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【四国108箇所歩き遍路1(阿波)】#03 12番札所焼山寺(2015年12月)

これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所歩き遍路の記録である。


きょうはいよいよ阿波の国最大のハイライトである遍路ころがしの日。昨晩は20時半に寝てスッキリ目が覚めたので朝かと思ったらまだ23時半で、それ以上眠れなかったので夜通し地図を見て過ごした。

宿泊者全員が焼山寺へ向かうため、お宿の朝食は6時からと早い。昼食用のおにぎりも用意していただき、先達さん、河合さん(仮名)、昨晩合流した舞さん(仮名)、そして、駅前のビジネスホテルに泊った新田さん(仮名)、そしてわたしの総勢5人で旅館吉野を出発し、11番札所藤井寺へ向かった。

昨日参拝は済ませているので、さっそく本堂脇から遍路道に入る。(6:52)

藤井寺境内から遍路ころがしへ

途中、トレランの男性が風のように追い越して行った。背中のザックがおにぎりみたいに小さくて、思わず溜息が出た。わたしのザックは8kgはあるだろうか。

最初に着いたのは長戸庵。ベンチに腰掛け、ザックをおろし、靴を脱いで休憩した。ドラえもんのどこでもドアみたいなトイレがあり、この先お寺まで無いから行っておいた方がよいと強く言われ、しぶしぶ(笑)行った。

長戸庵

長戸庵から約40分で柳水庵。名前の由来となった霊水が右奥の岩場にあり、ちょろちょろ流れ落ちる霊水をペットボトルいっぱいに詰めた。

柳水庵の霊水

柳水庵からすぐの休憩所では、割烹着姿の女性が何人か待ちかまえていて急に賑やかになったので面食らった。勧められるままに甘い鳴門金時芋をおごちそうになった。お菓子もたくさんあった。これはいったいなにごとかと思ったら、お接待所だという。お接待というと、初日に無人の愛染院にお茶が置いてあったのと、おうどんやさんで受けたお接待しか知らなかったが、お接待所というのも、よくあるお接待のひとつだということだった。

休憩所の先はちょうど山道が県道246号線をまたぐ場所で、今日のお宿の植村旅館さんが車で荷物を運んでおいてくださるというので、みんなで歓声をあげてザックを預けた。山谷袋を持っている者は山谷袋に納経セットと貴重品だけつめて持ち、山谷袋を持っていない新田さんは、ザックのなかみを風呂敷に小分けして預けてすかすかになったザックを背負って、全員で再び遍路道に入った。

焼山寺までちょうど半分の地点で急に身軽になったので、足取り軽く進む。
しかし、しばらく進むと石段の上に浄蓮庵(一本杉庵)があり、せっかく登ってきたのに、そこからまた下りになり、さらに左右内谷川を渡るところから登りになった。累積標高差、いったいいくらになるのか。これが遍路ころがしと言われる所以だと悟った。

浄蓮庵(一本杉庵)
遍路ころがし

河合さんが歩きながら、道が掘り返された痕を指して猪だと。今までの人生で猪はもちろん掘り返した痕というのも見たこともなかったので、まじまじと見入った。
さらに山道を登ると車道が現れ、焼山寺の本堂を示す『お疲れさまです』という看板が現れた。いよいよ着いたと思ったら、山門はまだ5分も先だった。

車道と交差する地点(標高665m)
一部加工済
本堂への石段
左に納経所と休憩所

さんざん山道を歩いてきたので小さい山寺なのかと思ったら、12番札所焼山寺は、街中の札所と変わらない広さの境内で、本堂は大きく、自販機もあったことに驚いた。

参拝後、納経所の隣の広くて明るい休憩所で、お宿で用意してもらったおにぎりと、柳水庵で汲んだ霊水でお昼にした。
お昼を食べながら、奥之院はさらに200m高い山頂にあるという話になった。片道20分程度で行けるので、ここを12時半までに出て向かえば、今日のスケジュール的に問題ないとのこと。昼食後ザックを納経所に預け、防寒着を羽織って向かった。本堂の左から始まる奥之院への道は、巨岩あり、尾根道ありの整備された楽しい山道だった。

大蛇封じ込めの岩の側面
正面には小さな祠がある
12番札所焼山寺奥之院の蔵王大権現
一部加工済
焼山寺山山頂からの眺め

標高938mの山頂にある12番札所焼山寺奥之院(蔵王大権現)はさすがに小さなお堂がひとつあるのみで、ろうそくやお線香をあげるところもなかったが、山頂からは山間の集落がよく見えた。
帰りは、写真も撮りながらゆっくり焼山寺の休憩所まで下った後、納経所でザックを回収し、来たのとは別のルートで下山した。

どんどん下ると左手に杖杉庵。謝罪のため弘法大師を追って遍路道を歩き始めたものの、いくら巡っても逢えないので、逆向きにまわり始めた衛門三郎が、ようやく弘法大師に出会うことができ、許しを請うたという地である。
さきほど焼山寺にいた参拝客が全員移動してきたみたいに賑わっており、みな写真を撮っていたので、わたしも写真を撮った。

杖杉庵 一部加工済

その先1時間以上下ってまた登って、大きな切り通しのような場所に出た。玉ヶ峠だった。(15:31)

玉ヶ峠

ザックをおろし、地面にじかに座ってしばらく休憩してから、下山を再開する。あとはうっそうとした木々が両側から迫る、山道に毛が生えたような舗装路を下るだけだった。
そして、ちょうど神山ヘンロ小屋の前まで下ったところで、植村旅館さんが迎えに来てくださったので、車でお宿に向かった。

初の遍路ころがしに初のお接待所、初のお堂だけの奥之院、登ったり下ったりの繰り返しの盛りだくさんの一日が無事終ってほっとした。

なお、2026年現在、柳水庵の先の休憩所と浄蓮庵(一本杉庵)に加え玉ヶ峠にもトイレができている。
また、焼山寺の遍路ころがしでは、旅館吉野等の藤井寺近辺のお宿から植村旅館等のお宿への荷物運搬サービスが有料で行われている。詳細については、予約時お宿に問合せをされることをお奨めする。
ちなみに、わたしはいただかなかったが、焼山寺の納経所では、柳水庵、浄蓮庵(一本杉庵)、杖杉庵の御納経もいただくことができる。


【コースタイム(実際)】

*      距離は原則Google Mapsでの簡易計測
** 遍路ころがしの距離は、黄色い地図による
***神山ヘンロ小屋から植村旅館までは、翌日歩いた                                                                                            


植村旅館(遍路宿、電話で予約)

宿泊:2食付8,800円~(2026年5月現在、夕食17:30~、朝食6:00~、本館1階にて)
洗濯: 200円?
乾燥: 100円?
その他:
和室(現金払い、各部屋は襖で仕切られており、新館は玄関を施錠)
本館、新館、それぞれのお風呂とトイレあり
2015年の宿泊時、男性は本館、女性2人は和室2部屋のみの新館に宿泊
焼山寺の遍路ころがし後の人気の遍路宿


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