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せりふ三題噺  昭和57年の映画館デートはIIIから




■セリフ
「受付で待ってますね」
■三題
・宇宙
・カレンダー
・昆布



「あ、あのっ、え、映画一緒に行きませんか!」

前売り券を2枚差し出した僕。

『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』

彼女がガンダム好きだと聞き券を手に入れた。
奮発した指定席!

「駅で待ってます!」

手帳のカレンダーを見て確認する彼女

「一緒には行けないんですが…」

ああ、ダメか…。

「受付で待ってますね。」

手帳を1枚破ったメモを渡され、
代わりに券を持っていった。

どういう意味?



当日、メモの時間に映画館へ来た。
辺りを見渡すが彼女はいない。
はあ、しょうがない1人で見て帰るか…。
前売り券をもぎりの受付窓口に差し出す。
半券を千切った券を二枚戻された。

     「?」

顔を上げると仕切りガラスの向こうで彼女が微笑んでいる。

ガラス越しにメモを渡された。
売店の前で待ってて下さいって書いてある。

待つよ!

上映時間が近くなり入場客はほとんど中に入ったみたい。

売店も先ほどまではパンフや飲み物を買い求めるお客で賑わっていたが今は静かだ。

そこに彼女が来た!

「お待たせしてすみません、アルバイトの交代に時間かかっちゃって。」 

そういうことか。
腑に落ちたが、アルバイトしてるならとっくに見てるのでは…。
まずかったかな…。

「やっと見られます!いつもは上映してる最中に掃除したり売上金の計算したりで見るどこじゃなかったんですよ。」

嬉しそうにしてる、ホントに見てなかったんだろうなあ、そしてやっぱり好きだったんだ。

売店の係員さんと仲良さげに話をして飲み物とお菓子を買う彼女、割引があるからと言ってお金を出してくれた。

中に入ると暗がりを迷わず先導する彼女、
君はニュータイプか?
いや、座席番号と場所を把握してるだけか。
席に座ると飲み物を渡された。

「さっきオマケにくれたんです。」

酢昆布の箱を差し出した。

甘酸っぱい味が口に広がる。

2人で初めて見た映画になった。

2人で他にも沢山見たけど…
僕にとっての恋愛映画は劇場版ガンダムIIIめぐりあい宇宙編なんだよ。

恋の味もさくらんぼの詩やQUICKQUENCH-Cガムではない。
僕は酢昆布だ!

少し前に見た『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は良かったね。
帰りはあの2人みたいに手を繋ぎながら席を立ったよねえ。
ちょっと照れたけど。


次は何を見に行こうか?




こちらに参加させていただきました🍒

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ドライブイン ニューアジト 天井裏から愛をこめて! ナイタラダメヨ  (元ネタはアンジーです、知らない方すみません…。)