ブラックホールの「影」は、ブラックホールそのものではない
ブラックホールの写真を見たことがありますか?
中央に黒い円があり、その周囲が明るく輝いている画像です。
しかし、あの黒い部分は単純に「ブラックホール本体を撮影したもの」ではありません。
ブラックホールそのものは光を出さないため、直接見ることはできません。
では、何が見えているのでしょうか。
重要なのが、
ブラックホールの周囲を通る光
です。
ブラックホールの強い重力によって、近くを通る光の進路は大きく曲げられます。
さらに、ブラックホールの近くには高温のガスなどが存在することがあります。
それらから放射された光が、強烈な重力場の影響を受けます。
その結果、観測すると中央に暗い領域が現れます。
これが一般に「ブラックホールの影」と呼ばれるものです。
ここで重要なのは、
「影」と「事象の地平面」は同じではない
ということ。
事象の地平面は、光さえ外へ脱出できなくなる境界です。
一方、ブラックホールの影は、強い重力によって光の経路が曲げられる効果などを含めて観測される暗い領域です。
つまりブラックホールの画像は、
「ブラックホールそのものを普通のカメラで撮った写真」
ではありません。
ブラックホールが周囲の光をどう変化させたのかを捉えた画像
なのです。
宇宙では、「見えないもの」を直接見るのではなく、
その周りで起きている現象から存在を確かめる
ことがあります。
ブラックホールは、その代表例です。
