7人分のごはん作りが教えてくれたこと。子どもも大人も心はずむ初夏の晩ごはん
こんにちは。料理家・管理栄養士の濱崎まゆこです。
普段、私がごはんを作っているのは3世帯7人分。夫、私の両親、そして近くに住む叔父と二人のいとこたちの食事です。
叔母(いとこたちの母)が亡くなったことをきっかけに、当時2歳と4歳だった2人を家族みんなで支えていこうということになり、私がごはんを作るようになりました。
いとこたちにごはんを作り始めて、気づけば5年。当時は保育園児だった2人も、今では小学4年生と小学2年生です。
日々こんなふうに台所に立っていますが、ありがたいことに私は仕事でも食に携わっています。
東京家政大学を卒業し、管理栄養士を取得。保育園の栄養士として子どもたちの食に関わり、現在は、栄養士を目指す大学生たちに栄養や料理を教えています。
食について学び、教える立場になった今でも、子どもの「食べる」は一筋縄ではいきません。
保育園での大量調理とも違い、家庭の食卓には一人ひとりの好みや気分、その日の体調まで関わってきます。
いとこたちも、昔は苦手だったズッキーニやにんじんが当たり前に食べられるようになったり、反対に昨日まで好きだった野菜も、違う調理法で出してみたら食べなくなったり。子どもの味覚の変化は本当におもしろく、日々のごはんづくりの中でたくさんの発見があります。
そんなわが家の今日のテーマは、「大人も子どもも心はずむ、初夏のワクワク献立」です。
「食べられた!」が増えていく。夏野菜たっぷりタコライス
日々のごはん作りの中で意識していることは、時々食卓にワクワクする仕掛けを作ること。そのひとつが「自分で選ぶ楽しさ」です。
タコライスの日は、大皿に並んだ具材を前に子どもたちの目が輝きます。「チーズをたくさんのせよう!」「今日はアボカドも入れてみようかな?」と、それぞれが思い思いに盛り付ける姿は、まるで小さなパーティー。自分で作った一皿は特別なようで、普段より食が進むことも少なくありません。

実はこのタコライスには、玉ねぎだけでなく、ズッキーニ、ピーマンなどの夏野菜もたっぷり入っています。細かく刻んでひき肉と一緒に炒めることで、野菜の甘みとうま味が全体になじみ、子どもたちも食べやすくなります。
苦手な野菜克服のポイントは、「まずは小さく切ること」、そして「子どもたちの好きな味になじませること」。
いきなり好きになってもらおうとするのではなく、「あれ、食べられた!」という小さな成功体験を重ねていくことが大切だと感じています。
いとこたちも、5年前は苦手だったズッキーニも今では気づかないうちにパクパク。そんな姿を見るたびに、子どもたちが一歩ずつ進めるような階段を作ってあげることも、ごはん作りの大切な役目なのだと思うのです。
材料(7人分)

半量を目安にお作りいただけます
合い挽き肉:500〜600g
玉ねぎ:1個
ピーマン:5個
オリーブオイル:小さじ1
にんにく・しょうが(みじん切り):各1片ずつ
トマト:1/2個
*ケチャップ:大さじ4
*ウスターソース:大さじ4
*しょうゆ:小さじ2
*味噌:小さじ1/2
*砂糖:小さじ2
*クミンパウダー:少々
*カレー粉:ひとさじ
塩・こしょう:少々
トッピング(セルフの具材)
温かいご飯:人数分
レタス:1 /4個
ピザ用チーズ:適量
トマト:2個分
アボカド:1個
きゅうり:1/2本
大人のお好み後がけ:チリパウダー、ハラペーニョ:お好みで
作り方
① 玉ねぎはみじん切りにする。ピーマンとズッキーニは1cm角ほどの角切りにする。


② フライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにしたにんにくとしょうがを弱火で炒める。香りが立ったら玉ねぎとひき肉を加え、色が変わるまで強火で炒める。

③ ピーマンとズッキーニを加えてさっと炒める。トマトはおろし器ですりおろしながら加え、*の調味料も加えて全体を混ぜ合わせる。塩・こしょうで味を調える。

ぐっと本格的な味わいに仕上がります
④ 野菜がやわらかくなり、味がなじんだら完成。大人用は取り分けた後、刻んだハラペーニョとチリパウダーを加えてさらにひと煮立ちさせる。
大人向けアレンジ🌶
辛味は後から加えることで、子どもはやさしい味わいのまま、大人はピリッと刺激的な味わいを楽しめます。

⑤ トッピング用の野菜を食べやすい大きさに切り、彩りよく盛り付ける。

食べやすさもアップします

初夏を彩る!ハニーオレンジのキャロットラペ

大人数分のごはんを作る日は、頑張りすぎない工夫も欠かせません。そんなわが家で活躍しているのが、スライサー。にんじんをどんどん削っていくだけで、バットいっぱいのラペがあっという間に完成します。
にんじんは好き嫌いが分かれやすい野菜ですが、オレンジジュースとレモン汁、はちみつを合わせると、まるでフルーツのような爽やかな味わいに。鮮やかなオレンジ色は、初夏の食卓にもぴったり。前日に作って冷蔵庫で冷やしておけるので、忙しい日の自分を助けてくれる存在でもあります。
材料(7人分)

半量を目安にお作りいただけます
にんじん:2本
∟塩(塩揉み用):小さじ1/2
豆苗:1/2パック
オレンジジュース(果汁100%):大さじ3
レモン汁:大さじ2
はちみつ:大さじ1
オリーブオイル:大さじ1
塩・こしょう:少々
大人のお好み後がけ:くるみ(お好みで)
作り方
① にんじんはスライサーで細めの千切りにする。
塩をふって軽くもみ、5分ほど置いたら水気をしっかり絞る。


② 豆苗は根元を切り落とし、長さを3等分に切る。ザルに広げて熱湯を回しかけ、さっとしんなりさせる。粗熱が取れたら水気をしっかり絞る。

③ ボウルにオレンジジュース、レモン汁、はちみつ、オリーブオイル、塩・こしょうを入れてよく混ぜる。にんじんと豆苗を加え、全体をしっかり和える。冷蔵庫で30分以上冷やして味をなじませる。


にんじんが苦手な子どもでも食べやすい味わいに
④ 子ども用はそのまま盛り付けて、オレンジの甘みが引き立つフルーティーな味わいに。大人用はお好みで砕いたくるみを散らし、香ばしさと食感をプラスして仕上げる。
大人向けアレンジ🥜
大人はくるみを加えることで、おつまみにもなる奥行きのある味わいが楽しめます。

いつもの魚料理にワクワクを♪ イワシとじゃがいものデリ風ピンチョス

魚料理を食卓に増やしたいと思いながらも、「今日はどうしたら食べてくれるかな」とよく考えます。そんな時にヒットしたのが、このイワシのピンチョス。
イワシにクリームチーズと青のりを挟んでこんがり焼き、ホクホクのじゃがいもと一緒に爪楊枝で留めるだけ。それだけなのに、子どもたちの目にはいつもの魚料理とは違って映るようで、「お店の料理みたい!」と言いながら手を伸ばしてくれます。
食べ方や見せ方を少し変えるだけで、食卓の景色も変わるものだなあと感じています。今年はイワシがお手頃価格なのもうれしいポイント。特別な材料は使わないのに、いつもの魚料理とは少し違うワクワク感があります。
材料(7人分)

半量を目安にお作りいただけます
新じゃがいも:2個(小〜中サイズ)
イワシ(三枚おろし):7枚
クリームチーズ:50g
青のり:小さじ1(じゃがいも用小さじ1/2、チーズ用小さじ1/2)
コンソメ(顆粒):小さじ1
有塩バター:5g
オリーブオイル:大さじ1
米油:適量
塩・コショウ、片栗粉:各適量
大人のお好み後がけ:レモン:適量
仕上げ用:爪楊枝(またはピック):14本
作り方
① 新じゃがいもは皮ごと輪切りにし、14枚用意する。フライパンにオリーブオイルを熱し、じゃがいもを並べて両面を香ばしく焼く。

② じゃがいもに火が通ったら、コンソメと青のり(小さじ1/2)をふりかける。仕上げに有塩バターを加え、全体に絡めるようにさっと炒めて取り出しておく。

③ イワシはキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取り、全体に塩・こしょうをふる。

④ クリームチーズと青のり(小さじ1/2)を混ぜ合わせる。イワシに等分にのせ、端からくるくると巻く。巻き終わったら全体に片栗粉を薄くまぶす。


⑤ フライパンに底が浸る程度の米油を熱し、イワシを巻き終わりを下にして並べる。全体を揚げ焼きにし、最後に蓋をして蒸し焼きにする。中までしっかり火が通ったら取り出す。

ポイント💡
きれいに焼く最大のコツは、巻き終わりを下にして並べ、最初に焼き固めること。崩れにくくなり、見た目も美しく仕上がります。
⑥ じゃがいもを土台にしてイワシをのせ、爪楊枝で留めて完成。子どもはそのまま、大人は仕上げにレモンを添える。

大人向けアレンジ🍋
仕上げにレモンをキュッと絞ると、クリームチーズのコクとイワシの旨味が引き締まり、初夏らしいさっぱりとした味わいが楽しめます。

7人分のごはん作りが教えてくれたこと
大人数のごはん作りは大変そうと思われることもありますが、私自身は、毎日の食卓の中にある小さな変化や成長を楽しみながら台所に立っています。
「これおいしいね」のひと言が増えたり、昨日まで苦手だったものを食べられるようになったり。反対に、昨日まで好きだったものを急に食べなくなることもあります。思いどおりにはいかないけれど、だからこそ面白い。
そんな変化や成長の一つひとつが、料理家としての学びになり、今日もまた台所に立つ力をもらっています。
これからも旬の食材を取り入れながら、大人も子どもも心が弾むようなごはんを作っていきたいです。
YouTubeでも詳しい作り方を動画にしていますので、ぜひこちらもご覧ください。
