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【四国108箇所歩き遍路3(伊予)】#20 60番横峰寺、63番吉祥寺~64番前神寺 (2025年11月)

これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所歩き遍路の記録である。


今日は昨日スキップした横峰寺参拝の日。標高745m登山である。
朝食後、玄関ホールにザックを置かせていただき、サブザックひとつの身軽な格好で、昨晩女将さんに説明してもらった手書き地図を片手に出発する。(7:29)
宿から幸和進学塾までの道沿いに自販機があったので、早めに飲料を補給した。
幸和進学塾が左に見えたら手前で右折して、あとはひたすら直進だ。

幸和進学塾の手前を山に向かって右折


宿から20分ちょっとで松山自動車道が見えてくる。下をくぐる。

松山自動車道の下をくぐる
砂置場の方へ進む

右にモンベルアウトドアオアシス石鎚への分岐が現われるが、それは無視。
左正面に見えてくる砂置場(砂山)を目指して進むと、100円自販機が現われる。(7:57)
さらに進むと、今度は左手に大きな砕石場の建物が現われる。
砕石場から約30分で道が右に折れ、左に登山口が現われるはずだった。

常磐砕石


山の中を進んでいると、宿から1時間足らずでなだらかな舗装道がじきに砂利道に変わり、右側に流れる小川の音が大きくなったので、思わずそちらに目を奪われた。

砂利道沿いの小川
この道が右に折れてすぐ、左側に登山道の入口がある

そして、昨晩、お宿で「目印の遍路札がたくさんあるから見落とすことはない」と言われた登山道の入口の前を見事に通り過ぎたのだった・・・

この林道は誤り

そろそろだと思いながら、延々30分も林道を登り、林道の終点も通過し、ちょうど開けた眺望を呑気にスマホのカメラに納めていて、はたと気づいた。いくらなんでも遠い。もしや見落としたのではないかと。

慌ててHenroHelperで自分の位置を確認し、2km以上行き過ぎたことを知った。なんとかこのまま山頂へ向かえる方法はないかと探しかけたが、山の鉄則は『間違いに気づいたらすぐ引き返す』だと思い直し、引き返した。

ちなみにだが、黄色い地図にもGoogle Mapsにもこの林道の記載はなく、Henro Helperのみ、白く細い道で表示されている。
さらに、ちなみにだが、わたくしがたいへんお世話になっている『歩き遍路情報』のサイトには、砕石場ルートで唯一ミスするとしたらこの場所だろうと書いてあり、ご丁寧に写真まで載っていたのだが、いつもながらわたしはそのことをすっかり忘れてミスした。


本来の登山道(歩き遍路道)入口
遠目ではわからない
本来の登山道(歩き遍路道)入口
ここまで来れば(よそ見していない限り)わかる

さて、登山道に入ると、しばらくこれでもかとばかり遍路札が続いた。
ということは、やはり見落としやすい道なのかも知れない。あるいは、湯浪ルートは台風で一時期かなり荒れていたうえに、妙谷川沿いで増水時危険らしいので、今や採石場ルートの方がメジャーということなのかも知れない。
いずれにせよ空身で来たのは正解だった。土道で歩きやすいのだが、けっこう急だった。
そう言えば、昨晩お宿で一緒になった方々は、札所順どおりザックを背負って大頭から湯浪ルートで登り、参拝を終えて納経所に着いたときはそれぞれ14時半と15時だったそうで、いずれも納経所で脅されて急いで下山したとのことだった。大雨の翌日だったので大変だったと思う。

遍路道
横峰寺まで3.6kmの分岐に突き当たる
左へ

登山道に入って30分少々で『横峰寺まで3.6km』の札が立つ香園寺奥之院との分岐に突き当たったので、左に折れた。ビジネス旅館小松でもらった地図はここまでだった。
その先も、別格とは異なり、さすが八十八ヶ所、道がしっかり踏み固められている。
岩道もあるが、古い道標も多く、安心感が違う。

古い道標が残る山道を登る
歩きやすい尾根道を登る
遍路石もピンクテープもある道をまだまだ登る

登山道の入口から1時間半ちょっとで、綺麗な階段を昇って山道を抜けた。

遍路道を抜けて車道と合流


山道を抜けてすぐ、昨日の108箇所参りの女性が下りてきて、お寺まであと少しですよと声を掛けてくれた。登山道の入口を見落として林道を1時間かけて往復した話を聞いてもらった。彼女は彼女でいろいろあったそうで、お互い励まし合って別れた。
さらに車道を20分登り、車両進入止の鎖を跨いでお寺の敷地に入ったと思ったら、いきなり60番札所横峰寺の大師堂が現われた。(11:31)

60番札所横峰寺
左に大師堂、右奥に本堂、その下に納経所等
5月になると、正面一面ピンク色の石楠花が咲くそう

山門も何もない。やはり正規ルートは湯浪ルートということか。
参拝客の多い細長い境内を行ったり来たりして、本堂、大師堂と参拝し、本堂の横の階段を下ったところに、鐘楼と手水舎、納経所、さらに向こうに仁王門の後ろ姿があった。

納経所
仁王門から出る

お納経をいただいた後、仁王門を出て、奥之院の星ガ森へと向かった。(11:56)
お天気が良ければ、星ガ森から石鎚山を拝むことができる。
仁王門からは幅広の山道を580m、すぐだった。

奥之院 星ガ森
鳥居の向こうに石鎚山

石鎚山を遙拝する鳥居は、思いのほか小さな細い鳥居だった。
そして、肝心の石鎚山は、見えるには見えたが大きな雲がかかっており、その雲がなかなか動いてくれず、山頂を拝むことはできなかった。
鳥居のそばには、おそらく石鎚山の山頂方面から縦走してきたのであろうハイカー数名のグループがいて、雲が切れるのを待っていた。わたしも一緒に待ちたいと思ったが、この後の予定を考えると長居はできず、しばらく待った後、後ろ髪を引かれる思いで奥之院を後にした。

ふたたび仁王門の前に戻り、境内を経由して下山を開始する。(12:38)
ここで、麓の砂置場手前の百円自販機からこっち、自販機がなかったことを思い出し、境内の自販機で飲料を購入した。

下り遍路道への階段
一部加工済
3.6km下った地点
ここを右折して砕石場ルートへ

車道を下り、山道への降り口の階段を降り、来た道を戻る。今度は道を間違えることなく、登りの半分近い時間で小松の町まで戻った。

ビジネス旅館小松でザックをピックアップして、吉祥寺へと向かう。
2つ先の前神寺まで4kmないと思うとサブザックをしまうのが面倒で、ザックを背負ったままサブザックを左腕にかけ、右手で金剛杖を持ち、20分もしないうちに63番札所の吉祥寺に着いた。(15:33)

63番札所吉祥寺
本堂

吉祥寺は山門の前に一対の象がいた。そう言えば、お寺でたまに見かけるこの象たちは、インド象だろうか?
境内はとてもすっきりしていた。

さて、いよいよ本日最後の札所、前神寺へと向かう。3kmちょっとのはずだ。
国道11号線の1本南側の遍路道に入ると、たまにある道標は前神寺ではなく石鎚神社を示していた。これは石鎚神社がもともと前神寺だったからで、さすがのわたしでも間違えようのない一本道なので、気にせず歩を進めた。

石鎚神社まで1.7km


そのうち、横着をして腕にかけて持ち運んでいたサブザックがずっしり重く感じられてきた。
立ち止まってザックをおろして山谷バッグ以外の中身をザックに詰め直そうかと思い、時計を見ると、16時半近かった。マズイ。納経所の時間に間に合わないかも知れない。
慌てて、サブザックをザックの上から背負おうとして苦戦していたら、ちょうど路上を掃き掃除していらした女性が駆け寄ってきて、手を貸してくださった。そして、遠慮がちに、「余計なことかも知れないけどごめんなさいね。前神寺に行かれるんでしょ?今から急いで間に合うかも知れんけど、納経所は17時までなので、よかったら車で送りますよ」と仰ってくださった。
渡りに舟である。ご厚意に甘えることにした。

女性は手に持っていた庭箒をすぐ近くの駐車場の隅に置くと車を出してくださり、「さ、乗って、乗って」と声をかけてくださった。
急いでわたしが助手席に乗り込むと、その女性は、「余計なことをしてごめんなさいね、歩いても間に合うかも知れないけど。実はわたしもお遍路をして、先週結願したばかりなの」と話し出した。前神寺は境内がけっこう広いので、山門までは行けても納経は間に合わないかも知れないことを心配してくださっていた。

あっという間に前神寺の前に着くと、時計の針は16時25分を指していた。
これなら間に合う。
女性は、わたしがお礼に差し出した扇屋さん謹製の納め札を両手でおしいだくように受取ってくださり、笑顔で戻っていかれた。
(以降の写真データなし)

確かに、山門から納経所まで距離があり、そこからさらに階段を上がった先に本堂があったので、あのまま歩いていたら、間違いなくアウトだった。
お遍路史上最高速度で御経をあげて17時ぎりぎりに納経所に駆込んだら、納経所の女性は笑顔でまだ大丈夫ですよと温かく迎えてくださった。

納経後、参拝客がいなくなった広い境内のベンチでサブザックのなかみをザックに詰め直し、ザックと山谷バッグだけになって、前神寺を後にした。山門とは違う方向に近道の出口があるはずだったが、また迷うといけないので来た道を山門まで戻った。
あとは、まっすぐ国道11号線まで出て、伊予西条駅近くのホテルに向かうだけだが、その前に夕食をどうにかしなくてはいけない。歩いているうちにみるみる日が落ちて辺りが真っ暗になってしまった。自分がどこに居るのかすらわからない。
加茂川橋の手前のバス停のベンチに腰掛けてスマホの地図を確認する。30分以上かかりそうだった。すっかり心細くなってしまったわたしは、タクシー会社に電話した。しかし、全車出払っており、いくら待ってもらっても迎えに行けないと断られてしまった。
通り過ぎる車のテールランプだけが頼りの暗闇のなか、歩くしかなくなった。

ところが、約300mの加茂川橋を渡ると、渡ったすぐのところに、JR伊予西条駅を示す道路標識があった。もうすぐ近くまで来ていたのだ。タクシーを頼まなくてよかった。
すっかり元気を取り戻し、駅へ向かおうとして、夕食をどうにかしなくてはいけなかったことを思い出した。国道沿いなのでファミレスが何軒か見えたが、一刻も早くお宿に入りたかったので、うち一軒の和食屋さんでお弁当を買って、国道11号線を少し戻って駅へと向かった。
これまた人通りどころか車も通らない細くて真っ暗な道で、あっているのか不安になったが、小さい踏切を越えて少し行くとようやく駅西通りに出ることができ、右折すると、やがて右手にJR伊予西条駅が現われた。駅前のバス乗り場には大きなザックを背負った登山客が数人歩いていて、石鎚山行きの登山バスの発着駅は夜でも活気に溢れていた。

お目当てのホテルは駅前を通り越して4分歩いた先にあり、広い駐車場の奥に大きなガラス張りのエントランスが煌々と明るく、ほっとした。


【コースタイム(実際)】 


エクストールイン西条駅前(ビジネスホテル、じゃらんで予約)

宿泊:朝食付9,600円(朝食は6:45~1階ロビーにてバイキング)
   このときは繁忙日で高かったが、通常はもっと安い
洗濯・乾燥:無料(各5台あり、備付けの洗剤を自分で入れる)
その他:
JR伊予西条駅から徒歩4分で、遍路道からも1km弱
機械でチェックイン、チェックアウト
ランドリーや大浴場、マッサージ機の空き状況までもがお部屋のテレビで確認でき、とても機能的かつ合理的で快適
西条市内はタクシー不足で送迎トラブルが多いらしい
伊予西条駅前はビジネスホテルが密集しており飲食店も多いので便利

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