自己顕示欲が最強の若手起業家 | ショートショート #03
若手起業家による新規事業発表の記者会見。
「まずは事業内容以外の質問を」という異例の要請があった。
記者が質問する。
「事業内容を伏せている理由は何ですか」
「私は常に世間を驚かせたい、喜ばせたい、目立ちたい。19歳で学生向けSNSを作った時から29歳の今まで、この気持ちは変わりません」
「今回の事業は海外にも展開予定ですか?」
「私がここ5年で始めた事業はすべて、海外展開しています。欧米メディアでは『時代のアイコン』と称賛され、TIME誌から二度目の表紙の話も……」
「そろそろ事業内容を、教えてください」
「いいでしょう。日本とオセアニアの間のヴァレロア島に、アジア最大級の国際空港を作ります」
おおっ、と記者たちがどよめく。
背後のスクリーンに、空港のパース画像が映る。
「期待の星として、海外でShooting Starとも呼ばれる私を象徴する空港名はこちらです!」
流 れ 星 空 港
「……え。ダサ」
静まり返った会場に、記者のつぶやきが響いた。
(416文字・ルビ含む)
おはようございます。
ぽていとぽたあとです。
質問には一応かすりながらも、ちゃんと答えずに自分語りを始める人っていますよね。
こちらの若手起業家の方も一見自信満々なようですが、すごく自信がない人なんでしょうね。
何を拗らせたら、あんな風になっちゃうんだろう。
え?
もちろん架空の人物ですよ?
今週も、毎週ショートショートに参加しました。
お題:流れ星空港
私の力不足で、流れ星をそのままでは調理ができませんでした。
ということで、「彗星のように現れ、急速に注目を集める人」という意味で使われる英語の「Shooting Star」を使ってみましたよ。
🥔・🥔・🥔
ほかにもショートショートを書いています。
よければお読みくださいね。
