誤配(作品10首)
三部屋あるアパートだけど隣人の誰とも顔を合わせていない
青い壁に並んだガスのメーターがみんな動いているのはわかる
Amazonがいつも建物まちがえて届かないぼくの友、エーリッヒ
ウオンウオンとかすかだけれど隣室でなにか動力の音が聞こえる
置き配では配達済になるけれどいつもどこにも置かれていない
「この荷物はあなたの金の誤配ですかそれとも銀の誤配ですか?」
建物に名前がなくて地図上を配達員が彷徨っている
退勤の電車で座れる駅が来てネクタイをややゆるめて眠る
「すいません」と聞かれて顔を挙げたとき「これはあなたのお荷物ですね」
見たこともない制服の若者が銀色の筒を僕に差し出す
