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死ぬ気で手を放せ ー Yung Lean × GENER8ION『STORM』

先日リリースされたYung Lean × GENER8IONの『STORM』を繰り返し観ている。MVというよりはほぼ短編映画のような7分半。この画に見覚えのない方は、ラストの群舞だけでもまずは観てほしい。

Yung Leanが演じるのは、2034年英国の全寮制男子校のいじめっ子。暴力、破壊、薬、煙草、謎の科学実験などで学校を支配している描写が続く。

2:08~に高い外階段の柵に掴まっていた手を離して、何回叩けるかを競うゲームに興ずるシーンがある。松本大洋短編集『青い春』(小学館, 1993)に収録されている、『しあわせなら手をたたこう』(1990)の主題であるベランダゲームと同じ遊びだ。洋の東西を問わず、世界の若者はみんなこうやって死を押し付け合ってイキリ倒してきたのかもしれない。

『しあわせなら手をたたこう』が荒れた学校のスケッチにとどまっているのに対して、Yung Leanの歌声は「死ぬ気なんだろう死ねやコラ走れ走れ」(意訳)と煽ってくる。1990年『しあわせなら』の主人公が「なにか面白い事はないかね」と不貞腐れ続けたのとは対照的だ。

Yung Leanは虚無に身を任せるのではない。制服姿で激しく踊る生徒たちの中、ひとり煙草をくゆらせる。歌声はむしろ「We stay united through the storm」と響く。煽られて駆動された身体のうねりと、静かに漂う煙草の煙。

言葉にしたそばから陳腐化してしまう。『STORM Ⅱ』の歌のないダンスだけバージョンも公開されている。


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