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【エッセイ】 雲になる乗り物

―― short story ――

学校公開。

仕事を休む段取りに心がざわつくけれど、
娘の学校生活を垣間見られるのは、少し嬉しくもある。

到着すると、休み時間だった。

スリッパに履き替えて靴を袋に入れると、教室へ向かう。

……確か、こっち。

いつも迷う。

廊下を歩くと、ひんやりとした空気と木の香りが鼻を掠める。

子供たちが私の横を通り過ぎて、がやがやとした音が聞こえる。

教室に入ると、子どもたちが興味津々に振り返る。

頭を下げながら、保護者の間に入って壁に背をつけた。

一息ついて前を見ると、先生は教壇でプリントを整えていた。


不思議なことに、娘はすぐに分かる。

恥ずかしがり屋の娘は、目があってもぷいと前に視線を戻す。

思わず口元が弛んで、チャイムが鳴るのを待った。

授業が始まると、私の苦手な算数の問題が黒板に並んでいく。

チョークの粉が、先生の手を白くしていった。

手をはたきながら、先生が子どもたちへ向き直る。

「分かる人!」

なんと、クラスのほぼ全員の手が上がる。

……優秀。

初めの頃はすごく驚いていた。

でも、違った。

自信がない子でも手が挙げられるように、

手をグーにした子を、先生は当てない。

答えられる子だけが、手をパーにしている。

娘は、もちろん、グー。

私も小さな頃は緊張して手が挙げられなかったから、

手を挙げるきっかけをつくるこの取り組みは、すごくいいなと思っている。


授業も中盤になると、チラチラと視線を壁や廊下へ向ける。

飾ってある習字や絵、子どもたちの自己紹介カードなどを目で追っていく。

そして、ふと、目を止めた絵があった。

カラフルな色づかいが、ひときわポップに見えた。

幻想的、空想的という言葉が似合う、ピンク色の背景。

家の前には、可愛らしいミニキャラの子供たち。

空に浮かぶ雲は、すべて何かの形になっていた。

誰が描いたんだろうと思い、名前を見る。

娘だった。

あとで聞くと、

子どもたちが考えた乗り物が、空に浮かぶ雲になるのだという。

算数より、空想。

……そこは、私によく似ていた。








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気がのらないと描いてくれない😂
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今回のお題は「ちょっと驚いた話」で書かせていただきました。
お読みくださり、ありがとうございました💐

読んだ記念に、COBIToの庭をひとつ育てていってね🌿

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