【四国108箇所歩き遍路3(伊予)】#23 65番札所三角寺、別格12番仙龍寺(2025年11月)
これは2015年12月~2025年11月にかけて、順打ち、全7回の区切り打ちで結願した四国108箇所歩き遍路の記録である。
きょうは65番三角寺と別格12番仙龍寺にお参りする日。
今回の区切りに出発する前は、お宿から三角寺まで往復し、翌日三角寺までタクシーで行って、三角寺から山道経由で仙龍寺にお参りするつもりだったが、お宿に予約の電話を入れた際、歩き遍路は通常三角寺を参ったその足で仙龍寺にお参りすると教えてもらった。歩けるか心配だと言ったら、堀切トンネルを出たところまではみな歩いているし、(伊予西条などと異なり)タクシーも呼べるから大丈夫と励ましてもらい、予定を変更したのだった。
朝食は6時半からの予定だったが、6時10分に用意できたと声がかかったので、すぐに階下に降りていく。少し遅れてほかの2人も降りてくる。
噂に聞いていた大きな卵焼きが甘くて美味しかった。サラダの横には大きなメロンが一切れ載っていた。
女将さんが、「余ったご飯はおにぎりにして持って行っていいのよ」とラップにポリ袋、梅干しまで出してくださったので、大きなおにぎりを2つ握らせてもらって7時に出発。
女将さんが表に出て、見えなくなるまで手を振って見送ってくださる。
連泊なので夕方また帰ってくるのに、まるで今生の別れみたいで可笑しい。
四国中央市役所の手前のファミリーマートで飲料を調達し、いただいた戸川公園までの行き方の地図どおりに進むが、その戸川公園までがけっこう長かった。
四国中央市役所前の広いバス通りを山に向かって南下し、松山自動車道にぶつかったら、手前を左折。西岡電設の向こうにてっぺんが丸い鉄塔が見えたら、その先のゲートボール用広場の手前を右折して、緩やかな坂道を上る。坂道は左へ緩やかに曲がり、赤い自販機の向こうに戸川公園のトイレが見える。ここで道は山へ向かって右へ曲がる。なんの不安もない道ではあったが、そのすぐ先の『三角寺まで4.7km』の看板のところまで40分かかった。




その後もへんろ標識を頼りに舗装道を道なりに右へ左へ進むと、『65番札所三角寺』という右折を示す大きな看板が現われる。この看板は車用なのでスルーして直進し、狭い住宅街の間の道を抜け、左側がひらけてもなお進む。じき舗装道のピークになり、ようやく『右此方□□□』(三角寺?)という石の道標が現われ、コンクリートの登山道に入った。(7:54)


しばらくすると、ほかのかたのブログでよく見掛ける小さなプレハブ小屋が現われた。壁に小学生が描いた大きな絵には、3分先に休憩所があり、そこから30分で三角寺とあり、実際すぐ先の見晴らしの良い場所に木のテーブルとベンチが設置してあった。

ここが休憩所なわけではない

プレハブ小屋から3分、三角寺まで30分
いかにも遍路道らしい山道を進むが、何の林か、鼻水がとまらない。ティッシュを手に進む。
頂上近くなると、近くの豚舎の糞尿の臭いがさらに追い打ちをかける。
標高353mの割にはきつかった。

雨でなくてよかった
65番札所三角寺は、境内への石段のすぐ下が駐車場で、車の参拝客が既に何人も到着していた。
石段を昇ると、山門は鐘楼門だった。山の中腹にある境内はけっこう広く、落ち葉の一枚も落ちておらずとても綺麗だった。
昨日お宿に向かう路上で代参を頼まれた畑さん(仮名)の分のろうそくとお線香をあげて納め札を入れ、預かったお賽銭百円ずつを本堂と大師堂であげ、下手なお経をあげてから、自分の分のお参りをした。


納経所で、きょうここから仙龍寺に向かった人はいるか尋ねたところ、地元のひとが途中までなら行っているが、奥之院まで行くひとはいないとのこと。山道を行くのであれば、本堂の裏手から行けると教えてもらう。
また本堂まで戻るのか…と後ろを振り返り、道の状況を重ねて尋ねると、いまの時季、イノシンやら獣が多いので、よほど山道がお好きというかた以外には下まで下りて車道で行くことをおすすめしていると言われる。山道は標高770mの地蔵峠まで登って下るが、車道は堀切峠の標高が480mしかないので、距離は長いが時間は一緒だとも言われた。
山道については数少ない他人様のブログでさんざん予習してきたつもりだったが、イノシシにだけは遭いたくなかったので、おとなしく車道で向かうことにした。
鐘楼門をくぐって石段を駐車場まで降りると、来たときとは反対の右へ進んだ。

トイレもあれば自販機もある

このすぐ先に分岐がある

右↗仙龍寺・・・だが看板が倒れている(涙)


この車道をひたすら直進する

車道は人も車もほとんど通らないことと、この界隈で仙龍寺は『奥之院さん』と呼ばれているため案内板も『奥之院』の方が多いこと、途中猿の鳴き声が気になったこと以外は、不安要素ゼロの道だった。道沿いには2路線一日各2便のバス停があり、目印になった。
2時間ちょっとで別格13番仙龍寺(三角寺奥之院)の参道下に着いた。


整形された石垣の上に古い木造建築物が山に張りつくように建っているのが見え、細い川を挟んで右が石段、左がコンクリートの細い舗装道になっていたので、右から昇ってみる。
最後は小さい橋を渡って左側の参道に合流し、ほどなく境内だった。

下はゴーゴーと滝が流れ落ちていた

奥は、左から手水舎、鐘つき堂、六角堂

昇ったすぐのところに不動明王像などがあった。
通夜堂が、とてもスマホの画面には収まりきらない巨大な建造物で、靴を脱いであがると、2階に納経所と、弘法大師、不動明王が並ぶ本堂があった。
納経所で「歩きですか?」と尋ねられ、喉が渇いていないか尋ねられたので、寒くて喉は渇かなかったがトイレに行きたいと答えたら、1階のトイレの場所を教えてくださった。
椿堂へのルートも丁寧に教えてくださった。来た道を戻って分岐を右に入る方が早いとのことだった。
おなかがすいてきたが、とても座って何かを食べてよいような雰囲気の境内ではなかったので、このまま帰ることにする。
帰りは急坂の方を下り、納経所で教えられたとおり、前の道路を左折して来た道を戻った。

ここを車も通るとは!

崖崩れを補強してこの形になったらしいが美しい
国道319号線のアップダウンが続く。空きっ腹を抱えて歩くのは辛い。朝握らせてもらったおにぎりを食べたいと思うが、山のなかの車道なので休憩所もベンチもない。来るときに猿の鳴き声が聞こえた場所が近くなる。
いよいよ猿の縄張りだと思う場所の少し手前で、やむなくガードレールの脇で食べることにした。
アスファルトの車道にじかに座っておにぎりを食べ、ひと息ついていたら後ろから車がやってきた。窓が開く音がしたので振り返ると、運転席の男性から「大丈夫ですか?ケガですか?」と声を掛けられた。
顔から火が出そうになった。「すみません。休憩しているだけです」と答えたら、すぐに安堵した表情になり「お気をつけて」と言って、走り去った。
やはり、境内をお借りするべきだった。せめて、参道下とか。
しばらく歩いて、来るときに猿の鳴き声が聞こえた辺りにやってきたが、もう鳴き声は聞こえなかった。
その先に椿堂への分岐が見えた。

県道5号線へと右折する

右の崖下に新宮ダムがあり、道沿いにはダムの底に沈んだ小学校跡を示す石碑や、ダム放流時の注意喚起の案内板などが続く。
さらに進むと堀切トンネル。ここは猿の目撃情報の多い場所。身構えながら進んだが、どこに行ったか今日は一匹もいなかった。

心配した猿の姿はない

壁から地下水が染み出て歩道に泥が溜まっており滑りやすい
トンネルを抜け、綺麗な下り舗装道をぐんぐん下り、平山バス停に13:46に着いた。予定より2時間以上早かった。誤差の範囲を超えている。明らかな計画ミスだが、逆でなくてよかった。

右→椿堂の方向を示す案内板が見える
三角寺駐車場以来久々の自販機もある
平山バス停は、路線バスが廃止され、いまは事前登録および予約が必要なデマンドタクシーの停留所になっている。
次の別格14番椿堂の方まで歩いてみてもよかったが、そうすると、帰りの足と明朝のアクセスが面倒。かと言って、こんなに時間に余裕があるのであればタクシーを呼ぶのももったいない。このまま歩いて下ることにした。
ところがこれがけっこう長く、途中道が左に大きくループしている箇所はさすがに歩く気がしなかったので、適当に右下に降りてみたらビンゴのショートカットだったので一瞬だけ気分が高揚した。しかし、それ以外は、ずっと、まだか~まだか~と思いながら歩いた。
結局15時前にHITO病院前に着いた。
さすがにこれ以上無駄に歩く気は失せていたが、バスは17分前にいったところで、次が最終便で2時間以上あったので、タクシーを呼んで15時過ぎにお宿に戻った。
明日は別格14番椿堂常福寺を打っていったん徳島県に入る。そしてもう2ヶ所、別格15番箸蔵寺と66番札所雲辺寺を打ったら、いよいよ『涅槃の道場』香川県に入る。愛媛は札所が多く、ここまで延べ23日かかった。その間、ほぼ毎日観ていたNHKのローカルニュース番組『ひめポン!』とも、今晩でお別れである。
【コースタイム(実際)】

