見出し画像

社長が教えてくれたこと1:未来の扉を叩いた日

※この物語は、半分フィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

私が35歳から10年間勤めていた会社「株式会社未来創造スタジオ」の江川社長には、いろいろなことを教えてもらいました。
私は、元々ロックバンドをやっていて、どちらかというと内向的で、反抗的な資質の持ち主です。
人の下で働くのは向かないことは自分でもわかっていたので、この会社に入る前は個人事業をやっていました。
もちろん、仕事ではお客様には愛想よく接するし、以前に比べて、イライラしたり、ケンカすることはなくなりましたが、それでも素直な性格とはいえませんでした。

8年ほど続けてきた個人事業を廃業しようかと考えていた時に、未来創造スタジオで人事課長をしている知り合いに「うちで働いてみませんか?」と声をかけられました。

未来創造スタジオは取引先の1つで、学習塾などを手掛ける大企業。その規模や評判は十分に知っていました。
そのため、働く環境に対する安心感はありましたが、「サラリーマンが務まるだろうか」という一抹の不安を感じました。
ただ、せっかくの機会なので、話だけでも聞いてみようと思い、数日後に会社を訪れることにしました。

会社は大きなビルで、1階が受付になっています。
受付で人事課長の名前を告げると、応接室に案内されました。
ここには何度も来ていますが、今日はいつもと違う緊張感が漂い、心の奥が少しざわついていました。
しばらくして課長がやってくると、「では、社長が待っていますので、社長室へ行きましょう」と案内されました。

社長室のドアが開いた瞬間、私は一瞬立ち止まりました。
そこは明るく整然としており、部屋の中央に立っていた江川社長は、優しい笑顔で私を出迎えました。
「こんにちは。今日は、お時間をいただいてありがとうございます」と挨拶をすると、「いやぁ、ようこそ。お待ちしていました」と、笑顔と共に手を差し伸べてくれました。
その手に触れた瞬間、社長の温かい人柄が伝わってくるような気がしました。

ソファに腰を下ろすと、社長は「ご入社いただけると聞きましたが…」と柔らかいトーンで声をかけてきました。
私は思わず、「いえ、まだわかりません。江川社長のこと、この会社のことを、もう少し知ってから決めたいと思います」と答えました。
自分でも驚くほど、自然と言葉が出てしまった。
思えばずいぶん失礼なことを言ったものです。
たいした実績もない私を迎え入れようとしてくれているのに、このひねくれた態度が、私の性格を表しているのかもしれません。

続きはこちら▼(自己紹介も兼ねて)

いいなと思ったら応援しよう!

tak! 褒められて伸びるタイプです。よろしければ応援お願いします!