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【四国108箇所歩き遍路3(伊予)】#24 別格14番椿堂常福寺(2025年11月)

これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所歩き遍路の記録である。


昨日に続き、きょうも女将さんに見送られてお宿を出発する。(7:49)
今度こそお別れなので、しっかり手を振る。
コンビニに寄って地図をコピーして、愛媛銀行の向かいの市役所前バス停に立つ。川之江営業所行の市役所前バス停は、四国中央市役所の正面かと思いきや50mくらい離れており、反対側のバス停はもっと離れている。意表を突いている。

市役所前バス停時刻表
一部加工済

今日はバスでHITO病院まで行き、HITO病院からはタクシーで平山バス停までワープだ。ここからタクシーに乗ると1,800円くらい高くなるので節約してバスにした。バスだと260円だ(2026年5月現在)。タクシーは昨日のうちに予約してある。

しばらくすると若い女性がやってきた。並んでバスを待つ。なかなか来ないので、どちらからともなく話し始める。朝のこの路線のバスはいつも遅れるらしい。女性がアプリで運行状況を確認してくれ、まだJR三島駅の手前にいるとのことだったので、タクシー会社に電話して予約を30分弱遅らせてもらった。

20分以上遅れてバスが来て、10分ちょっと揺られてHITO病院の裏に着いた。さきほどの女性と互いに手を振ってバスを降りた。
昨日のタクシーの運転手さんに教えてもらったとおり、裏口から入り、病院の建物の中をまっすぐ通り抜けて正面玄関に急ぐと、どこで待っていたのか目の前にタクシーがすーっとやってきた。

昨日下りに1時間以上かかった平山バス停まで、タクシーだと僅か10分だった。(9:11)

平山バス停でタクシーを下車
一部加工済

ようやく本日のスタート地点だ。ここから椿堂までずっと舗装道だと聞いているうえに、昨日想定以上に歩けたので、このままでは本日のゴールの民宿岡田前にお昼過ぎには着いてしまうだろう。本日宿泊する白地荘からは、15時半に民宿岡田前まで迎えに行くと言われており時間を持て余してしまうが、道中時間調整できそうな場所もないので、意識してのんびり歩くことにした。

案内を頼りに広い舗装道を進み、ゆらぎ(半田)休憩所の横を通り過ぎ、5分もしないうちに遍路シールに従い横道を下るが、またすぐに歩きやすい車道になった。

遍路シールに従い横道を下る
歩きやすいアスファルトの道が続く

途中で2人連れの自転車お遍路さんが疾風のように追い越していった。
平山バス停から約40分で、別格14番椿堂常福寺の横に着いた。(9:54)
思ったよりずっと狭い境内に、修行大師などがなかよく並んでいた。

別格14番 椿堂常福寺
本堂

着いたときには誰もいなかったが、大師堂で御経をあげているとガヤガヤと団体お遍路さんが入ってきた。女性先達さんが先導し、最後尾にも男性が二人ついて、狭い境内が俄に賑やかになった。

わたしが読経を終えて納経所に向かうと、納経所に団体さんの納経帳が持ち込まれたところだった。ちょうど良い時間調整とばかりしばらく待ってみたが、納経帳が10冊以上あり、とてもすぐには終りそうになかったので、お手洗いに行って戻るが、まだ終りそうにない。どころか、納経帳の次に新聞紙に挟んだ御軸や白衣まで出てきた。添乗員らしき男性と目が合ったので、「たいへんですね~」と声を掛けたら、「すみませんね~」と返ってきた。さすがに終ったらすぐ横によけてくれたので、続いてわたしもお納経をいただいた。

納経所
一部加工済

そして、わたしが納経を終えたときには、もう一行の姿は境内から消えていた。みごとなオペレーションだった。
ザックに納経セットをしまって、本日の参拝は終了。あとはお宿に向かうのみ。正確には、お迎えに来てもらう民宿岡田の前に向かうのみだ。

椿堂常福寺の門を出て、国道192号線に向かって綺麗な坂道をゆっくり下っていると、後ろから「お遍路さ~ん」と呼ばれた。振り返ると、近くのお宅から同年配くらいの女性が走って出てこられ、「お接待です。歩きのお遍路さんをみかけたらお渡しするようにしているんです。みなさんにさしあげられるわけではないんですけど。お気をつけてお参りください」と言いながら、手に持っていたチオビタドリンクを手渡してくださった。

チオビタドリンクはよく冷えており、ちょうど喉も渇いていたので、国道192号線の平木バス停前のベンチに腰掛けて、一気にいただいた。美味しい。平木バス停の手前には、大きな赤い自販機もあった。
再びゆっくり歩き出す。
国道はバス通りなので、バス停をひとつひとつ確認しながら歩いた。


ヘンロ小屋しんきん庵・法皇

ヘンロ小屋の前を通り過ぎ、その後も歩き続けて、椿堂から1時間20分で七田バス停に着いた。境目峠道への入口にあたり、屋根付きの待合所が併設されている。時間も良いのでここで昼食休憩とすることにした。(11:49)

七田バス停の待合所
手前を右折すると境目峠道
バス停の前を直進すると境目トンネル

目の前に広がる山の景色を眺めながら今朝お櫃から自分で握ったおにぎりを頬張り、お天気が良いうえにまだ時間も早いので、境目トンネルではなく、20分程度余計にかかる境目峠を経由する境目峠道を行くことにして、七田バス停を後にした。(12:12)

境目峠道に入ってすぐ、左側に雲辺寺と箸蔵寺を示す大きな標石があり、続いて、赤い遍路札と民宿岡田を示す案内札が並んで細い山道を指していたので、左へと登る。ものの13分で土の道は終り、ふたたび車道になった。

境目峠道へ
右→雲辺寺
民宿岡田4km
この細い登り坂を左へV字に登る
13分で遍路道を抜けて舗装道に出る
境目峠
峠の少し先に県境を示す石があり、徳島県へ入る

歩きやすい車道が続く。
それにしても、誰にも会わないし、車も来ない。猿も鳴かない。し~んと静まりかえった山の中の舗装道を、ひとり黙々と歩く。

雲辺寺遍路道への入口
これはスルー
中津山道

徳島県に入ってすぐ、雲辺寺方面への遍路道の入口が現われる。黄色い地図にも載っている、曼陀峠を通らない方の遍路道だが、民宿岡田の前は通らないのでスルーする。
さらに中津山道の古い道標の前を過ぎてしばらくすると、国道192号線に出た。
そして、七田バス停から一時間経つ頃、左側に赤い遍路札が並んでいると思ったら、うちひとつが民宿岡田を指していたので、脇道を下った。

左脇道を下って民宿岡田へ
民宿岡田

坂道を下るとすぐ、テレビで何度も見た民宿岡田が、寸分違わぬ姿で建っていたので軽い感動をおぼえた。(13:15)

ちなみに、民宿岡田のご主人は1928年(昭和3年)生れの97歳(2025年末現在)。とてもお元気で、毎晩、66番札所雲辺寺を目指す歩き遍路に手描きの地図で遍路道の説明をしてくださるそうだ。地図には70番札所本山寺や別格16番萩原寺まで載っており、別格をお参りする人には別格15番箸蔵寺経由雲辺寺への地図などもあるらしい。民宿岡田は、現在4室しか稼働していないうえにご主人の熱烈なファンが多いため、四国一予約がとれない遍路宿になっている。
付近に他に宿はないため、岡田に泊まれなかった歩き遍路は民宿白地荘を紹介してもらう。岡田のおじいちゃんに頼まれたら断れないと言う白地荘のご主人(こちらも70歳はとうに超えている)は、民宿岡田の前から8km以上離れた白地荘まで車で送迎をして、これまた雲辺寺を目指す歩き遍路を支えてくださっているのである。

なお、途中ご一緒した通し打ちの歩き遍路さんによると、八十八ヶ所をまわるお遍路さんのなかには、65番札所の三角寺を打ったあと、そのまま66番札所雲辺寺にお参りし、下山途中の民宿青空屋に泊まることで、民宿岡田に泊まれない問題をクリアされるかたもいらっしゃるそう。
確かに、四国中央市内から三角寺経由雲辺寺まで25km程度、さらに青空屋までは下り5km弱、2つの山越え以外は舗装路が長いので、健脚であれば、トータル10時間かからず辿り着けるかも知れない。


【参考URL】
せとうちバス 四国中央市内路線図
せとうちバス 路線バス時刻表・運賃検索
平日朝の「新居浜~川之江線」は必ず遅れるそうなので、時間に余裕をもって利用されることをお勧めする


【コースタイム(実際)】 


民宿白地荘(民宿かつ遍路宿、電話で予約、楽天も可)
(HPの写真はかなり古くて参考にならない)
宿泊:2食付9,000円(夕食は17:30~、朝食は5:00以降各自好きな時間に)
洗濯:100円(複数台)
乾燥:200円(大量にハンガーがあるので部屋干しも可)
送迎:お迎えは15:30に民宿岡田前、送りは6:15発コンビニ経由で民宿岡田前
その他:
和室(施錠不可、現金払いのみ)
お風呂、和式トイレは男女共通、洋式ウォシュレットが玄関脇に1つあり
歯ブラシはないが、タオルと糊の効いた浴衣はある
施設は非常に古く掃除も行き届いていないが、歩き遍路愛溢れるご主人と驚異的に働き者でやさしい女将さんが温かく迎えてくれ、遍路道や札所に関する情報を、聞かずともいろいろ教えてくださるのがお遍路初心者には非常にありがたい
夕食は松花堂弁当風で、自家製野菜をふんだんに使って品数が多くとても美味しい
歩き遍路の大半が民宿岡田近くの佐野遍路道経由で66番札所雲辺寺を目指すため、民宿岡田と白地荘の間を一斉送迎してくれるが、宿まで歩きも可
ただ、白地郵便局から先は標高差100mの急勾配つづら折り、かつ、わかりづらいので、少なくとも白地郵便局からは送迎してもらうことをお薦め
万が一15時半までに民宿岡田前に辿り着けない場合には、事前にお宿に連絡のうえ、民宿岡田近くの佐野から白地郵便局まで三好市営バス佐野池田線(日祝運休)を使う手もある
1980年代甲子園の常連だった池田高校野球部の合宿に使われていたこともあるそうで、小学生の合宿(農業体験)や一般観光客のほか、外国人宿泊者も多いらしい
キャベツが大好物の山羊のリボンちゃんも歓迎してくれる


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