見出し画像

「遊びは学び」 │ 子どもに「遊ぶ時間」が必要だと思う理由

「将来、良い大学に入ってほしい」

「お金に困らない大人になってほしい」

そんな思いから、幼少期から習い事や勉強などに力を入れているご家庭も多いのではないでしょうか。

「早いうちの教育は、子どもの将来のためになる。」

実は、私も最初はそう思っていました。

ですが、保育士とベビーシッターの仕事を通して、少しずつ見え方が変わっていったのです。


■「教育的な園」での子どもたちの姿

最初に働いた園では、教育に力を入れていました。
体操、ピアニカ、学習プリントなど、毎日さまざまなカリキュラムが組み込まれていました。

そこに決められた制作や行事の練習も入るので、自由に遊べる時間はたった30分くらいだったかもしれません。


決まった時間に移動し、
決められたルールの中で、
決められたことを、子どもたちは毎日こなしていました。

学習プリントに取り組む様子


私自身も指導に関わっていたので、当時は
「子どもたちに良い影響を与えている」
と、どこかそんな自分を誇らしく思っていました。

指導したことができるようになる子どもたちの姿を見るたびに、達成感を感じていたんです。


でも、自由時間になると、
手が出るほどの喧嘩が続いたり、大騒ぎになったりすることも多くありました。


そんな子どもたちを落ち着かせることがとにかく大変でした。


「毎日いろいろなことをこなしているのに、どうして自由時間になると、こんなに荒れてしまうんだろう?」
そんな疑問を抱えながら保育を続けることが、
少しずつ辛くなっていきました。


自分なりに本やネットで勉強していくなかで、
少しずつ保育の価値観も変わっていき、


ある時、「子どもの気持ちを大切にする保育がしたい」という気持ちが芽生えました。


そして退職を決め、「自由な遊びの時間を大切にしている園」へ転職したのです。


■遊びや生活の中で自然に成長していく子どもの姿


転職して最初に感じたのは、
子どもたちが、とにかく楽しそうだったこと。
それが何より嬉しかったのを覚えています。


好きな遊びを友だちと自由に楽しむ姿は、
一見すると、当たり前の光景かもしれません。


でも私から見ると、
子どもたちがとても生き生きしているように感じました。


園で決められた細かなルールはほとんどなく、
危険なことや相手を傷つけること以外は、
細かく口を出すこともありませんでした。


そんな環境の中で月日が経つと、

困っている子に気づいて助ける。
友だちと協力して、一つのものを作ろうとする。
遊びの中で意見がぶつかり、喧嘩をしても、また一緒に遊ぶ。

そんな姿を、少しずつ見るようになりました。


大人が一つひとつ教えなくても、
子どもたちは遊びの中で、人との関わり方を経験していたのです。

うまくいかないことも、友だちとぶつかることも含めて、それも遊びの一部だったと思います。



■シッターになって、さらに見えてきた「遊び」の力


ベビーシッターとして子どもと1対1でじっくり遊ぶ中で、さらに見えてきたものがありました。

ごっこ遊びでは、
シチュエーションやセリフを変えながら、次々に話を展開していく子。

物を積む、投げる、転がすなどして、
「どうなるんだろう?」と実験を楽しむ子。


一見すると、ただ「遊んでいる」だけに見える時間。
でも、その中では、子どもが自分で遊び方を考えたり、試したり、工夫したりしています。


「遊びの中にこそ、子どもが主役となって動く時間がたくさんある」

そう感じたのです。


■遊びの中で、子どもは何を経験しているんだろう?


遊びについて調べると、遊びを通して育つ力がたくさんあるのが分かります。

例えば、

* 自分でやりたいことを決める「主体性」

* 頭の中でイメージしたものを形にする「想像力」や「創造性」

* 思い通りにならないときに、方法を変えてみる「問題解決能力」


もちろん、遊んでいる子どもが、
「今、主体性を育てています!」
「これから問題解決能力が伸びます!」
なんて考えているわけではありません。

ただ、
面白そう!」「やってみたい!」
「こうしたらどうなるんだろう?」
と思ったことを、自分なりに試している
のです。


その一つひとつの繰り返しの中に、
子どもにとっての学びが自然に含まれているのだと思います。

■習い事や教育が悪いわけではない


ここまで書いてきましたが、
私は「習い事をさせないほうがいい」と言いたいわけではありません。

習い事や勉強にも、そこでしか得られない経験があります。


新しいことを知る楽しさ。
練習して、できなかったことができるようになる経験。
それらも、子どもの成長につながる大切な経験だと思います。


ただ、
「何かを身につけるための時間」だけではなく、
子ども自身が「やってみたい」と思って遊ぶ時間も、大切なのではないでしょうか。


大人が「これは学びになる」と思って用意したものだけが、子どもの学びではありません。

■家庭でも、できること

では、家庭では何ができるのでしょうか。

特別な遊びを用意する必要はないと思います。

例えば、

・予定を詰め込みすぎず、自由に遊べる時間をつくる

・子どもが遊び始めたら、すぐに「こうしたら?」と口を出さずに見てみる

・完成したものだけではなく、そこに至るまでの過程を見る


それだけでも、子どもの遊び方が少し違って見えてくるかもしれません。

「ただ遊んでいる」と思っていた時間に、
「こんなことを考えていたんだ。」
「自分でこんな工夫をしていたんだ。」

と気づくことがあると思います。

■まとめ


子どもにとって遊びは、
ただ楽しいだけの時間ではありません。


「やってみたい」と思ったことを、自分で選んで、試してみる。

うまくいかなければ、また考えてみる。
そんな経験が、遊びの中にはたくさんあります。


だからこそ『遊ぶ時間』とは、
子どもが自分なりに世界を広げていく、とても豊かな時間だと感じています。


教えることよりも前に、
子どもが「やってみたい」と心を動かし、思う存分向き合える時間。


そんな時間を、これからも大切に見守っていきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!