軸ができてくる。カタログスペックを比較しても、この判断軸は絶対にできません。
まとめると:
「考える」にはChatGPT×Claude×Geminiの3モデル壁打ち
「作る」にはClaude
「調べる」にはPerplexity
「思いつく」にはAqua Voice→Claude
「仕上げる」にはClaude→Manus
これが、6つのツールを使い倒した末にたどり着いた、私の「適材適所」の答えです。
まずは1つだけ試してみてください
全部を一度に導入する必要はありません。
もし今、AIを業務で使い始めたいなら、まずは「フェーズ③:調べる」からPerplexityを試すのがおすすめです。理由は、日常の検索業務をそのまま置き換えられるので、導入のハードルが最も低いから。
使ってみて「お、これは便利だ」と思えたら、次は「フェーズ①:考える」でChatGPTかClaudeと壁打ちしてみる。
1つずつ試して、自分の「適材適所」を見つけていく。それが結局、一番の近道です。
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「このツールも比較してほしい」「こんな使い方している」というコメントがあれば、ぜひ教えてください。皆さんの使い分けも知りたいです。
