飢饉

今日、手紙を書いた
のどかな香りの便箋だった
雨音が聞こえる
街が沈む
病人が裏庭でわめく
長生きするよ
昨日は少しあったのだ
昨日に昨日が
つまり雪解け
薄くはかない硝子板も
少し震えていたのだった
子犬の声も
カラスの声も
昨日に少しあったのだけれど
水引の黒
葬列の唇
飢饉飢饉で食えなくなって
またの季節に覆われる
昨日は少しあったのだ
淋しくて嫌だ
ああ、長生きするよ


いいなと思ったら応援しよう!