判断フレーム①:「良い銘柄」と「今買う銘柄」は別である
良い会社なのに、買わない。
一見すると、矛盾しているように見えます。
でも私は、
この2つを分けないほうが危ないと思っています。
投資の話をしていると、
すぐに「その銘柄は良いのか」という話になりがちです。
けれど、
実際の売買はその問いだけでは決まりません。
良い会社だと思っても、買わないことはある。
逆に、
悪いとまでは言えなくても、
今は見送ることがある。
このズレを分けて考えないと、
判断はすぐに雑になります。
良いと思っても、買わないことはある
これは、
逃げでも言い訳でもありません。
実際、
良い決算が出ていても買わないことはあります。
業績が伸びていても、
すでにかなり上がっていれば見送ることがある。
会社として悪くなくても、
今の自分の資金配分では入れないこともある。
買ったあとに持ち続けるかどうかも、
また別問題です。
つまり、
「良い銘柄かどうか」と
「今ここで買うかどうか」は、
同じ問いではありません。
ここを一緒にすると、
判断がぶれます。
「良いのだから買うべきだ」
に寄りやすくなるからです。
でも実際の売買は、
そんなに単純ではありません。
銘柄評価と売買判断は、同じではない
銘柄を見るとき、
私は当然、その会社の中身を見ます。
業績。
財務。
成長性。
割安かどうか。
市場でどう評価されているか。
でも、
売買判断はそれだけでは決まりません。
そもそも、
株価は会社の中身だけで動くものではありません。
市場参加者の期待や不安。
需給。
その場の思惑。
そういうものが重なって動きます。
だから、
良い銘柄だから上がる、
というほど単純ではない。
自分の分析や都合だけが、
そのまま通る世界でもありません。
だからこそ、
実際にお金を入れる場面では、
別の条件が入ってきます。
今の株価水準はどうか。
何を根拠に入るのか。
その根拠は、
今も生きているのか。
他の候補と比べて、
優先順位は高いか。
資金を追加する余地はあるか。
自分のルールに沿っているか。
つまり、
銘柄評価は「対象を見る作業」で、
売買判断は「自分の条件に当てる作業」です。
この2つは近いようで、
かなり違います。
ここを混同すると、
「良いと思ったから買う」
「上がっているから乗る」
という短絡に流れやすくなります。
私が見ているのは、「正しさ」より「条件」である
投資を続けていると、
正しい銘柄を当てたい気持ちはどうしても出てきます。
でも、
現実の売買は、
正解探しだけでは回りません。
大事なのは、
その銘柄が優れているかどうかだけではなく、
今の自分がその銘柄をどう扱うべきかです。
買うのか。
見送るのか。
持ち続けるのか。
買い増すのか。
手放すのか。
ここには、
その銘柄の良し悪しだけではなく、
自分の資金、
ルール、
タイミング、
他候補との比較が入ります。
要するに、
私は「良い銘柄」を探しているというより、
「今の条件で扱える銘柄」を見ています。
実際、
損切りしたあとに株価が上がったこともあります。
だからこそ、
結果と判断は分けて見ないといけないと思っています。
結果だけを見れば、
損切りは間違いに見えるかもしれません。
でも、
その時点で何を見て、
どう判断したのかは別です。
私はそこを分けて残したいと思って、
このシリーズを書いています。
この視点がないと、判断ログはただの結果論になる
このシリーズでは、
買う判断も書きます。
見送る判断も書きます。
持ち続ける判断も、
やめる判断も書きます。
それらを
「当たったか外れたか」
だけで読むと、
たぶん何も残りません。
でも、
「その時、何を条件として判断したのか」
で読むと、
見え方はかなり変わります。
損切りしたあとに上がったとしても、
その時点の判断が雑だったとは限らない。
見送ったあとに上がったとしても、
その時点では見送る理由があったかもしれない。
逆に、
損失の大小よりも、
ルール確認を飛ばしたことのほうが問題な場合もあります。
判断ログというのは、
結果を美化するための記録ではありません。
その時の条件と、
そこから何を学んだかを残すための記録です。
私はそういうつもりで、
このシリーズを書いています。
だからこのシリーズは、「正解探し」とは少し違う
このシリーズで書いていきたいのは、
銘柄の正解ではありません。
「どの株が良いか」を断定することでもありません。
そのとき、
何を見て、
どう切り分けて、
どう判断したかです。
良い会社でも、見送ることはある。
良い決算でも、
買い増さないことはある。
上がっている株でも、
入らないことはある。
下がったからといって、
すぐに間違いとも限らない。
つまり、
銘柄評価と売買判断は別です。
私はこの2つを分けて考えるようになってから、
少なくとも
「良さそうだから買う」
「上がりそうだから入る」
という雑な判断は減りました。
だからこの先の判断ログも、
「良い銘柄だったか」より、
「その時どう扱ったか」
という目線で読んでもらえると、
伝わり方はかなり変わるはずです。
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