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プロンプトエンジニアリング

〜日本語でAIと話すために必要な「読み・書き・気づき」〜

AIネイティブの新しい「言葉の壁」


私たちの生活に急速に浸透している生成AI。

まるで魔法のように文章を作り出し、質問に答えてくれるAIたち

その能力に驚き、感動しすることも多い。

しかし、

AIと対話する中で、私たちは新たな「言葉の壁」に直面しています。

それは、人間同士であれば当たり前に通じるはずの日本語が、

AIにはうまく伝わらないことがある、

という壁です。

「もっと〇〇な感じで書いてほしいんだけど…」

「なんか、言いたいことと違うんだよな…」

そんな経験はありませんか?

この「うまく伝わらない」を解消し、AIから質の高いアウトプットを引き出すための技術こそが、「プロンプトエンジニアリング」です。

なんだか難しそうな響きですが、実はその本質は、私たちが子どもの頃から慣れ親しんできた、ある力に非常に近いのです。

そう、それは「こくご」の力。

このNOTEでは、プロンプトエンジニアリングを「AI時代のこくご」と捉え直し、日本語でAIと上手に付き合うために必要な「読み・書き・AIと気づき」について、調べていくメモです。

第1章:プロンプト沼へようこそ 〜ChatGPTの頭の中にダイブ(しなくてもいい)〜

1-1. AIの「頭の中」を覗いてみたけれど…

ある日、AIについてもっと深く知りたいと思い、「ChatGPTの頭の中」といったタイトルの本を手に取ってみました。きっと、AIとの対話がもっとスムーズになるヒントが書かれているに違いない、と期待に胸を膨らませて。

しかし、ページを開いてみると、そこには見慣れない数式や専門用語がずらり。Wolfram言語、ニューラルネットワーク、トランスフォーマーモデル、アテンション機構…。「人間の脳を模した数理モデル」という説明は理解できるものの、その詳細な仕組みはあまりにも複雑で、私の脳はすぐにフリーズ寸前になりました。

うわぁ、これは無理。理解できない。

正直、そう思いました。でも、同時にこうも思ったのです。

「いや。私たちが普段、AIを使う上で、ここまで内部の仕組みを理解する必要があるんだろうか?」

もちろん、AIの研究開発に携わる方にとっては必須の知識でしょう。

しかし、私のようにAIを「道具」として活用したい一般ユーザーにとって、ブラックボックスの中身を隅々まで知ることは、必ずしも最優先ではないはずです。

1-2. 大切なのは「入力」だった

私たちがAIと関わる上で、最終的に必ず行うこと。それは、AIに何かを「入力する」ことです。質問をする、指示を出す、文章の続きを書いてもらうために書き出しを示す。この「入力」こそが、プロンプトなのです。

そして、AIを使えば使うほど痛感するのは、このプロンプトの質によって、AIからの出力が天と地ほど変わる、ということです。

例えば、「日本の首都について教えて」というシンプルなプロンプトでも、AIは「日本の首都は東京です」と答えてくれます。これはこれで正しい情報です。

しかし、「日本の首都である東京について、小学生にもわかるように、歴史的な背景と現在の特徴を織り交ぜながら、箇条書きで3つ教えて。文字数は合計で200字以内にしてね」のように、より具体的で precise なプロンプトを入力するとどうでしょう? AIは、より tailored された、意図に沿った回答を生成してくれます。

この「入力次第で出力が変わる」という事実に気づいた人々が、「どうすればAIに意図を正確に伝えられるか?」を追求し始めました。そして、その技術体系が「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれるようになったのです。

1-3. プロンプトエンジニアリングは「こくご」の入試対策?

プロンプトエンジニアリングという言葉だけを聞くと、まるで高度なプログラミング技術のように感じるかもしれません。

しかし、その本質は、AIという特殊な相手に対して、いかに分かりやすく、正確に、そして効果的に自分の意図を伝えるか、というコミュニケーションの技術です。

そして、このコミュニケーションの技術は、私たちが子どもの頃から「こくご」の授業で学んできたことに、驚くほどよく似ています。

「相手に伝わるように文章を書こう」
「この文章の筆者の意図は何だろう?」
「言葉のニュアンスを読み取ろう」

これらはすべて、「こくご」の学習テーマです。

AIとの対話もまた、AIが「書いた」文章を「読み」、自分の意図をAIに「書かせる」ための技術なのです。

プロンプトエンジニアリングは、AIの複雑な内部構造を理解することよりも、むしろ「言葉」そのもの、そして「言葉を使って他者(この場合はAI)とコミュニケーションをとる力」に焦点を当てた技術だと言えるでしょう。それは、まさにAI時代の新しい「こくご」なのかもしれません。

第2章:プロンプトとは“作文”である 〜AIとの対話をデザインする力〜

2-1. AIにとっての「言葉」

プロンプトエンジニアリングの正体、それは突き詰めれば「AIに対して、いかに伝わりやすい作文を書くか」という技術に他なりません。私たちがAIに何かを依頼する際に入力する一言一句が、AIにとっての「作文」の課題文となり、それに対するAIの応答が「作文」の解答用紙のようなものです。

AIは、私たちが入力した日本語を、まず「トークン」と呼ばれる単語や記号の最小単位に分解します。例えば、「今日は良い天気ですね」という文は、「今日」「は」「良い」「天気」「です」「ね」といったトークンに分解されるイメージです。そして、それぞれのトークンが持つ意味や、トークン同士の並び順、つまり文の構造を分析することで、入力された文章の意味を解釈しようとします。

さらに、AIは単語の品詞(名詞、動詞、形容詞など)を識別したり、文中の単語が互いにどのように関連しているか(主語は何か、述語は何か、目的語は何かなど)を解析したりします。これは、まるで学校の国語の授業で習う「品詞分解」や「文の成分」のようです。

AIは、私たちの言葉の表面的な意味だけでなく、文脈や単語の持つニュアンス(例えば、「考える」と「思う」では、思考の深さや確実性が異なります)まで、膨大な学習データに基づいて「読み取る」ことを試みます。

2-2. 日本語の「あいまいさ」がAIを悩ませる

しかし、ここで大きな壁となるのが、日本語特有の「あいまいさ」です。日本語は、人間同士であれば文脈や行間、話し手の表情や声のトーンから容易に理解できる多くの情報を、あえて言葉にしない文化を持っています。

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