【ショート】 『600』
―― short story ――
びらびらと、紙の音がする。
今日は強風だった。
自転車のかごに、一枚の紙が引っかかっている。
小さくため息をこぼし、紙を外して近くのゴミ箱へ入れる。
なぜか、青い色が気になった。
もう一度取り出して広げると、中央に乱れた文字があった。
『600』
その下には、黒いペンで小さく『花畑通り』と書かれていた。
その場所は、自転車で十分ほどだった。
花畑通りに入ると、両側に並んだ家が途切れ、白い花の咲く空き地が現れた。
花の間から、白い腕が伸びている。
自転車を止め、近づいた。
女性だった。
半分開いた目に、花びらが一枚張りついている。
震える指で通報すると、警察はすぐにやってきた。
「この女性です」
空き地を指さす。
……誰もいなかった。
警察官は花畑を見渡すと、深くため息をついた。
そして、手帳を開く。
「紙を拾いましたか」
「……はい」
「数字は?」
「六百です」
警察官は、手帳に何かを書き込んだ。
「あなたで六百人目ですね」
ポケットから紙を取り出す。
青いインクが、指先についた。
『601』
その下には、黒い文字で私の住所が書かれていた。
#600note祭り
第二弾✨
たかっちさんの企画に参加しています🌿
いつも、楽しい企画をありがとうございます。
今回は、まろやかホラーで描いてみました🎶
まろやかだったよね😅
お読みいただき、ありがとうございます💐
読んだ記念に、COBIToの庭をひとつ育てていってね🌿
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