セッキニッキ🦬
ぱち。
ぱち。
ほっ。
……
すやー……
すやー……
んー……
ふぁあぁぁ……
もぞもぞ。
がさ。
……
んんーっ。
ハッ。
……
ころり。
とん、とん。
ふう。
かん。
かん。
ちん。
ちん。
ぱきっ。
ぎゅ。
ぎゅ。
……
うほ。
うほほ。
ぬふ。
……
ザッ。
ザッ。
ザッ。
……
サワ……サワ……
チュンチュン。
ジーーー。
サササ……
ザッ。
ザッ。
ザッ。
ふうっ。
ふうっ。
……
キョロキョロ。
サワ……
ピタッ。
……
グルルルル……
フシューッ!
パカッ! パカッ!
……
じっ……
ごくり。
……
ゴオォォォ……
ドドドドドドド……
ウオオオオッ!
グルルルル……
ブンッ!
ドカッ!
バシッ!
ギャオオオン!
ドスッ!
ズシン!
……
ウホッ!
ウホウホ!
ハア、ハア、ハア。
……
ん?
ズズズズズズ……
ポロポロポロ……
……
ドドドドドドド……
ドドドドドドド……
パオーーン!
パオオーーン!
……
ビクッ!
ヒイッ!
ドサササッ!
ガサガサッ!
シュバッ!
……
ドドドドドドド!
ドドドドドドド!
バキバキバキッ!
ズシン!
ズシン!
……
ドドドドド……
ドドド……
……
ぽつん。
……
そろり……
そろり……
……
がくっ……
ハァ……
……
ぴょん。
ぴょん。
……
ククッ?
……
ピタッ。
ヒュッ!
ぱしっ。
ギギュッ!
ポテッ。
……
ふう。
うほ。
……
ザッ。
ザッ。
ザッ。
……
くたくた……
ふうっ……
ふうっ……
……
サワァ……
ヒュウウ……
ヒュウウ……
……
アホー。
アホー。
……
ぱち。
ぱち。
ころころ。
くる。
ぺた。
ぺた。
くる。
……
じゅうううう。
……
ザッ。
ザッ。
……
ポトン。
……
しゅん……
……
くす。
くす。
……
トントン。
……
ぽん。
じゅううう。
ぷう。
ぷううう。
……
ぱちっ。
……
パクッ。
もぐ。
もぐ。
もぐ。
……
んん〜っ!
うままま!
むふふ!
……
くす。
くす。
アハハ!
ウホホ!
キャッキャッ!
むふーっ!
ほも。
ほも。
ねあん。
ねあん。
さぴ。
さぴ。
……
ごくっ。
ふう。
……
ふぁあぁ……
ころん。
もぞもぞ。
がさ。
……
すやすや……
くう……
くう……
……
ぱち。
ぱち。
……
ヒュウウ……
ヒュウウ……
「教授、例の石板の文字列なんですが、解析結果が出ました」
「うん、クサビ型のようだが、見たことのない文字もある。どうやら日記らしいな。続けたまえ」
朝の洞窟は、いつも岩と灰の匂いがする。
「ぱち、ぱち」
小さく残っていた種火がくすぶる音で、ボクは目を覚ました。
パパは起き上がっていた。
硬い丸石で石斧の刃先を研いでいる。
ころり。とん、とん。
静かな洞窟に、カンカン音が響いていた。
パパがボクの肩をポンと叩いた。
狩りの時間だ。
ママは寝ぼけ眼の妹を抱きながら、ボクたちに乾いた木の実を握らせてくれた。
ボクとパパは石斧を担ぎ、朝日が差し込み始めた外へ出た。
ザッ、ザッ、ザッ。
踏みしめる草の露が、足首を冷やす。
ボクとパパは息を潜め、背の高い草むらをかき分けて進んだ。
サワ……。
風が止んだ。
水場に大きな水牛がいた。
立派な角を持った、丸々と太った大物だ。
ボクとパパは顔を見合わせて、深く息を吐き出した。
ふうっ。
「ウオオオオッ!」
パパが飛びかかって、石斧を振り下ろす。
命中して、水牛は崩れ落ちた。
やった! 大きな獲物だ!
これで当分、みんながお腹いっぱい食べられる!
ボクたちが喜んで声をあげようとした、その時だった。
ドドドドドドド……!
地面が激しく揺れた。
遠くの木々がなぎ倒され、黒い大きな影が立ちはだかる。
ドドドドドドド……!
マンモスだ。
長くて白い牙が光っている。
山のように大きな怪物が、地響きを立てて突進してきた。
「グルルルル……!」
おどかすような声とともに、せっかくの水牛を、横取りされてしまった。
ボクとパパは岩陰に飛び込み、ガタガタと震えていた。
マンモスは満足そうに水牛を引きずりながら、悠々と去っていった。
……ぽつん。
あとに残ったのは、大きな足跡だけだった。
ボクとパパは立ち尽くした。
がっくりと肩を落として歩いていると、足元でピョンと何かが跳ねた。
野ウサギだ。
パパはヤケクソで石を投げた。
ぱしっ。
運良くウサギの頭に当たった。
でも家族の夕飯にしては、小さすぎた。
夕暮れが迫っていた。
冷たい風が吹き抜ける。
サワ……ヒュウウ……。
見上げると、大きな渡り鳥が夕空を飛んでいく。
「アホー。アホー。」
ボクたちのことを笑っているかのように、鳴き声が響き渡った。
トボトボと歩き、ようやく家の入り口が見えてきた。
洞窟の中からは、あたたかな光が漏れていた。
ぱち。ぱち。
薪が音を立てて燃えている。
パパは頭をかきながら、小さなウサギを差し出した。
……これだけ?とポカンとしたけれど、すぐにくす、くすと笑い出した。
心配いらないわよ、とママが奥から出してきたのは、モチだった。
木の実やドングリをすり潰して練ったものだ。
アツアツの石の上でじっくり焼き上げる。
ころころ。くる。ぺた。ぺた。
ママが手際よくモチをひっくり返す。
ぷうっと膨らんで、焦げ目がついていく。
獲物がなかった時のためにと、ママが用意してくれていたのだ。
「ぷうー」
と膨らんだ焼きたてのモチを、息を吹きかけながら口に運ぶ。
もぐ。もぐ。もぐ。
モチだけに、もっちりとした歯ごたえと、木の実のほのかな甘みが口いっぱいに広がった。
「うままま!」
パパも大きな口でモチを頬張り、笑顔になった。
妹も口のまわりを真っ白にしながら、キャッキャと声をあげて笑った。
狩りのことなんて、もうどうでもよくなっていた。
家族で火を囲んで笑い飛ばしてしまえば、へっちゃらだ。
食べたらねむくなってきた。
みんなで干し草のベッドに横たわる。
ぱち。ぱち。
焚き火の火花が、洞窟の壁に影を揺らしている。
外では、ヒュウウ……と冷たい夜風が吹き抜けている。
ぱち。ぱち。
……ヒュウウ……。
「教授」
「なんだ」
「新生代の日記も、いまとさほど変わりませんね」
「……たったこれだけの文字列で、一日が分かるもんなんだな」
「なんか、腹がへってきました」
「はははっ。昼飯にするか」🦣🪓

