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ちゃんとできていない自分に、慣れたくないだけ


インターホンの音が鳴る。

モニターに映る配達員さんの姿を見て、私は急いで

クローゼットから「外いきの顔」ができる服を引っ

張り出す。


疲れていても、人前に出るときは少しだけ整える。

インターホン越しに待たせる申し訳なさをにじませ

ながら、それでも急いで服を着替える。


ほんの一瞬でも、ありのままの自分を見せるのは、

なんとなく避けてしまう。


家の中では、クッションに沈んで、

だらっと過ごしている私。

でも、外の空気に触れるとなると、

少しだけ自分を整えようとする。 


それは「人にどう見られるか」という

外向きの理由より、

「そのままの自分を出すこと」のほうが、 

今の私にはしんどいからだ。



だから、人と会うときは、

たとえ短い時間でも服だけはちゃんと選ぶ。

「ちゃんとしていたい」というより、

「ちゃんとできていない自分」に、慣れてしまいた

くない。


必要最低限のことだけは、何があっても毎日やって

おきたい。


今の自分のペースを、

ただ崩したくないだけなのかもしれない。 


本当はまだ寝ていたいなと思うこともある。

 

余裕がないな、とか、しんどいな、とか。


それでも、結局は毎日やってしまう。



前は、それを完璧主義だと思っていた。 

でも、たぶん違う。

完璧主義じゃなくて、

自分の判断精度を保つためなんだと思う。 


「ここまではやる」と決めたラインを、 

中途半端にしたくない。


一度手を離してしまったら、すべてが曖昧に溶けて 
 
しまいそうで、少し怖い。


だから、無理だと思っても、その線を越えないよう

に、なんとか持ちこたえようとする。 


やっぱり「ちゃんとできていない自分」に、慣れて

しまうのが嫌なのだ。



ただ、その頑固さが自分を苦しくさせるのも

分かっている。


だから最近は、少しだけやり方を変えた。 


「最低限」の範囲を、

ぐっと狭くしてみることにした。


その代わり、残したことだけは、ちゃんとやる。


「これだけはできた」という小さな手応えが、

今の私を支えている。




……やっぱり、これも完璧主義なのかな。



誰かにとっては無意味なこだわりかもしれない。

けれど、パジャマを脱ぐその瞬間に、

私は私を繋ぎ止めている。



明日もまた、私は「私との約束」を守るために、少

しだけ背筋を伸ばすのだと思う。 



#tamaの記録

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