AI時代、リファラル(紹介)マーケティングは「集客」ではなく「CRM」になる
invy事業部で事業責任者を務めております、林田です。
最近ずっと思っていることがあります。
それは、
"「リファラルマーケティング=紹介で新規顧客を獲得する施策」という説明だけだと、もう少し違うよな"
ということです。
そもそもリファラル(紹介)マーケティングとは何か?
ものすごくシンプルに言えば、既存のお客様に友人や知人を紹介してもらい、その紹介をきっかけに新しい顧客を獲得するマーケティング手法です。
私が事業部長を務めている「invy(インビー)」も、サービスリリースから10年近く、この「紹介によって新規顧客を増やす」という思想を軸にプロダクトを運営してきました。
・既存のお客様に紹介してもらう
・紹介された友人が商品やサービスを知る
・その友人が来店したり、サービスを購入する
・その友人が、また他の誰かを紹介する
そんな理想的な循環を作っていけるのがリファラルマーケティングであり、「invy」の価値だと定義していました。
実際、以前のinvyでは、
「お友達紹介を科学し、理想的なビジネスサイクルをつくる」
というミッションを掲げていました。

この考え方自体は、今でも間違っていません。
でも、invyという事業を見ながら、クライアントのマーケティング課題やCRMのデータを日々見ていると、少しずつ違和感が出てきたんですよね。
それが冒頭の、
「紹介って、本当に新規顧客を獲得するためだけのものなのか?」
という問いです。
新規顧客を取り続けるだけでは、どんどん苦しくなる
マーケティングをやっている方であれば、この感覚はあると思います。
新規顧客の獲得コストは上がっています。
広告を出せば簡単に顧客が増える、という世界ではない。SEO、SNS、広告、ウェビナー、展示会……あらゆるチャネルを組み合わせながら、新規顧客との接点を作らなければいけない。
もちろん新規顧客の獲得は重要です。
事業を成長させる以上、ここを止めることはできません。
でも、ここで一つ疑問があります。
新規顧客を獲得することばかりにお金を使い続けて、本当に事業は強くなるのでしょうか?
私は、これから重要になるのは、
「どうやって新規顧客を取るか?」
だけではなく、
「今いる顧客をどうグリップするか?」
だと考えています。
そして、この「既存顧客を理解する」という文脈で考えたとき、紹介という行動がめちゃくちゃ面白いんですよね。
紹介した、という「事実」そのものに価値がある
例えば、自社の商品を毎月購入してくれている顧客がいるとします。
CRMを見れば、
購入金額はいくらなのか?何回購入しているのか?最後に購入したのはいつなのか?
こうした情報は分かります。
では、その顧客が、
「先週友人を紹介している」「直近1カ月で3人紹介している」「紹介した3人のうち2人が購入している」
という事実はどうでしょう。
これ、かなり重要な顧客情報ではないでしょうか?
少なくとも私は、とても重要な指標だと考えています。
自分がお金を払って商品を購入するだけではなく、わざわざ友人におすすめし、その友人まで顧客として連れてきているわけですよ?
これまでのCRMでは、基本的に「その顧客自身がどれだけ買ったか?」を中心に顧客価値を判断していました。
でも、それだけだと見えない価値がある。
例えば、
Aさん:年間10万円購入、紹介実績なし
Bさん:年間1万円購入、3人紹介、その紹介から15万円の売上発生
という2人がいたとします。

購入金額だけを見ると、Aさんの方が優良顧客ですよね。
でも、事業全体への売上貢献度まで考えると、Bさんの見え方は一気に変わります。
「あれ、Bさんの方が15万円の売上貢献しているのでは?」と。
つまり、
「顧客自身がいくら買ったか?」だけではなく、「その顧客が周囲にどれだけ売上を生み出したか?」まで見る。
これが、リファラルデータの面白いところです。
だからinvyは2026年にミッションを変えた
こうした背景もあり、invyでは2026年にミッションを変更しました。
以前は、
「お友達紹介を科学し、理想的なビジネスサイクルをつくる」
でした。
現在は、
「リファラルデータでCRMを再定義し、事業成長を加速させる」
です。

結構、大きく変えています。
なぜ変えたのか?理由はシンプルで、紹介数を増やすこと自体をゴールにするのではなく、紹介から生まれるデータを使って顧客をもっと理解したいからです。
・紹介日時
・紹介回数
・紹介された友人の数
・そのうち何人が購入・来店したのか
・紹介経由でいくら売上が生まれたのか
こうした情報をCRMの中に入れていく。
すると、
「直近30日以内に紹介している」「紹介回数が3回以上ある」「さらに紹介相手のCV率も高い」
という顧客を抽出できます。
これって要は、
「この人、かなり自社のこと好きですよね?」
という状態を、感覚ではなくデータで判定できるということです。
店舗のスタッフが、
「あのお客様、いつもお友達を連れてきてくれますよ」
と言っていた世界を、データとして可視化できる。
私はここに、リファラルマーケティングの次の可能性があると思っています。
AIが入ると、リファラルデータはさらに面白くなる
そして、ここでAIです。
AI時代において重要なのは、単に「AIで作業を効率化できます」という話ではないと思っています。
データが大量に存在したときに、
「で、このデータから何が分かるんだっけ?」
を人間だけで考える必要がなくなったことの方が大きい。
例えば、
「購入金額は低いけど、紹介売上が大きい顧客は誰?」
「最近紹介頻度が落ちている優良顧客は?」
「どんな顧客が紹介すると、友人のCV率が高い?」
「この顧客には次にどんなコミュニケーションを取るべき?」
こんな分析をAIと一緒に行えるようになる。
もちろん、AIにデータを渡せば勝手に売上が上がる、なんて話ではありません。
大事なのは、
「どんな顧客を見つけたいのか?」
という問いをこちら側が持つことです。
AIもリファラルデータも素材です。
その素材を使って、誰を大切にするのか?誰との関係を深めるのか?どんな顧客体験を作るのか?
ここを考えるのは、結局人間です。
これは、CRHとしてAIに向き合うときの考え方とも大きくズレていないと思っています。
「紹介を増やす」から「紹介した人を理解する」へ
ここまで書いてきましたが、私が言いたいのはシンプルです。
これまでのリファラルマーケティングは、
「どうやって紹介数を増やして、新規顧客を獲得するか?」
が中心でした。
これからは、それだけではない。
「誰が紹介してくれているのか?」
「その人は事業にどれだけ貢献してくれているのか?」
「その人と、これからどんな関係を作っていくのか?」
まで考える。
詰まるところ、
"リファラルマーケティングは、新規集客の手法から、既存顧客を理解するためのCRMへ変わっていく。"
私はそう考えています。
新しい顧客をどう取るか?は、もちろん重要です。
でも、広告費を使い、新規顧客を集め続けるだけではなく、
「今、自社を好きでいてくれる顧客は誰なのか?」
「その顧客が、自社の成長にどんな影響を与えているのか?」
をもっと見る。
AIによって顧客データの分析が簡単になっていく時代だからこそ、逆にこの視点は重要になるはずです。
紹介を増やすことから、紹介という行動を通じて顧客を理解することへ。
invyも、「紹介キャンペーンを実施するためのツール」で終わるつもりはありません。
リファラルデータを起点に、
"既存顧客をどうグリップし、どう事業成長に繋げるのか?"
そこまで踏み込めるプロダクトにしていきたいと思っています。
今回触れた「リファラルデータ」を実際のマーケティングやCRMに活用するためのサービスが、私たちが提供している invy(インビー) です。

invyでは、既存顧客からの紹介を促すキャンペーン設計だけではなく、
誰が、いつ、何人紹介したのか
その紹介から何人が購入・来店したのか
紹介によってどれだけ売上に貢献したのか
といったリファラルデータを可視化できます。
単に「紹介数を増やすツール」ではなく、紹介という行動から優良顧客を見つけ、CRMや次のマーケティング施策に繋げていく。
そんなプロダクトを目指しています。
リファラルマーケティングや、既存顧客を起点としたCRMに興味がある方は、ぜひinvyもチェックしてみてください。
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