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僕とタイトーと宇宙の侵略者と:老舗メーカーの歴史と名作にキャッチ・ザ・ハートされてみないか?の巻。

初めて触れたアーケードゲームは、近所の喫茶店のテーブル筐体で動いていた『パックマン』でした。迷路の中を軽快に動き回り、ドットを食べるあの黄色いキャラクター。しかし、その幸福な出会いからさらに遡ること二年前、日本を揺るがすような空前の大ブームを起こしたアーケードゲームがリリースされていました。

そうです。タイトーが放った歴史的一作、『スペースインベーダー(以下インベーダー)』です。

伝説となった「侵略者」

今となってはインベーダーにまつわる「伝説」を耳にしたことがある方は多いと思います。
例えば、売り上げが確実に見込めるため、全国にゲームセンターならぬ「インベーダーハウス」が乱立したという話。
ゲーム機から回収した100円玉があまりに重すぎて、運搬用のトラックがその重みで傾いてしまったというエピソード。
さらには、100円硬貨の供給が市場で追いつかなくなり、日本銀行が急遽60億円を超える硬貨を増産したという都市伝説めいた逸話まで。

これらがどこまで真実で、どこからが誇張なのかは僕には分かりません。しかし、それが単なる娯楽の枠を超え、一つの社会現象として日本中を熱狂させていたことは事実だったそうです。

「だったそうです」と他人事のように書いてしまったのは、実は僕、その当時はまだ5歳くらいで、ブームの真っ只中を肌で感じていたわけではなかったからです。当時の記憶としてうっすら残っているのは、親戚のお兄ちゃんが夢中で読んでいた漫画『ゲームセンターあらし』の激しい描写や、近所の子供たちが被っていたインベーダーの刺繍入り野球帽(通称インベーダーキャップ)、そして当時は20円くらいで回せたガチャガチャの中にあった、少し安っぽい塩化ビニル製のインベーダー消しゴムくらいのものでした。

家庭用ゲーム機への「再襲来」とゲーム業界に与えた影響

実際に僕が自分の手でインベーダーをプレイしたのは、ファミコンへの移植版でした。それが1985年のことですから、アーケードでの爆発的な流行からすでに7年もの歳月が流れていたことになります。当時の僕は、かつて日本を席巻した「侵略者」を、家庭用ゲーム機とブラウン管テレビを通して初めて知ることになったのです。

このインベーダーが業界に与えた影響は、単にタイトーという一企業の成功に留まりませんでした。その圧倒的な人気にあやかる形で、タイトー以外の多くの企業が続々とアーケード業界に参入したのです。インベーダーのキャラクターやルールを少し変えただけの「コピー商品」や「クローンゲーム」が大半だったようですが、当時はまだ著作権の概念が現在ほど厳格ではなかった時代。そうして生まれた利益を元手に企業としての基盤を築き、今では誰もが知るあの大手メーカーへと成長を遂げた会社も少なくありません。もしインベーダーがなければ、今のゲーム業界の地図は全く違うものになっていたかもしれません。

初代のブームには間に合わなかった僕ですが、その後に続くインベーダーシリーズにはしっかりとハートを「捕獲」されました。特に『リターンオブザスペースインベーダー』や、スタイリッシュな演出が光る『スペースインベーダーエクストリーム』にはかなりの時間を費やしました。今でもふとした瞬間に思い出したようにプレイすることがあります。余計な説明を排し、ただ撃って避ける。この短時間でサクッと遊べて、かつ奥が深いというシンプルさこそが、インベーダーが持つ時代を超えた魅力なのだと感じます。

記憶に刻まれたタイトーの名作たち(3選)

さて、タイトーというメーカーについて語り出すと、インベーダー以外にも僕の心に深く刻まれたタイトルが次々と浮かんできます。ここでいくつか、僕のゲーム人生を彩った思い出深い作品をご紹介させてください。

まずは『影の伝説』です。横スクロールの画面を、森や城を疾走しながら刀を振り回し、敵忍者が放つ無数の手裏剣を「キンッ!」という音とともに弾き飛ばす爽快感。常人離れした跳躍力で飛翔する姿に、当時の僕はゾッコンでした。ファミコン版ではパワーアップ要素などのアレンジが加わり、さらに遊びやすくなっていました。ただ、一つだけツッコミを入れたいのは、ヒロインの霧姫様!苦労して救出しても、ステージが変わるとまたすぐに連れ去られてしまう。あのデジャヴ感は「ゲームヒロインあるある」の先駆けだったのかもしれませんね。

次に、アーケードの筐体で夢中になった『チェイスHQ』。スピーカーから流れる「ナンシーより緊急連絡!」という無線の音声を聞くだけで、今でも当時のゲームセンターの空気を思い出します。ターボを積載したスーパーカーを操り、逃走する犯人の車に文字通り「ガンガンぶつかって」制圧するという、それまでのレースゲームの常識を覆すバイオレンスなシステム。映画『リーサル・ウェポン』や『ラッシュアワー』のようなバディものでもあり、ストレスを吹き飛ばすには最高の一作でした。そして何より、ノリの良いBGMが、追跡劇の緊張感をこれ以上ないほど盛り上げてくれました。

そして、もう一つだけ!LD(レーザーディスク)ゲームというジャンルで人気を博した『タイムギャル』です。流麗なアニメーションの中を突き進むSFストーリーで、主人公のレイカはどこか『うる星やつら』のラムちゃんを彷彿とさせる愛らしさがありました。 システムは、流れる映像に合わせてタイミングよくボタンや方向キーを入力する、いわば究極の「覚えゲー」です。高い記憶力と反射神経が求められるハードなゲームでしたが、この作品の真の見どころは、実は「ミスした時の演出」にありました。レイカが敵にやられたりトラップに掛かったりする際、コミカルながらもどこかセクシーなやられっぷりが描かれるのです。「やられてもちょっと嬉しい」というのは大発明ですよね!

老舗メーカーへの変わらぬ愛

僕にとってタイトーは、単なる懐かしの老舗メーカーではありません。50歳を過ぎた今でも、Nintendo Switchの『タイトーマイルストーン』シリーズを起動すれば、往年のアーケードゲームたちが鮮やかに蘇ります。また、『タイトーLDゲームコレクション』のおかげで、100円玉の減りを気にすることなく、心ゆくまでレイカのやられっぷりを鑑賞...もとい、攻略に勤しむことができます。

もし、この記事を読んでいる若い世代のゲーマーさんがいたら、ぜひ一度、タイトーの名作群に触れてみてください。そこには最新のフォトリアルなゲームとはまた違う、ドット絵の一つひとつに込められた職人魂と、シンプルイズベストな娯楽の本質が詰まっています。

一度プレイすれば、あなたもタイトーに「キャッチ・ザ・ハート」されること間違いなしですぞ!

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