見出し画像

いつか春が/ coasholo.story

いつか この世界から 『春』がなくなってしまうことがあるなら

空を覗くのも難儀なほど   一面薄紅の域が  
淡く…霞んで…
そんな穏やかな陽気に浮かれた てんとう虫が この指で羽根を休ませたことも

この記憶の箱から何処かへ行ってしまうだろうか

もしも春がなくなってしまったら…

そんな歌も消えるのかな


春雷が呼んだ激しい雨  
キミの声も消されてしまうほどだった
あの春も…

たしかに キミは 別れを口にしたのに  
悲しみは嵐の中に見失ってしまった

もしも春がなくなってしまうなら…
それも消えてなくなればいい

覚えていたいことも  
忘れてしまいたいことも

すべて  なんの 引き立て もなく 消えてしまえば  いっそ清々しい

でもこの箱は箱にあらず

どこにも仕切るものはない

春雨の水滴みたいに 私に染み渡れば
それはもう私同然

いつか
痛いのか 苦しいのかさえ 滲んで行って

私の色になって行けたら    
春がなくても生きて行けるだろう

いいなと思ったら応援しよう!