私の好きな、もう一人の私。
コロッバーというニワトリがいる。
白くて丸い。
赤いトサカに、黄色いくちばし。
そして最近、どうやら私らしい。
もちろん、私はニワトリではない。
最初から「コロッバーになろう」と思っていたわけでもない。
ただの名前だった。
それがいつの間にか、その名前で文章を書くようになった。
小説を書いたり、くだらないことを真剣に考えたり、ときどきニワトリのくせに人生を語ったりする。
コメントも届くようになった。
「コロッバーさん」
そう書かれていると、普通に自分が呼ばれたと思う。
たまに、
「コロッパーさん」
と呼ばれることもある。
そんなときは、心の中で、
「惜しい。バーです。」
と訂正する。
自分の名前でもないのに。
最近では「師匠」と呼ばれることまである。
何の師匠なのかは、いまだに分からない。
コロッバーでいると、少しだけ自由だ。
くだらないことも言える。
誰かの記事にコメントもできる。
真面目なことを書いた翌日に、コロッケの話もする。
ニワトリだからだと思っていた。
でも、文章を考えているのは私だ。
誰かの文章を読んで笑うのも私。
コメントが届いて嬉しいのも私。
返事を考えながらニヤニヤしているのも、やっぱり私だ。
こうなると、どこからがコロッバーで、どこまでが私なのかよく分からない。
まあ、困ってはいない。
いつからこうなったのかも分からない。
ただ、「コロッバーさん」と呼ばれるたびに振り向いていたら、いつの間にか、その名前が自分のものになっていた。
コロッバーの記事を褒められれば、私が嬉しい。
コロッバーを見て笑ってもらえれば、私も笑う。
私は、コロッバーが好きだ。
たぶんそれは、
「自分が好きだ」と言うより、
少しだけ言いやすい。
今日も私は、
ニワトリの顔で、私の話をしている。
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