手縫の服

手縫の服を丁寧に濯ぐ
繭の頃の記憶をたぐる
綺麗な昼光に晒されて
泥の星座が溺れていた
刺繍の裏側を観察する
縫い目の綻び解れ具合
緩やかな風の中に干す
何も考えていない空だ
手縫の服を丁寧に畳む
小さな棺の足元に蔵う

詩誌「Contemporary Poetry 十×十」1 P32 掲載

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