少年野球の配車表、毎週2時間かけていました
金曜の夜9時。子どもを寝かしつけたあと、私はLINEを上にスクロールしながら、日曜の試合に来る子の人数を数えていました。数え終わったら「車を出せる方いませんか」と投げて、返事を待ちます。少年野球の配車表が完成するのは、だいたい土曜の朝でした。
内訳はいつも同じでした。人数を数えるのに30分、募集を投げて返事が出そろうまでに1時間、定員と突き合わせて組むのに30分。締めて2時間です。
この記事に書くのは3つです。配車表に書く10項目、作る順番の5ステップ、公平さを回数で決めるルール。完成形の見本も途中に置いています。
なぜ少年野球の配車表づくりは、こんなに時間がかかるのか
作業そのものは単純なのに、なぜか終わらない。理由は3つありました。
1つめは、出欠が最後まで動くこと。前日の夜に「熱が出ました」、当日の朝に「上の子の試合と重なりました」。人数が変われば席数が変わり、席数が変われば台数が変わって、表は最初から作り直しです。
2つめは、情報が3か所に散っていること。出欠はLINEのグループ、車の定員は自分の記憶、集合場所は3日前の投稿の中にあります。
3つめは、誰に頼むかを毎回ゼロから考えていること。前回誰が出してくれたかの記録がないので、頼みやすい人に頼みます。当然、同じ人に偏る。その自覚があるから、お願いのメッセージを打つ指も重くなりました。

作業が大変だったのではありません。毎週ゼロから作り直していたことが大変だったのだと、あとから気づきました。
配車表に必ず入れる10項目
まず、配車表を「何を書く紙か」として定義し直しました。項目が決まってからは、作りながら迷う時間がほとんどなくなりました。
更新日時。いちばん上に書きます。「これが最新版」と分かる印が上にないと、スクショの上半分だけが出回って、古い表が独り歩きします。
予定名・日付・種別。練習か、試合か、遠征か。種別で必要な台数の目安が変わります。
集合時刻と集合場所。現地集合か学校集合かが曖昧だと、当日の朝に必ず電話が鳴ります。
解散時刻と解散場所。行きと帰りは必ず分けて書きます。帰りだけ別の親が迎えに来るケースが、毎回いくつか出るからです。
参加する部員の名前。人数ではなく名前で書きます。名前なら「どの車にも乗れていない子」が一目で分かります。
必要席数。部員だけで数えると当日足りません。一緒に行く大人と、用具のぶんまで数に入れます。
運転担当者と乗車定員、車種とナンバー。定員は自己申告でかまいません。車種とナンバーは、駐車場の受付と、子どもが自分の乗る車を見つけるために要ります。
どの車に誰が乗るか。「A車:〇〇、△△」の形で割り当てます。
費用の扱い。ガソリン代と高速代を各自負担にするのか、遠征のときだけチーム会計から実費精算するのか。ここを毎回書いておくと、後から揉めません。
備考。酔いやすい子、兄弟で同乗させたい家庭、用具の積み込み担当、駐車場の券の枚数。
定員の数え方に、ひとつだけコツがあります。用具は席数に換算する。ミニバンの3列目を畳んでバットケースとヘルメットを積むなら、その車は定員6人ではなく実質4人です。チャイルドシートも同じで、1台あれば1席減ります。ここを座席の数だけで計算していたので、当日の朝に1台足りないことがよくありました。
そして、表とは別に一度だけ決めておくものがあります。他人の子を乗せる車の任意保険です。対人と搭乗者の補償をチームとして確認しているか、事故のときの責任をどうするか。毎回書く欄ではありませんが、配車表を作る役になった年の最初に、必ず確認しておくことをおすすめします。
完成形はこうなります
10項目を1枚に落とすと、こうなりました。
配車表 更新 8/28 21:00
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8/31(日) 練習試合 vs ○○ / 会場 △△グラウンド
行き 集合 7:30 学校 帰り 解散 16:00 現地
必要席数 12(部員9 + コーチ2 + 用具1台分)
A車 山田(アルファード 品川123・定員6/実質4・3列目に用具)
→ 佐藤、鈴木、田中
B車 高橋(セレナ 品川456・定員6/実質5・チャイルドシート1)
→ 伊藤、渡辺、中村、小林
C車 加藤(フィット 品川789・定員4)
→ 松本、井上、コーチ2名
未割当 なし / 費用 各自負担 / 駐車券 2枚
備考 松本くんは酔いやすいので前席。用具の積み込みは山田さん。
────────────────────────────紙でもスプレッドシートでも、この形が入れば足ります。
配車表の作り方 5ステップ
項目が決まったら、次は順番を固定します。順番が決まると、迷う時間がなくなります。
ステップ1|出欠と配車を、同じ1回で聞く
締切を「前日の21時」のように時刻まで決めて、毎回同じにします。
大事なのは、出欠を締め切ってから車を募らないことです。分けて2回聞くと、待ち時間がそのまま2倍になります。私が2時間かけていた原因の半分はこれでした。出欠の連絡と一緒に「車を出せますか」を聞いてしまいます。
ステップ2|必要な席数を出す
出席する部員の人数に、一緒に行く監督・コーチ・当番の保護者と、用具のぶんを足します。用具は前に書いたとおり、席数に換算して数えます。
ステップ3|「未定」を選択肢に入れる
回答を「可能/不可」の2択にしないことです。2択だと、決めきれない人は返信そのものをしません。
「可能/不可/未定」の3択にすると、未定の人も返してくれるようになります。すると締切の時点で「まだ誰も答えていない家庭」が分かる。分かれば、個別に一言かけるだけで済みます。この記事でひとつだけ持ち帰るなら、ここだと思っています。
ステップ4|方面でまとめてから、回数で選ぶ
基準は二段にします。まず、同じ方面の子をまとめる。経路は動かせない制約なので、ここが先です。そのうえで、同じ方面の候補が複数いるなら、その年度の担当回数が少ない人を選びます。
回数だけで機械的に選ぶと、会場と反対方向に住んでいる人に往復1時間の遠回りが乗ります。その人は翌週から「可能」と答えてくれなくなります。人柄や頼みやすさでは選びませんが、地理は考えます。
ステップ5|1か所に置いて、変更は元を直す
完成した表をLINEに貼り直すと、変更のたびに表が増えていき、どれが最新か分からなくなります。置き場所を1か所に決めて、変更するときは元の1枚を直す。送るのはリンクだけにします。
配車表を公平に回すための2つのルールと、1つの結論
ここは揉めたときのための話です。作り方だけ知りたい方は、まとめまで飛ばしてください。公平さは、割り振り方のうまさではなく、先に決めたルールで決まりました。
カウントの単位を学年度に固定する
4月から翌3月までを1年として数えます。月単位だと偏りが見えず、通算だと途中入団の家庭に不利になるからです。
配車が難しい場合は、別の協力を可能な限り求める
車がない、下の子が小さい、シフト勤務で朝が動かせないなど、配車が難しいご家庭は必ず存在します。そういった場合、代わりに用具の運搬や記録、審判など別の役割でできそうなものを会話して置けると、お互いに心が楽です。
毎週2時間が、10分になりました
ルールを決めても、毎週の集計だけは減りません。本業ではExcelを毎週手で作り直すなんて絶対にしないのに、と思ったのがきっかけです。
そこでDagout というチーム管理アプリで、配車を募集から確定まで自動で完結できるようにしました。
出席の回答から、必要な席数が自動で算出できます。一緒に行く監督やコーチの席も出欠から自動で足され、「自分のほかに何人か乗せてほしい」と登録された分も席数に反映されます。
保護者に送るのは回答用のリンク1本です。可能・不可・未定の3択で返ってきます。アプリのインストールも、個人アカウントの作成も要りません。
当番と配車をまとめて自動で確定できます。可能と回答した人のうち、その年度の確定回数が少ない人から優先して選ばれるので、負担が自然と平らになります。確定した車の定員が足りなければ、画面が警告を出します。方面の入れ替えだけは、確定したあとに手で直しています。ここは人が見るところだと割り切りました。
表という成果物がなくなりました。画面がいつも最新なので、直すのも見るのも同じ1か所です。

残っているのはステップ1、締切をいつにするかだけです。これはチームが決めることなので、自動になっても困ります。
担当した回数の履歴が残る「確定実績」の画面(管理者が見る画面です)では、4月から翌3月までの月別・担当者別の回数が見えます。「今年もう3回出してます」と言われたときに、数字で答えられるようになりました。
配車表づくりでよく聞かれること
車を出せない家庭はどうしますか
免除の条件を先に明文化して、別の役割で貢献してもらう形にします。その場その場で個別に判断すると、判断した人が恨まれかねません。
当日の変更はどうしますか
表を作り直しません。元の1枚を直して、「最新はここ」を1本化します。1人減って席が余るときは詰めずにそのまま出し、増えたときは前日の担当者に先に打診しておくと、当日の朝が静かになります。
紙とスプレッドシート、どちらがいいですか
部員が20人以下で、移動が月2回以下なら紙で足ります。それ以上か、変更が週に1回以上あるならスプレッドシートにしてください。紙は変更のたびに刷り直しが発生して、最新版が分からなくなる問題を構造的に解けません。
少年サッカーや他の競技でも同じですか
同じです。競技が変わっても、出欠が動く・情報が散る・同じ人に偏る、の3つは変わりませんでした。
まとめ
ここまで書いた10項目と5ステップは、紙でもスプレッドシートでも実行できます。ひとつめは配車表を「何を書く紙か」として定義し直すこと、ふたつめは出欠と配車を1回で聞いて順番を固定すること、みっつめは公平さの基準を先に決めて全員に見せることでした。
ひとつだけ正直に書くと、ステップ3の「まだ誰も答えていない家庭を見つける」は、紙だと手作業が残ります。私はそこがしんどくなって、アプリのほうを作ってしまいました。
Dagout は出欠も配車も当番も、全機能を無料で使えます。有料プランは現在ありません。保護者はチームIDとパスワード、あるいは送られてきた回答用のリンクだけで完結するので、個人のアカウントは要りません。
配車のツールを他と見比べてから決めたい方は、こちらに整理しています。
