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雑記【エッセイ】生きたい跡

こんにちは、或いはこんばんは。まりんです。
子1の少し困った一コマです。
※自傷についての言及があります。ご自身の判断で読むのが辛くなった際は無理に読もうとしないでください。


子1の腕に刻まれた傷は、もう何本目か分からない。
薄い線の上に濃い線が重なって、皮膚の地図みたいだ。
そこに触れられない私は、母親というより、ただの観測者に近い。

病名はいくつも並ぶ。
気分変調症。軽度知的障害。自閉スペクトラム症。
でも本当に彼女を沈めているのは、名前のつかない疲れだと思う。
光に追われるみたいに眠ってしまう昼。
音のない夜だけが、彼女が呼吸できる世界。

「夜のほうが落ち着く」
そう言ったときの声だけは、少しだけ年相応に聞こえた。

薬はまだ合わず、昼夜は逆転し、就労支援にも行けなくなった。
描きかけのスケッチブックだけが机に開きっぱなしで、
その白さが、今の彼女そのものみたいで怖くなる。

それでも、生きようとしている。
その姿を見ていると、胸の奥で醜い嫉妬が生まれるときがある。
——ああ、こんなふうに真っ直ぐ足掻けていたのは、もう昔の私なんだなって。
私はもう、痛みに向かう勇気すら残っていない。
だから彼女の“生きたい”が、たまらなく眩しく見えてしまう。

痛ましいからやめてほしい。
でも、痛みだけが居場所になるときの感覚は、私も知っている。
ピアスの穴を増やし続けた夜。
首輪がないと心臓が落ち着かなかった日。
生きていたいのに、生き方がわからないときの手の震え。

彼女の傷を見ると、
それは死への線じゃなく、
かろうじて生にしがみついている爪痕なんだと分かってしまう。

昨夜、ふいに子1が私の手に触れた。
「お母さん、起きてる?」
その指先はひどく冷たくて、
私はその温度だけで、一晩眠れなかった。

ああ、この子はまだ助かりたいんだ。
まだ、この世界に手を伸ばしているんだ。

そのことがわかって、
胸のどこかが静かに崩れていく。

残酷なくらい痛々しい。
それなのに、この子の生き方は、不思議なほど美しい。
誰よりも不器用で、誰よりも真剣に生きようとしているから。

私は祈るしかない。
私の祈りなんて役に立たないのに。
それでも、ただ一つだけ願ってしまう。

——どうか、この子の傷が、生き続けるための最後の灯りでありますように。

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