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【四国108箇所歩き遍路3(伊予)】#09 小田から落合(2025年9月)

これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所歩き遍路の記録である。



今日は農祖峠を越えて久万高原に入る日。

宿の女将さんに今日の道について相談したら、農祖峠はほとんどが良い道なのだが、数年前に作業用のダンプカーが入って以降、久万高原に出る最後の1kmが非常に荒れており、昨日の雨の後でもあるから、距離は長くなるが国道を歩いた方がよいと言われた。
農祖峠の最後が荒れているという話は、どなたかのブログでも見掛けていたので、女将さんのアドバイスに従い、国道380号線を行くことにした。

ちなみに、昨日の雨でできた足の指のまめは、昨晩のうちに針で水を抜いて絆創膏で封印しておいた。
同じく部屋の衣紋掛けに掛けて干したつもりになっていた衣類は、残念ながら乾いていなかった。冬であれば暖房で乾くところが、中途半端に蒸し暑い季節は暖房を使わないので乾かなかったのだ。
仕方がないので、衣紋掛けを部屋の隅からエアコンの前に移動し、暖房をかけて、出発ぎりぎりまで乾かした。ミーレのドライナミック・メッシュ・タンクトップがまだ少し湿っていたが、歩き出せば体温で乾くだろう。

そして、玄関で靴を履こうとして思い出した。
昨日靴も浸水して濡れたのに、乾かすのを忘れていた・・・。
素知らぬ振りして靴を履き、女将さんに見送られて出発した。(7:55)

お宿の前のバス通りを左へ進み、国道380号線にぶつかったらさらに左(西)へ進む。良いお天気だ。
しばらく歩くと、綺麗な休憩所が見えた。道の駅小田の郷せせらぎだった。(8:11)

道の駅 小田の郷せせらぎ

歩きだして30分も経っていなかったが、お天気が良いので靴を脱いで乾かすことにした。中敷きを出して水分を絞り、陽に向けて90°の角度になるよう立て掛けた。靴と靴下と綿ガーゼのタオルも干した。
屋根の下のベンチに裸足で腰掛け、地図を見たり、LINEをしたり、時々靴や中敷きの向きを変えたりして30分もすると、足も靴の中敷きもすっかりきれいに乾いた。何事も気合だ。

さぁ、目指すは久万高原。道の駅を出て国道を進むと、しばらく集落が続き、5km歩いて集落がなくなったところで、小田休憩所が現われた。
伊予路周辺案内図という大きな看板があり、次の休憩所まで7.5km、さらにその次の休憩所まで6kmであることを確認して、この休憩所はスルーすることにした。

まだ5km、小田休憩所は通過
伊予路周辺案内図


晴れているだけで、こんなにも違うものか。
片手が空いているのがまず違う。平地で金剛杖は必要ないので、突かずに横にして持てばスイスイ歩ける。写真を撮りたくなったら、もう片方の手でさっとスマホを取り出せる。
また、いざとなったら、いつでも道端にザックを降ろして休憩できるという安心感も違う。
陽射しがキツイと言っても真夏ほどではないので、菅笠を被ってフェイスカバーをしていれば涼しさもある。

と調子良く歩いていたが、道の駅から1時間近く経つと暑さでバテバテになり、道端に坐りこんでしまった。昨日内子を出たところで買ったフローズンレモンを口にするが、最初から凍っていなかったし、冷やしてもいなかったので、お世辞にも美味とは言えない。
代わりにお宿のウォーターサーバーのお水を空のペットボトルにいただいてきていたので、そちらを少しだけ飲む。これは多少ぬるくても美味しい。

再び立ち上がって歩き出すとすぐに休憩所が見えた。さきほどの伊予路周辺案内図には載っていなかった休憩所だ。そばに、『5.7km先休憩所』の標識。これは休憩所ではないのか?

休憩所のような建造物


さらに1時間近くで、ようやく三島神社が見え、ほっとした。(10:44)

三島神社

三島神社までで10kmだ。国道380号線は、ここからしばらく長く激しいヘアピンカーブが続く。
従って、この先は遍路道で抜ける
約5分で遍路道の入口が見えてきた。

急カーブの手前に遍路道の入口
突き当たりの木立のあいだ

実は昨晩は夜中に目が覚め、眠れないのでスマホで延々歩き遍路ブログを見ていた。
そのなかに、歩いてお遍路をしながら、お接待を受けたらつど短冊色紙に筆で絵手紙みたいなものを描いてお礼に差し上げているというスゴイ人のブログがあった。
そして、まさにここが写真入りで紹介されていたので、見えた瞬間にすぐ遍路道の入口だとわかった。
そのかたは、なぜかこの道を進んだ後またこの場所に戻ってきてしまい、もういちどこの道を歩き直したとあり、そんなことがあるんだぁと昨晩は思ったが、このときは、すっかり忘れていた。

遍路道は、それなりに急ではあったが、変化に富む楽しい遍路道だった。20分弱で車道に出た。

遍路道から車道に出たところ
要注意ポイント

車道に出るところのガードレールに、斜め前へ進めとの遍路シールがあったので、ハイ、車道を進むのね、と車道を右に進んだ。
ぐんぐん下る。下りは早い。道は大きくカーブしながらどんどん下る。
約20分後、わたしは見覚えのある、最初の遍路道の入口の前に立っていた・・・。(11:36)
ショックが大き過ぎる。40分のロス。

と言っていても仕方ないので、再度遍路道を登った。
15分後、再度車道に出て、今度はよくよく周囲を確認した。
そして、斜め前方を指していた遍路シールが、車道の向こう側の草むらに立つ細い石の道標を指していることに気づいた。

石の道標を、のぞき込んで見た図
左側に、遍路道から車道に出たところがある

近寄ると、道標には農祖峠経由遍路道とあり、すぐそばに、なぜか裏向きに遍路札があった・・・やられた。
ただ、この2つめの遍路道は歩きやすかった。いくらでも歩けそうだったが10分でまた車道。国道380号線だ。右へ進む。
今度は、これが国道かと疑いたくなる細い車道の途中に畑峠遍路道への入口があった。

国道380号線
バラック小屋のすぐ手前に畑峠遍路道への入口が見える


ここから鴇田峠につながることは知っていたが、荒れていて迷うと評判で、無事通り抜けたという話を聞かない道なので、これはスルーする。さらに進むと、急に道が広くなり、ようやく真弓トンネルと休憩所が現われた。

真弓トンネルの入口と真弓休憩所

遍路道の振り出しに戻るミスのおかげで7.5kmに3時間20分もかかってしまい、カラダというより心が疲れたので、休憩所で少し頭を冷やした。
少し休んで気を取り直し、トンネルを抜ける。(12:48)

トンネルを抜けるとそこは久万高原町で、20分もすると再び集落が現われ、そこから伊予鉄南予バスのバス停が続いた。しかし、バスは土日祝日は運休で、月~金も久万高原に行くのは朝の2本だけ。戻ってくるのも夕方だけ。小田はタクシーも1台しかいないと宿の女将さんが話していたので、子どもの通学や、車を運転できなくなったら相当大変であることが想像できる。

夫野川バス停の時刻表

ちなみに、この夫野川バス停のすぐ向こうの民家の前には久々の自動販売機があった。

民家の前に、5時間ぶりの赤い自販機


そして、ようやく農祖峠遍路道方面との分岐である露峰交差点にやってきた。

露峰交差点
とにかく暑かった・・・

とにかく暑い。それ以外の言葉が出ない。
露峰交差点を左折してバス停2つ過ぎた先に農祖峠道の入口があるはずだが、地図を見ると、このまま国道を行くのとさして距離が変わらない気がして、宿の女将さんのアドバイスどおり落合に向かって直進を続けた。

20分でまた自販機。今度は食料品店だ。

佐伯商店


すぐ先に噂の露峰休憩所が見えたので、休憩所のベンチにザックを置いてから戻って、佐伯商店でアイスを買った。
露峰休憩所は水洗トイレ併設の綺麗な休憩所だった。
いつものように靴と靴下を脱いで足を乾かしながらアイスを食べていると、ご近所のかたであろう高齢の男性が草を刈りにやって来られ、ひととおり草を刈り終えると休憩所に入ってこられた。

男性のお話では、道路拡張のために買い上げた土地の一部が余り、町でここにお遍路さんのための休憩所を作ろうという話になったらしい。
そのとき、それまで付近の民家は、小田方面から下りてきたお遍路さんからトイレを貸して欲しいと頼まれて貸すことが多かったので、トイレ併設の休憩所にしたそう。
維持管理は近隣住民によるボランティアらしく、分担して草刈りやトイレ掃除などをやってくださっているとのことだった。

確かに、休憩所ももちろんありがたいのだが、トイレはさらにずっとありがたい。
休憩所の維持管理と水洗トイレの維持管理とでは、地元の負担もずいぶん違うだろう。

結局、居心地の良い露峰休憩所に50分も長居をし、靴下もとうに乾いて熱いくらいになった頃、わたしは落合へと急いだ。(15:17)

露峰休憩所
水洗トイレ併設


しっかり休憩して元気なうえに靴下も温かい。とはいえ、休憩所から今日のお宿まで、ざっと12km位あるはず。ザックを背負っているわたしの脚では4時間近くかかりそう。今日のお宿は遍路宿なので17時前には入りたい。
落合まで行けばバスの本数も多いとのことだったので、ここでバス決定。
時刻を調べていなかったので、うまくバスがありますようにと祈りながら早足で歩く。太川陽介のバス旅状態。

ようやく落合の交差点が見え、見回すと左にバス停があった。
駆け寄るようにして時刻表の前に立つ。(15:54)

残念ながらバスは1時間以上前に行ったところで、次のバスまで1時間半もあった。タクシー会社に電話して、オモゴタクシーさんに来てもらった。

さすが、観光地のタクシーだけあって、運転手さんは、郵便局でお金をおろしたいというわたしを久万郵便局まで連れて行ってくれる道中、古い道標なども教えてくれ、さらにそのあと、お宿への通り道なので44番札所の大寶寺もお参りしておけば明日以降楽でしょうと標高差100m近い山の上にある大寶寺にも連れて行ってくれた。タクシーがぎりぎり通れる、木の根っこが張りだした狭い崖道を進んで納経所の横で車を停めると、「ほら、なんとかコンゴーとか言う、あれを3遍唱えるだけでいいからお参りして、納経所で納経帳もらうといい」と言ってわたしを本堂へと送り出してくれた。
甚だ不本意(笑)ではあったが、石段を駆け上って、蝋燭もお線香もあげずに納め札を納め、南無大師遍照金剛を早口で3回ずつ唱え、本堂と大師堂の写真だけ撮って、石段を駆け下りて納経所でお納経をいただいた。

44番札所大寶寺の本堂

 
その後も運転手さんは、オモゴとは面河渓という名勝のことだとか、この辺りの自販機はまだ新札が使えないことが多いといったことをたくさん教えてくださり、道中飽きることはなかった。
お宿に着いたら、予定通り16時55分だった。

今日も長い、そして、充実した一日が終った。


【コースタイム(実際)】

*      距離は原則google mapでの簡易計測
** 三島神社の先の遍路道の距離は黄色い地図による
***伊予落合バス停~44番札所大寶寺~大寶寺口については、後日歩いてつないだ        
                        


いやしの宿八丁坂(遍路宿、電話で予約、楽天等でも可)

宿泊:2食付8,580円(朝6:00~、夕18:30?~、いずれも30分刻み、本館1階で)
洗濯・乾燥:無料(外にたくさんあり自由に使える)
その他:
本館は和室で部屋に冷蔵庫とトイレと洗面付(施錠可)
食事が最高に美味しくボリュームたっぷりで、生ビールはジョッキもキンキンに冷やしてある
ご主人ほかみなさん遍路道の状況に詳しく、かゆいところに手が届く
お部屋に濡れた靴を乾かすための古新聞の束あり
お風呂は複数あり男女別(うちひとつはバリアフリー)
クレジットカードが使える
岩屋寺への遍路道沿いの玄関前に無料ロッカー(宿泊者以外も利用可)と100円自販機あり



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