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0306hiroshimi
【毎週ショートショートnote】七夕の歩幅
子供の頃、七夕の日は毎年祖父と祭りに出かけた。
二人で短冊に願いを書き、祖父が笹の高いところへ結んでくれた。
なぜか祖父は「歩幅を合せてごらん」と私に言った。当時はその意味がわからなかった。
あれから長い年月が流れ、祖父が旅立って初めての七夕の夜。
私は一人、あの頃と同じ帰り道を歩いていた。
街灯に照らされた笹の葉は、今は私の目線の高さで揺れている。
ふと祖父の言葉が蘇った。
大人になった今なら、あの頃の祖父と同じ歩幅で歩けるかもしれない。
記憶のリズムを思い出し、少し大きめの一歩を踏み出した。
アスファルトを叩く自分の足音に、重なるようにかすかな足音が響く。
驚いて足元を見ると、街灯に伸びる私の影の隣に、もう一つの大きな影がすうっと寄り添うように並んでいた。
祖父はいつか自分が去った後も、私が大人になって同じ歩幅で歩けるようになった時、いつでも隣にいるためにおまじないをくれたのだ。
二人の影が重なり、夜風が優しく笹の葉を揺らした。
410文字
※田原にか様、どうぞよろしくお願いします。
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