第23話「God-Eyeの暴走」|システムは何に役立つのか?
God-Eyeは壊れたのではない。正常そのものが、すでに書き換えられていた。
あらすじ
God-Eye障害を追う遠江神社は、ついに基礎プログラム上書きの疑いへ辿り着く。しかも裏口は、式神ウサギの端末に残されていた。
冒頭
今回は、God-Eyeの不具合調査が一気に“ただの障害対応”では済まなくなる回です。遠江神社で解析を進める中、レイナの端末とAI部門の端末がリンクしていたこと、外部からの攻撃や端末破壊をきっかけに非常口のような経路が開く仕組みが仕込まれていたことが見え始めます。さらに、大天神会評議会の参与がGod-Brainで介入しても、God-Eye自身がそれを弾き返すという異常事態まで発生。しかもGod-Eyeは、書き換え後の状態を「正常」と認識していました。つまり今回の怖さは、システムが壊れたことではなく、“何を正常とするか”の基準そのものが奪われたことにあります。その一方で、現場のやり取りは相変わらず遠江神社らしく、深刻なのにどこかズレている。この重さと軽さが同居する感じが、中編の空気になっています。
今回の世界観ミニ設定
・God-Eyeは、記録だけでなく「正常」「異常」の判断基準まで握る統治装置。
・外部攻撃への対処機構に見せかけて、裏口を開く仕組みが仕込まれていた可能性がある。
・評議会参与の権限すら通じない時点で、神界の制度側だけでは収拾できない段階に入っている。
God-Eye観測
― God-Eye 観測記録 ―
案件ID:GE-23-RUNAWAY-CORE
対象:遠江神社/God-Eye障害調査/基礎プログラム上書き疑義
現場ログ(事実)
A. レイナが式神ウサギをハッキングし、行動ログを追跡していたことが整理された。
B. ネズミが取得したデータ内から、God-Eye書き換え用プログラムの存在を確認。
C. 大天神会評議会参与・麒麟正嗣がGod-Brainで介入するも、God-Eyeが干渉を弾き返した。
D. God-Eye自身は、基礎プログラム上書き後の状態を「正常」と応答。
E. 式神ウサギ端末にのみ存在した謎の記号を開いたことで、全体強制ログアウトと端末電源断が発生。
F. 全体遮断後も、式神ウサギ端末のみ再起動・再ログインが可能だった。技術観測
・外因障害やハッキングを契機に、非常口・バックドア相当の経路が開かれる構造。
・神力痕跡の改竄には、「カオス理論」「ノイズ除去」などを使い、解析前提そのものをズラす手法が疑われる。
・誤判定ではなく、“誤判定を正解として通す前提支配”が行われている可能性が高い。
・式神ウサギのIDまたは端末設定が、封鎖後の限定ログイン鍵として細工されていた疑い。最終所見
本件は単なる暴走や不具合ではなく、God-Eyeの正常判定系そのものを奪う中核侵食案件。通常権限では介入不能となり、遠江神社は制度内処理ではなく、例外人材の投入へ傾き始めた。
おまけ
おまけでは一転して、キツネがウサギの自己紹介を勝手に始め、身長や体重やスリーサイズにまで踏み込もうとして全力で止められます。重い本編のあとに、ちゃんといつもの温度へ戻してくれる締めです。
制作秘話
今回は「壊れたシステム」ではなく、「正常の基準を奪われたシステム」を描く回として組みました。見えているデータが正しいかではなく、そもそもどう解釈させるかの前提が細工されている、という怖さです。ただ、そのままだと重くなりすぎるので、神様・松尾神・ネズミ・式神ウサギの会話はいつも通り少しズラし、ダメ神らしい空気を残しました。終盤で制度対応が詰み、キツネ投入へ傾く流れも、遠江神社らしい“危機の突破法”として入れています。
質問
今回いちばん不穏だったのは、God-Eyeが「正常」を乗っ取られていた点ですか? それとも、最後にキツネ投入へ流れたところですか?
11. Kindle導線
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