勝ちパターンが記録されていない組織の弱さ
「今期の数字は悪くない。むしろ、エース営業のおかげで安定している。」
—そう言える状況は、多くの営業責任者にとって普通の日常です。
そこには、特定の個人の頭の中にしかない判断が隠れています。
その安定は、仕組みではなく、たった一人の記憶が支えているだけです。
「あの人がいないと回らない」は、本人の責任ではない
優秀な営業ほど、顧客の温度感を読み、絶妙なタイミングで連絡し、社内を動かして受注につなげます。
問題は、その判断の理由がどこにも記録されていないことです。
何を見て「今だ」と判断したのか、本人以外は誰も説明できません。
引き継ぎのたびに案件が止まり、売上予測が外れ、育成が毎回ゼロから始まる、というケースもあります。
これは、本人が特別だからではなく、勝ちパターンが組織の側に残っていないために起きることです。
属人化は、設計されなかった結果
「あの人がいないと回らない」という状態は、誰かの怠慢で生まれるわけではありません。
その人の判断を、組織の仕組みに翻訳する作業が、これまで行われてこなかっただけです。
どのタイミングで連絡したのか。
何を確認して次のステージに進めたのか。
どんな条件がそろったときに、案件を前に進めたのか。
こうした情報をCRMや営業プロセスに落とし込めれば、「あの人の勘」は「組織の標準」に変わっていきます。
特別な才能を、共有可能な手順に置き換える作業と言えます。
判断が記録される会社と、されない会社
優秀な人に辞められて困る前に、その人の判断が会社に残る状態をつくっておく、という順番が有効です。
これが、「あの人しか回せない会社」と「誰がやっても回る会社」を分ける設計の違いです。
明日、いちばん成績のいい営業に、直近の案件でどのタイミングで動いたのかを聞いてみる。
そこで返ってきた答えを、メモに残すことから始められます。
Consilegy編集部
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