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【四国108箇所歩き遍路1(阿波)】#09 別格4番鯖大師本坊(2016年2月)

これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所(八十八ヶ所および別格二十霊場)歩き遍路の記録である。


日和佐駅から再スタート

昨年末はじめてのお遍路を、23番札所薬王寺を打ってJR日和佐駅で歩き終えたわたしに先達さんは、「そのときが来れば、またお四国から呼ばれます」と仰ってくださったが、2か月待たずにわたしは再びお四国から呼ばれた。

前泊した民宿ゆき荘のご主人に車で送っていただき、JR日和佐駅の前に降り立つ。前回から駅前の景色は全く変わっていない。ひとつ深呼吸して歩き出す。と、いきなり物陰から現れた男性から、「お接待です」と大きな八朔を2つ差し出された。歩き始めてほんとうに1分も経っていなかったのと、今まで道を歩いていてお接待を受けたことがなかったのでとても驚き、納め札にまで気がまわらず口頭でお礼だけ言って受け取った。そう言えば、前回はほぼ誰かと一緒に歩いており、街中をひとりで歩いたことがなかった。

いただいた八朔を背中のザックと白衣のファスナー付の前ポケットにひとつずつ入れて、歩き出す。大きく膨らんだポケットの重みでお遍路スイッチが入る。しばらくはお店が点在する国道55号線を道なりに直進した。道沿いの畑で山羊が草を食んでいた。小さい奥潟トンネルを越えてしばらくすると民家も何も無くなったが、片側一車線の国道には歩道もあったので、ガードレールのある方の歩道を西へ西へと進んだ。

日和佐トンネル山河内トンネルと越えるが、交通量がさほど多いわけではなく、歩道に緑色の太い線がひいてあるので歩きづらさは感じない。背にはザック、前には山谷バッグ、両手は手ぶらでひとり黙々と歩いた。

国道55号線の日和佐トンネル
すぐ手前にヘンロ小屋もある


まずは小松大師を目指す

日和佐トンネルから6km程度で、右側に小松大師へと下る遍路道の入口が現れるはずだった。見落としてはいけないとだんだんドキドキしてくる。すると、右側に下る幅1mくらいの階段が現れた。手摺りが途切れた先は右下の林の中へと伸び、ピンクテープがある。しかし、遍路札も遍路シールもない。下ってみる。これが道といえるのかというような踏み跡。誰も通らないのでひとに聞くこともできず、行ったり来たりして悩む。さんざん繰り返した末に、やはり違う気がして国道に戻った。

さらに進んで、緩やかな上り坂が下り坂に変わり、道が大きく左に右にカーブしてもういちど左にカーブする国道を歩いていたら、『鬼ヶ岩屋』という温泉の入口を指す巨大な立て看板が現れた。そして、その100m先に待望の遍路シールがあった。ピンクテープから30分近く経っていた。今回もわたしの距離感はジャスト1.5倍増し。

しかし、ひとまず見落とさなかったことに安堵して、遍路シールに従ってガードレールのある幅広の坂道を下った。しばらく畑?の間を歩き、竹藪が迫る山道のようなところを歩き、民家が現れ、再び国道55号線に出たので右に曲がろうとしたところ、『小松大師すぐこの上』という白い看板が目に留まった。

小松大師

小松大師をお参りしたら、再び国道55号線を道なりまっすぐ進む。国道なので間違えようもないうえに、国道とは思えないほどのどかな道が続く。牟岐橋の辺りでは鴨の群れが泳いでいたので、思わず川を覗き込んで見物した。

鴨が泳いでいる


なおも進むうちに単調な景色についつい意識が飛び、考え事をしながら歩いていた。そして、JR牟岐駅の次の信号で直進して旧街道の遍路道を進もうと思っていたのに、道なりそのまま国道55号線を進んでしまった。白い比較的大きな喫茶店亜梨巣が現れてはじめて我に返り、ここでお昼にすることにした。

考えたら4時間半、まともな休憩をとっていなかった。広い店内は地元客で賑わっている。たくさんあるソファ席のひとつに腰をおろし、いつも通りテーブルの下で靴を脱いで足を乾かしながらランチとした。ピラフが美味しかった。それ以上にお店の人の距離感が絶妙で感じよかった。

行き過ぎて、引き返して、大坂峠遍路道

昼食後は、八坂トンネルを迂回する大坂(逢坂)峠遍路道を目指す。そのためには本来の遍路道に戻らなくてはいけない。が、国道55号線を直進したわたしは牟岐トンネルをくぐったあとで、そのまま国道を直進し続け、迂回するはずの八坂トンネルをくぐり、目の前に内妻海岸が見えてはじめて後ろを振り返り、大坂峠をスキップしたらしいことに気づいた。すぐそばで道路工事をしていたかたに大坂峠への行き方を尋ねるがわからない。海岸に下りてみるが、それらしい上り口は見えない。しかし、さすがに大坂峠は諦められない。黄色い地図のコピーを確認し、もういちど来た道を戻った。

1.3km近く戻って、牟岐トンネルの手前の信号のところにあるローソン牟岐町中村店の後ろの坂道を登っていくと、右手に大坂峠の入口を示す看板があったので、木の階段を上がり、ようやく遍路道に入ることができた。
(Google MapsのGPSを使えばもう少しショートカットできたのだが、この頃のわたしはアナログだったので、アバウトな黄色い地図による確実なルートはローソンの後ろだった)

大坂峠の入口
首を何度も落とされたという草鞋大師
大坂峠を下る
内妻海岸
付近にはサーファー向けの民宿が点在する

 
遍路道(山道)に入ってしまえば、大坂峠はとても歩きやすい道だった。2.5km余計に歩いても、戻って良かったと思った。

松坂峠遍路道からスリリングな古江浜へ

大坂峠の遍路道を抜けた後、いったん国道55号線に出て、今度は内妻トンネルを迂回する松坂峠遍路道を進んだ。これがちょっと凄かった。松坂峠を下るところまでは歩きやすい普通の山道だったのだが、遍路札に導かれるまま前へ進むと、満潮に近い時間帯だったせいもあると思うが、古江浜からそのまま波打ち際の岩場を越えるかなりスリリングなルートになった。

さすがに岩場には遍路札がないので、これで合っているのか不安を抱きながら、左から波しぶきを被るぎりぎりの岩場を進んだら、岩場の向こう側は砂浜につながっており、遍路札が見えた。遍路札に従って砂浜を進むと、浜の奥から国道に出ることができてほっとした。満潮だったら引き返すしかなかっただろうし、雨や風の強い日でも危なかった。

松坂峠の入口
内妻トンネルの手前から
松坂峠
古江浜

いよいよ別格4番鯖大師本坊へ

その後海陽町の福良バス停の先で海沿いの遍路道に入り、八坂八浜の海水浴場のそばを通ってふたたび国道55号線に出たら、前方に鯖大師を示す大きな看板が見え、横断歩道を渡って坂を下り、JRの高架をくぐった向こうに別格4番鯖大師本坊があった。

八坂八浜の遍路道
舗装された車道
別格4番鯖大師本坊の入口
四国霊場お砂踏み修行道場

鯖大師本坊は小さな境内に、鯖を手にした大きな大師像があり、本堂、大師堂のほか、観音堂やお砂踏み道場まであり、さらに宿坊が併設されていた(宿坊はその後閉業)。

今回別格霊場をはじめてお参りしたのは、わたしの歩き遍路のバイブルである歩き遍路情報のサイトで、この鯖大師の護摩供養が評判だと知ったからで、護摩供養は宿坊に泊らないと参加できないらしかった。

ということで、八十八ヶ所用の納経帳しか持っていないわたしは、参拝後、八十八ヶ所用の後ろの余白ページにお納経をいただいて、そのまま宿坊の玄関へと向かった。

ちなみに、最後の八坂八浜の遍路道を通らず、国道55号線をもう少し先に進み、福良トンネルのすぐ手前を右に八坂八浜土佐浜街道の遍路道に入ると、山道を経由して鯖大師境内の多宝堂の前に出るらしい。この道が、真念の『四國遍禮道指南』にある福良坂ではないだろうか。

もちろん、日和佐から国道55号線を一直線に進んでも、小松大師と鯖大師本坊の参拝はできるし、その方が安全かつ早い。


【参考URL】
海天気
海のスポットの向こう14日間の天気および満潮・干潮時刻等を知ることができる。内妻の情報も載っている。


【コースタイム(実際、一部時刻不明)】



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