水引
思い震え芽生えやっと私は正直になれた
生き残りもの痩せ細ろい薄墨の影は白々
やつれ身を沼に沈めた
田圃冠水ブリキの玩具
曇り空には友が漂っていた
老人たちがひそひそと話し水引を外した
花火は何の前触れもなく打ち上がった
破裂音だけが心臓を震わせる
光はぼんやりと煙って行方不明だった
水際の記憶には帽子があった
本当の色がわからない
表層が燻んで濡れて夕暮れだった
田舎は大概命の味がした
畦道はぬかるみ蛙が少し騒がしい
そして私は嘘をついた
食べ残された温み肥え太り
鉛筆の芯は黒々
蜻蛉が水面を叩いた
棕櫚縄罅割れ錆びついた鎌
青い空にはなんにもなかった
子供たちが太陽を探し人差し指を焦がした
