是枝裕和監督『ルックバック』に、警察監修として参加しました
9月11日から全国公開されている、是枝裕和監督の実写映画『ルックバック』。
この作品に、警察監修として参加させていただきました。
原作は、藤本タツキ先生による同名漫画。
藤野と京本。
漫画を描く二人の少女の出会いと、その先にある時間を描いた作品です。
すでに原作やアニメーション映画を通じて、大切に受け止めている方も多い作品だと思います。
そんな『ルックバック』の実写化に関わらせていただけたことを、とても光栄に感じています。
警察監修は、「正解」を押しつける仕事ではない
映画やドラマの警察監修というと、
「この手続きは正しいか」
「警察官は実際にこう動くのか」
「このセリフを現場で使うのか」
といった部分を確認する仕事だと思われるかもしれません。
もちろん、それも大切な役割です。
ただ、現実をそのまま映像に持ち込めば、作品としてリアルになるとは限りません。
警察の動きを細かく説明しすぎれば、物語の流れを止めてしまう。
反対に、現実とかけ離れすぎれば、観る人が無意識に違和感を覚えてしまう。
その間にある、ほんのわずかな境界線を探す。
私は、それも警察監修の仕事だと考えています。
現場を知っているからこそ、「足さない」
警察官の立ち位置。
現場に入る順番。
発する言葉。
そこにいる人たちとの距離感。
一つひとつは、画面の中では数秒かもしれません。
しかし、その数秒に違和感があると、観客は物語の外へ戻されてしまいます。
だからこそ、必要な部分は伝える。
一方で、説明しなくてもよいものは、あえて足さない。
警察を目立たせることが目的ではありません。
作品の世界を壊さず、観る人が登場人物の感情に集中できるようにすること。
今回の監修でも、そのことを大切にしました。
「つくる」ということ
『ルックバック』は、漫画を描く二人の物語です。
何かをつくること。
誰かに認められること。
自分より優れた才能と出会うこと。
それでも、もう一度机に向かうこと。
今回、作品づくりの一端に関わりながら、映画もまた、本当に多くの人の積み重ねによって生まれるものだと改めて感じました。
画面に映る数秒のために、考え、確認し、何度も言葉を交わす。
私が携わったのは、その中のごく一部です。
それでも、自分が警察官として経験してきたことが、この作品の世界を支える小さな材料になったのであれば、これほどうれしいことはありません。
ぜひ、劇場で
監修した場面や具体的な内容については、作品を観る方の体験を損なわないよう、ここでは触れません。
そして、おそらく皆さんが映画をご覧になっても、
「ここが警察監修の仕事だ」
とは気づかないと思います。
それでいいのだと思っています。
監修の存在を感じさせず、物語の中に自然に溶け込んでいること。
それが、警察監修として一番うれしい形です。
実写映画『ルックバック』。
ぜひ劇場でご覧ください。
そしてエンドロールまで、見届けていただけたらうれしいです。
実写映画『ルックバック』
原作:藤本タツキ
監督・脚本・編集:是枝裕和
2026年9月11日 全国公開
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