マツモトキヨシからみる「地子」と「旦那衆」がこれからの政界を作っていくトレンド
かつて松戸に、一人の薬局経営者がいた。
後にドラッグストア「マツモトキヨシ」の礎を作り、その後、市政にも入り都市づくりを進めた人物――松本清である。
彼は単なる企業経営者ではなかった。
地域で商売をし、地域住民の生活を見続け、街の課題を当事者として知っていた。
だからこそ、
「商売だけ成功すればいい」
ではなく、
「街そのものを良くしないと意味がない」
という方向に動いた。
ここに、これからの地域政治のヒントがある。
■ 旦那衆と地子が街を作っていた時代
昔の地域には「旦那衆」と呼ばれる存在がいた。
商売で成功し、地域に雇用を生み、祭りや学校や福祉にも関わる人たちだ。
そして彼らの多くは、その土地から逃げられない「地子」でもあった。
自分も家族も、この街で生き続ける。
だから短期の利益ではなく、街の未来を考える。
松本清もまた、その系譜にいる人物だった。
■ なぜ今、その流れが減ったのか
現代では成功した経営者ほど、
・どこにでも移住できる
・仕事は場所に縛られない
・都市に依存しない
という環境にいる。
つまり、
「街がどうなっても自分は困らない」
成功者が増えてしまった。
結果として、地域には
プロジェクトをやる人は来るが、
最後まで責任を持つ当事者が減っている。
■ これからは「壊して作り直す政治」の時代
人口減少社会では、
・維持できない公共施設
・機能しない制度
・古いインフラ
をそのままにはできない。
誰かが
「これはやめる」
「作り直す」
「別の形に変える」
と決断しなければならない。
当然、反発も起きる。
だからこそ、
逃げずに責任を持てる人、
そして実行力を持つ人が必要になる。
■ 松本清型リーダーの再登場
これから必要になるのは、
政治家になるために政治をする人ではなく、
地域を良くするために政治にも関わる人だ。
事業で結果を出し、
地域から逃げず、
次世代の街に責任を持つ人。
つまり、
地子であり、旦那衆である人間。
松本清のように、
商売と行政を分けず、
街全体を自分事として動かせる人。
そうした人たちが再び地域政治に関わり始めたとき、
日本の地方都市はもう一度動き出すのかもしれない。
そしてそれが、次の政界トレンドになる可能性がある。
