ボクの子供は障害児(エッセイマンガ)
ボクの娘と息子は障害児だ。
娘は6歳、息子は4歳。それぞれ中度の知的障害と自閉症がある。娘は6歳なのに2歳の知能だし、息子は一歳くらいの知能で、「あ〜う〜」くらいしか話すことができない。それに2人とも自閉症で、睡眠障害、偏食、謎のこだわりなどがあり、むちゃくちゃ大変なやつらだ。
本当に我が家は普通の子育てをしている人からすれば異様な日々を送っていると思う。
だからこそ、そんな子供たちとの日常をマンガやイラストにして残しておくことにした。
とりあえず娘と息子がどんな感じの子かマンガで紹介します。






娘はこんな感じで多動でうるさくて大変な子だけど凄くカワイイです。
次は息子を紹介します。息子は娘とは違ったタイプです。






息子はいわゆる自閉症という感じなのか、こだわりが強くて気難しいです。でも気まぐれで猫のように甘えてきたりとカワイイです。
次はオマケ的に描いた2人で遊んでいる?様子のマンガです。2ページだけ描いてみました。

見ていて普通に引きました。

ドラクエのパワー系とテクニック系のコンビのボスみたいなイメージです。
このマンガのように2人とも予想外の行動ばかりするので大変ですが、楽しくもあります。
次は我が家におきた事件の話です。マンガを書く時間がなかったので文章と挿絵で公開します。
息子が脱走した話
少し前、息子が脱走した。朝、突然いなくなったのだ。とりあえず息子の紹介をすると、息子は4歳で中度知的障害、自閉症で、「あー、うー」くらいしか言えない。「あー、うー」くらいしか言えないから、基本的には静かなやつだ。「はい」と「いいえ」しか言えないドラクエの主人公が無口な感じだろうか?息子は台所の収納スペースに隠れるのが好きで、ギュッと小さくなって数分後に動くという乾燥わかめみたいなことをよくやっている。

普段は何となく臆病な雰囲気の息子。
そんな息子が脱走した。多動で脱走しそうな娘が脱走せずに大人しい息子の脱走。
完全に虚をつかれた。「ショーシャンクの空に」でも模範囚が脱獄していたけどそんな感じだった。
息子が脱走した日の朝、私は幼稚園の準備をしていた。2人とも自力で服を着たりご飯を食べるのが難しいので大忙しだった。
特に娘は幼稚園に行く前に癇癪を起こすことも多く、ボクは娘を煽てたり抱っこしたりと機嫌取りに苦労していた。(千と千尋の湯婆婆と坊みたいな感じ)
その日も娘に全集中し、息子を少し放っておいていた。さっきも書いたとおり息子はどこかに収納されていることが多いので、娘の情緒が安定するまで息子は放っておくのが、忙しい朝の攻略法になっていた。
だからその朝、息子が脱走したことになかなか気づけなかった。息子の気配はなかったけれど、息子は「絶」(ハンターハンターの気配を消す技術)を使えるので、またどこかでセルフ収納してるんだと楽観的に考えていた。
それでも数分たっても圧縮ぶとん並みに気配がなく、さすがに心配になって、息子の名前を呼びながらクローゼットやタンス、布団などをホラー映画の殺人ピエロみたいに探し回った。

部屋中探しまわってから、「まさか!?」と思い玄関に行くと「クツがない!?」そして鍵が開いている。

「ヤバい脱走した!?」そう悟った瞬間、すぐに外に出て探そうとしたけれど、娘を家に置いて行くと娘も脱走する可能性がある。2人にとって我が家は檻でボクは看守みたいなものなのだ。ボク1人で息子を探しに外に出たら、「チャンスだ!」と娘も外に飛び出すはずだ。2人とも迷子になるのはさすがにヤバすぎる。
これはもう娘と一緒に息子を探しに行くしかない!と腹を括り、娘に「息子くんがいなくなったから探しに行くよ!」と伝えた。
けれど娘は
「みそシール!(味噌汁)、コーンフレーク!」と、緊急時なのに、しっかり朝っぽい食べ物を要求してきた。

さすがに朝ごはんを食べてる場合ではない。こうしている間にも息子は家から離れているのだから。
息子は信号のルールも知らないし、車に当たったら死ぬという感覚もない。昔のファミコンゲームみたいに車に当たったら乗れるとすら思っていそうだ。とにかく息子はむちゃくちゃな世界観で生きている。障害児の迷子は普通の子供の迷子よりもずっと危険なのだ。
だから急いで息子を探すために娘をラグビーボールのように担いでトライするかのように自転車に乗せた。そして、とりあえず近くの公園を探してみようと考えていると、娘も「公園、行きます!」と訴えてきた。毎朝、幼稚園に行っているのに、なぜ公園に行けると思ったのか分からないが奇跡的に考えが一致したのだ。

ボクは娘の「キャッフィー!」というキノコ取った時のマリオみたいな笑い声に不安を覚えつつも爆速で公園に向かった。案の定、公園に着くと娘は自転車から降りようとし、「ブランコ!ブランコ!」と泣き叫ぶ。息子が脱走してるのに娘とブランコで遊んでたら何らかの法律で捕まる気がして、ブランコに向かう娘を押さえつけながら警察に電話をした。
警察 「どんな髪型ですか?」
ボク 「おかっぱみたいなやつです」(サブカル大学生みたいなキノコヘアー)
警察 「どんな服ですか?」
ボク 「くまのパジャマです」
みたいなやりとりの後、「息子は障害があって、信号とか車とか危険なことが分からないんです!!だから、くまのパジャマで歩いてる子供がいたら、すぐに保護してください!!」と大慌てで伝えた。(今考えると朝っぱらから、くまのパジャマで歩いてる子供がいたら、障害とか関係なく保護するよなとは思う。ただ、この時はすごく必死だったのだ)
その後、息子を探しに猛ダッシュで近くのセブンイレブンに行き、店内を見まわし息子の名を呼んだけれど息子はいなかった。
そんな焦りまくっているボクのことなんて一切気にせず、娘はセブンイレブンに着くとお菓子売り場に行き、ちいかわのカードの付いたお菓子をねだってきた。けれど息子が行方不明の時にカードが付いたお菓子を買うのは何かいけない気がしてシンプルなチョコを買ってあげた。
普通の感覚の人からは
「お菓子なんて買わずに早く息子を探せよ」と言われそうだけど、セブンイレブンまで来て何も買わないと、娘が癇癪を起こして自転車に乗ってくれなくなる可能性もあるので、時短のためにもちゃんとお菓子を買ったのだ。(これは重い障害児を育てている親なら理解してくれると思う)
店に息子はいなかったけれど、念のため息子が来なかったかを店員さんに尋ねた。その際も娘は追加のお菓子を選ぼうとするので必死に取り押さえながら息子の特徴や喋れないことを店員さんに伝えた。すると店員さんは
「えっ、そっちの娘さんも喋れない系ですよね?」という冷ややかな雰囲気を出してきた。
店員さんからすれば障害児を抑えつけながら、障害児を探す親なんて、大ピンチ図鑑の表紙を飾るレベルに哀れな存在なのだろう。

ただ、落ち込んではいられない。息子を探すためセブンイレブンを出ると、すぐにファミマに向かった。娘からすれば朝からセブンイレブンとファミマに行けるなんて最高の1日だったはずだ。
ファミマに着くと娘はハイテンションで「ほえ〜〜!!」とか言っていた。けれど、息子はファミマにもいなくて、ボクは冷や汗をかいていた。息子はセブンイレブンよりファミマ派なので何となくファミマにいる気がしていたのだ。
大笑いする娘の隣でボクは
「息子、車に轢かれて死ぬ可能性とかも35%くらいあるのでは?」と思い絶望していた。
すると、丁度その時、警察から電話がかかってきた。
そのドラマのようなドンピシャなタイミングに息子が事故にあったという報告なのでは?と思いスマホを取る手が震えた。
結果的には息子は無事に保護されていた。
引き出しに収まるのが好きな息子らしく公園のくぼみっぽい場所でジッとしていたそうだ。
それに運良く、うんちを漏らしていたのでアクティブに動けなかったようだ。
うんちを漏らしていなかったら道路に飛び出していたかも知れない。
(この日のうんち、ありがとう)
その連絡を聞いて安心したものの、息子が警察に迷惑をかけていたらキツいので、早く息子を連れもどさねばと、ファミマの店内で「ファミマ!ファミマ!」と叫ぶ娘を抱え、自転車にぶち込み警察所に向かった。
警察所に着くと息子の周りに4人くらいの警官がいて、息子は重大事件を目撃した天才少年みたいな雰囲気を出していた。

とりあえず状況報告などのためにソファに座ると娘はジュースをねだるし、息子は「あ、あっ、あー!!」といつものように膝に座ってきて、ボクのポケットからスマホを奪い取りYouTubeを見せろ!と要求してきたので、イライラした。

なんというか、2人からは命に関わる大変なことがあったという危機感みたいなものが1ミリも感じなくて、これは何か優しい雰囲気でいつも通り接したら再犯するのでは?と思い、警察の前だけど2人をむちゃくちゃ怒鳴りつけた。
警察には「お父さんそれは家でやって下さい」的なことを言われた。

たしかに警察の方の言う通りだと思う。
でも息子や娘は家に帰ると反省とか一切せずに普通にYouTubeみたりするようなやつなのだ。それは自閉症で知的障害のある子を育てていないと分からない感覚かも知れない。
「だから、ここで怒っておきたいんですよ!怒りに任せて怒ってるわけではないんですよ!この2人は普通の子とはちがうんですよ!そういう脳みその感じなんですよ!」と言いたかったけど、さすがにそういうことは簡単に理解されずヤバい親認定されるだけなので、「すみません」と謝り、警察の皆さんにお礼を言って、いそいそと家に帰った。
案の定、家に帰ると2人は何事もなかったように好き勝手過ごしていた。
その日は一日中、息子と娘に対してムカついて、2人の感覚の違いや理解力のなさに軽く絶望した。
けれど、夜寝る前に布団のなかで息子が死んだらどんな感じだったかな?と考え、仏壇に息子の好きな「もぐりん」の人形やバイキンマンのぬいぐるみを飾っている様子を思い浮かべたら、なかなか悲しかった。
息子。いつも困らせてくれてありがとう。ふざけんなよ。娘もふざけんなよ。もう少しがんばれ。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!障害児って聞くと何となく暗く嫌なイメージを持つ方も多いと思うけど、そういった障害児やその家族にも生活があって、たのしいことがあって、何というか当たり前にみんなと同じ世界で生きているんですよ。だから、とりあえず障害児のいる家の感じを知ってもらえると良いかな?と思いマンガを描いてみました。正直、マンガで描いているよりもすごく大変な感じだし、色々な困難が常にあって絶望感がすごいです。重い障害児のいる家庭はどの家庭もずっと困り続けているという状態だと思います。
ただ、このマンガは世の中への啓蒙みたいな目的ではなく、単純にボク自身のたのしみのために描きました。なのでとりあえず気楽に読んでもらえるとありがたいです。
みなさん。身体に気をつけて良いかんじで生きていきましょう!
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普通に生きていくのがツライ状況です。
少しでも作った作品を、評価して頂ければ
嬉しいです。