なぜ「住まいを整える」仕事を始めようと思ったのか
この秋、新しくサービスを始める予定です。
看護・福祉の視点を活かし、介護や医療的ケア、障害のあるお子さんの子育てなど、日々のケアや家事の負担を軽減できる住まいづくりをサポートするサービスです。暮らしやすさと理想のライフスタイルを両立できるよう、一人ひとりに寄り添いながらお手伝いします。
今日は詳しいサービス内容ではなく、「そもそもどうして私がこの仕事を始めたいと思ったのか」、その背景にある想いを少し書いてみたいと思います。
家の中の負担は、小さなことの積み重ね
毎日の暮らしの中には、ひとつひとつは小さく見えても、積み重なると大きな負担になることがたくさんあります。
・お風呂のとき、少し動きづらいこと
・必要なものを取るまでに、ひと手間かかること
・片づけても、すぐ元に戻ってしまうこと
・何かをするたびに、少しだけ遠回りになること
その場ではなんとか乗り切れても、毎日となると気づかないうちにしんどさがたまっていく。家の中では、そんなことがたくさん起きているように感じます。
家事もケアも、一回だけなら頑張れても、毎日続けば心にも体にも影響してしまいます。けれど毎日のことだからこそ、「こうするしかない」と諦めてしまったり、やりにくさそのものに気づけなくなってしまうこともあります。
「もっと頑張れば…」だけじゃないかもしれない
何かがうまく回らないとき、つい「もっと工夫しなきゃ」「私のやり方が悪いのかな」と自分を責めてしまいがちです。
でも実際には、住まいの「環境」そのものが負担の原因になっていることが多いのかもしれません。動線が整っていないこと、物の置き場所が使う場所に合っていないこと、生活用品とケア用品がうまく馴染まずどこか落ち着かないこと。
そうしたちょっとしたズレが、毎日のしんどさにつながっている。だからこそ、住まいの整え方を少し変えるだけで、毎日の負担はふっと軽くなるのではないか。そう考えるようになりました。
看護師として、現場で見つめてきたこと
私は看護師として働く中で、ケアのしやすさは「技術」だけでなく「環境」に大きく左右されると感じてきました。
必要な物がすぐ手に取れるか、スムーズに動けるか、衛生的に保ちやすいか。これは病棟の臨床現場でも、今の障害児通所施設で出会うお子さんやご家族と関わる中でも、強く感じていることです。
住まいの条件によって、同じケアをしていても負担の大きさは全く変わります。また、重心児と暮らす私自身の生活を通しても、今の状態だけでなく、これからの身体の変化や暮らしの変化を見据えて環境を整えておくことの大切さも実感してきました。
住まいは単なる生活の場ではなく、日々のケアと暮らしを支える大切な「土台」なのだと深く実感しています。
便利さの先にある「自分らしさ」を諦めない
一方で、「負担を減らすこと」だけが住まいのゴールではない、とも感じてきました。
使いやすく、動きやすくすることはもちろん大切です。けれど、それだけではどこか物足りない。暮らす場所は、便利さだけで成り立つものではないからです。
たとえケアが必要になっても、自分の好きなインテリア、大事にしている家具や色、心地よい空間の空気を諦める必要はないと思っています。それはわがままではなく、「その人らしく暮らす」ための大切なことだから。
心から落ち着けること
好きなものに囲まれていること
その人らしくいられること
便利さと、自分らしい心地よさ。どちらか一方を選ぶのではなく、両方を叶えていいはずだという思いが、私の中で少しずつ確かなものになっていきました。
当事者としての「家づくり」経験から
私自身、重症心身障害のある娘が4歳のときに家づくりを経験しました。
特に障害のあるこどものための住まいづくりでは、建てる前の「優先順位の整理」や「要望の言語化」がとても大切だと痛感しています。
何に困っているのか。何を大切にしたいのか。どんな毎日を送りたくて、どんなことは避けたいのか。
それらをうまく言葉にできるかどうかで、住まいづくりの方向性は大きく変わります。けれど実際には、「何から整理すればいいかわからない」「今の困りごとをどう伝えればいいかわからない」「将来のイメージが湧かない」と悩む方がほとんどです。
設計の前に、暮らす人の視点に立って住まいの希望を整理する。そんな風に言葉にするプロセスに寄り添える存在が必要なのではないか、と感じてきました。
家は、毎日を過ごす大切な居場所
私が始めたいのは、ただの片づけのサポートやアドバイスではありません。
家事やケアの負担を減らしながら、誰もが自分らしく暮らせる住まいを一緒に考えていくこと。今の住まいの困りごとを整理し、必要であればこれからの家づくりやリフォームにも繋げていくこと。
今と未来の両方に寄り添いながら、住まいを整えるお手伝いをしたいと思っています。ケアが必要なご家族はもちろん、「今の暮らしをもっとラクに、自分らしくしたい」と願うすべての方の力になりたいです。
今後について
どんなことをやっていくのか、サポートの際の「住まいを整える視点」、具体的なサービス内容についてなど、今後の投稿で少しずつお伝えしていきます。
住まいを整えることは、「時間と心の余白」を生み出すこと。この秋のスタートに向けて準備を進めています。
