少しだけ、自分を先にする練習
「古いルール」を書き換えるために、最近、ひとつだけ小さな練習を始めた。
それは、付き合わなければいけない人に誘われたときに、一瞬だけ「思考」を止めて、「心の奥」に耳を澄ませてみること。
これまでは、誘われた瞬間に、相手の顔や、断ったあとの空気を想像して、「了解です」という言葉が自動的に口をついていた。
それを、あえて数秒だけ、待たせてみる。
私の中には、「断ったら関係は弱くなる」という、ほとんど反射のような古いルールがあった。
「……その日は、ちょっとゆっくりしたいかも。」
そんな、自分でも驚くほど小さな本音が、口をついて出ていた。
大した理由のない、ただの気まぐれな拒絶。
言った直後、心臓が少しだけ速く打つ。
「嫌われたかな」
「わがままだと思われたかな」
古いルールの番人が、頭の中で騒ぎ出す。
でも、返ってきたのは、「了解!ゆっくりしてね」という、拍子抜けするほど軽い言葉だった。
やはり、周りの反応は軽いものだった。
私が必死に守ろうとしていた「期待」は、実は私自身が作り上げていた、幻だったのかもしれない。
もちろん、まだ慣れない。
断ったあと、やっぱり少しだけソワソワして、
「行ったほうが良かったんじゃないか」なんて反省会が始まってしまう。
誰かのための私ではなく、自分のための私に戻るための、リハビリ。
まだ、よろよろとした足取りだけど。
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