【ショート】 眠れない月
―― short story ―—
月は恋をしている
遠く離れた地球にいるあの人に
今日も探して照らす
夜なのに眩しそうに目を細める
その周りだけ明るくなる
少しだけ私も目を細める
閉じてしまえば
見えなくなるから
窓辺で本を読む彼
静けさが揺れる
今日もただ照らしている
彼がそっと月を見上げる
風が雲を運び
私を隠す
彼の眉が少し下がる
慌てて風でほどく
私が現れると
彼の瞳が輝く
温かい光が今日も地球へ落ちていく
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