毎週ショートショートnote 『踏切オーディション』410字
踏切を渡った先にあるマック。
窓際のカウンター席に座って、親友の智也とハンバーガーで遅い昼食。
窓の向こうの踏切を渡ってくる女子高生を見て、智也が言う。
「75点。あの娘はショートの方が似合うんじゃないのかな」
さっきからずっとこの調子で、踏切を渡る人達の採点に勤しんでいる。
もちろん、女性限定。
失礼極まりないが、まあ、本人に伝わるものではないし、隣で聞いてる俺は、智也の好みが手に取るように見えて面白い。
「あの娘は……53点かな。あ、でもお前、あんな娘がタイプなんじゃない?声かけてくるか?」
「やめろよ。てか、そろそろ行こうぜ。ここで一日潰すつもりかよ」
「はいはい。じゃあ、次のもう一人だけ……あ」
……100点。
智也より先に、声にならない想いが浮かんだ。
すべてが俺の好み。
ランウェイを歩くモデルのように踏切を渡り……俺達を見つけて、笑顔で手を振ってくる。
「まあ、あいつは98点かな。俺の彼女だしな」
智也はそう言って席を立った。
こちらの企画に参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。
